オフィスとリモートは4:1。インフルで気づいたベストな働き方。freee 中山順司

近年話題のリモートワーク。インフルエンザにかかったことで気付いたベストな働き方とは。

 オフィスとリモートは4:1。インフルで気づいたベストな働き方。freee 中山順司

こんにちは。freee株式会社(https://www.freee.co.jp/)で経営ハッカー(https://keiei.freee.co.jp/)というメディアの編集長をしている中山といいます。45歳のオッサンです。2016年4月にfreeeに転職したんですが、自分が最年長で驚きました。

とはいえ精神年齢は14歳で、初代ガンダムをこよなく愛しています。好きなモビルスーツは陸戦型ドム(宇宙用量産機のリック・ドムではない)。縁あって、BOXILマガジンに寄稿させていただきます。

テーマはリモートワーク。2週間ほど前、人生初のインフルエンザに罹ってしまったのですが、それがキッカケで「自宅(リモート)で仕事したら、思いの外はかどった」というお話し。

いわば、ひょうたんからコマ的なかんじでリモートワークの快適さに目覚めたわけです。ほんの数日しか経験していないので、リモートワークを大上段に語る資格が無いのは自覚しています。今回書くのは、あくまで個人的な体験談。それ以上でも以下でもありません。

「へ~、そういうケースもあるのねぇ」くらいのリラックスモードでお読みください。


人生初のインフルエンザで丸4日寝込む

45年の人生で、初めてインフルエンザになりました。昨年末に予防接種を受けておき、万全を期したつもりでしたが、それでもかかってしまうとは…。
どうやら、予防接種をしたからといって「絶対に感染しない」わけではなく、可能性を下げるってことと、もしも罹ってしまった場合に高熱が出にくい、ということらしいです。勘違いが油断を招いたっぽい。

金曜の晩から両ヒザの関節が痛くなり、だるさを感じ、朦朧としながら帰宅して、そのままダウン。翌朝熱を測り、微熱だったので「風邪薬を飲めば治るやろ」と土曜を寝て過ごすも、日曜になっても熱がひかないどころか、熱が上昇。
月曜に病院に行き、検査して陽性と判明。すぐに薬を摂取してさらに丸2日寝こむことになりました。

合計4日間、ふとんに入りっぱなしだったのですが、こんなに寝込んだことが人生でなかったので、キツかったです。だるい、気分が悪い、熱があることに加え、体の節々が痛みました。とくに痛かったのが腰と背中の筋肉。インフルエンザって、筋肉を痛めることもあるんでしょうか?インフルから復帰したら、ウソみたいに体の痛みが消えたので、きっとそうだったんでしょう。

仕事が溜まる恐怖で仕方なくリモートワークを始める

体中が痛くて眠れず、布団の中で胎児のように体を丸めてジッとしていると、考えてしまうのは仕事のこと。仕事が溜まっていく恐怖、メールとslackの未読数を確認するのが怖い。回復に努めなければならないのはわかっているけど、「あー、あれが遅れちゃう…」「あのアポ、リスケしなくちゃ…」と、常時仕事のことが気にかかっていました。

丸4日寝たうちの、半分の2日は週末を充てられたからまだ良かったです。月曜~木曜の4日寝込むことになってたら、いろいろやばかったはず。医者からは、「感染の恐れがあるので、金曜まで職場に行くな」と釘を刺されており、回復した水曜と木曜は強制的に自宅作業でした。

「やれやれ、自宅作業か…」と思いつつやってみたら、なんと、意外にもこれがはかどるんです。

意外にもはかどったリモートワークのメリット:無駄な時間がなく、時間ペースが乱されない

まず通勤時間がゼロ。これが大きい。埼玉県(川口市)から五反田までバスと電車を乗り継ぐ通勤がない。リビングでPCをオンにしたら即仕事ができます。通勤って、疲れるんですよね…。なかなか電車内では座れないし、移動中はずっと寒いし。

仕事開始時間を段違いに早くできるので、午前中であらかた作業が終わります。しかも、一人で静かなので、誰にも邪魔されない。リモートワークあるあるでしょうが、身だしなみを整える手間もゼロ。寝癖だらけのボサボサの頭、よれよれのジャージ、無精ひげ伸ばしまくりでも仕事できます。

インフルエンザ中はシャワーを浴なかった(そんな体力すらなかった)ので、ただでさえ加齢臭満載の私がダブルで匂ったはず。慣れている嫁でさえ、「くせーよ!いいかげん身体洗えよ!」と言われ、ようやくシャワーを浴びました(笑)。三日ぶりに髪を洗ったら、毛に指が入らなくなるほどバッキバキになってました。

ランチにお金がかからないのも地味にGOOD。冷蔵庫の残り物とかその辺に転がっているパンでも食べればOK。10分でランチ終了。それに、自宅内にこもっていればほぼ運動しませんので、たいしてお腹も空きません。

対面コミュニケーションは大事なのはごもっともですが

「リモートワークの良さは分かるけど、やっぱり顔を合わせたコミュニケーションじゃないと、難しいこともあるんじゃない?」

その意見はごもっとも。ただ、freeeはそもそもslack (チャットツール)での会話がメインという文化なので、声を交わせないのことをデメリットとは感じません。

文字だと伝えにくいやりとりは、スカイプでもいいでしょう。ちなみに私の携帯は「24時間365日、どこにかけても通話料無料」のプランなので、通話時間を気にせず話せます。急ぎで結論を出すべきディスカッションが控えていたので、同僚の携帯に電話して、プチ会議で乗り切りました。仕事のことを考えてこの料金プランにしたわけじゃないですが、結果的に「いつでも電話会議できる」状態が作れました。

「でもさぁ、電話じゃ顔が見えないよ。それだと細かなニュアンスが伝わらなくない?」

わかります。音声だけのやり取りって、どうしてもフェーストゥフェースには及びませんよね。表情等のノンバーバルメッセージも伝えられないし。

しかし、それもケース・バイ・ケースかなと。というのも、「すでに関係性を構築した相手であれば、音声だけでニュアンスは伝えられる」のです。互いに人となりを理解し合えている社内の人間であれば、まったく問題ないですね。音声は電話で、ファイルやURLはslack で送り合う…というコンボで会話すれば、ほぼほぼスムーズにやりとりできます。

ただ、意見を言い合うとか、アイデアを「あーでもない、こーでもない」とキャッチボールしあう会話は、リアルな場でしたほうが効率的。テニスのラリーのように延々とslackで文章を送りあっていると、「ええいっ!話したほうが早いわっ」ってなるときありますよね。なんでもかんでもデジタルに頼ればいいってものでもないのです。

じゃあ、毎日リモートワークしたいのか? >> 答えは「NO」

たった2日間ですが、自宅からリモートワークをしてみて、「ええやん!」って思ったのですが、「じゃあ、これを毎日やりたいか?」と問われたら「ちょっと…」ですかね。

仕事がし易いし、作業に集中できるのは間違いないのですが、やはりワイガヤで話すとか、一緒に食事して親交を深めるとか、仕事以外の会話もするだとか、そういう交流は欠かせないと思うのです。雑談から仕事のヒントが浮かぶってこと、よくありません?私はものすごく多いです。それって、やっぱり直接面と向かってでないと生まれない効果なんです。

最近はタバコ部屋というワードもあまり聞かなくなりましたが、私が新入社員だった1994~1995年ごろは、『タバコ部屋』という場所がフロアの隅っこに設けられていました。スモーカーの人が、仕事の合間にフラッと立ち寄って、一服できる場所です。

そこでは、部署や役職が関係なく、様々な立場の人がソファに座り、仕事の延長線上の雑談が活発に行われていました。タバコはまったく吸わない私も、先輩や上司の雑談に混じりたいがために、煙がもうもうと立ち込める部屋に入り、仕事のヒントを得ようとしていた思い出があります。

面と向かってでないと、本音は出にくい気がする

タバコ部屋には「会議室では言えない本音」とか「仕事で困っているけど相談相手がいない」ことを言っても許される空気がありまして、(あまり大きな声では言えませんが)その効果を逆手に取って、タバコ部屋にいる上司や他部署の役職者に根回しをすることもありましたね。

リラックスムードで聞いてくれるので、「おお、いいよ。じゃあ○○部長に話しつけとくから、それ進めちゃっていいよ」というヒトコトを引き出しやすい。周囲に他の部署の人間もいるので、言った言わないの水掛け論に後々で発展しにくいのも好都合でした。

おかしなたとえですが、「傷ついた動物たちが癒しにくる温泉では、ライオンも鹿を襲わない」状況に似ているかなと。普段は仲が悪い部署同士でも、タバコ部屋にいるときは「いったん休戦しようや」的な無言の合意の空気がありました。あの感じ、私は嫌いではありませんでしたね…。

今はタバコ部屋は化石のような存在になっているかもですが、似たような場所は社内のどこかにあるもんです。社員の本音がポロッとでやすい場所とか、リラックスして会話できるエアポケットのような場所は、やはりオフィスにしかないのです。

ちなみにfreeeにはタバコ部屋はないですが、積極的な会話を促す工夫があちこちにあります。社員全員が集える、カフェテリア的なスペースは「遊び場(asobiba)」という名称がついていますし、執務フロアにはソファーやファミレス式の場所、バーカウンターのような場所もあって、「ちょっと相談なんだけどさ~」と言い合える場所が豊富。

こういった、会話から生まれる化学反応は、リモートワークではまず起きません。家に籠れば作業は捗るけど、すごい発見やアイデアは生まれにくいかも?と思いました。

リモートワークの感想まとめ

1.仕事はむっさはかどる
2.時間の有効活用が可能
3.作業はしやすいが、リアルコミュニケーションでしか得られない効果もある
4.4:1の割合がいいかんじ

2日だけの体験で、「リモートワークのすべてがわかった」とは思いませんが、いろいろな気づきを得られました。

個人的感想としては、4(オフィス):1(リモート)がいいかなーと。ふだんはオフィスでしっかりコミュニケーションして意思疎通を重ね、ときどき自宅に籠もって作業に集中する…そんな働き方がベストなような気がします。

リモートワークの良しあし、その是非は人によって意見がバラバラなのも面白いですが、あなたはどんなお考えですか?ぜひコメントやツイートで教えてください。


筆者情報
中山順司(なかやまじゅんじ)
白い犬で有名な某携帯電話キャリアに新卒入社し、マーケティングと営業に携わる。2000年にネット業界に転身。旅の窓口(現楽天トラベル)で観光旅行コンテンツビジネスを立ち上げ、その後始めた個人ブログがキッカケで、ブログソフトウェアベンダーのシックス・アパートに入社。マーケティング、営業、パートナーリレーションを経て、Six Apart ブログを運営。2016年にfreee株式会社に入社し、経営ハッカー編集長に就任。