マーケターが抱える「3つの課題」とは?マルケトに聞く「エンゲージメント」の重要性

2014年6月に日本法人が設立されたマルケトは、現在MA市場で大きな存在感を示しています。同社に、MAツールを求めるマーケターが抱える3つの課題や、マーケティング活動における「エンゲージメント」の重要性について話を伺いました。

マーケターが抱える「3つの課題」とは?マルケトに聞く「エンゲージメント」の重要性

小関貴志
バイスプレジデント マーケティング本部長
1971年東京都生まれ。1994年中央大学経済学部卒業、日本電気入社。システム営業に従事。その後デル、セールスフォース・ドットコムでインサイドセールス、セールス、オンラインマーケティング、営業教育部門のマネジメントを歴任。日本企業に力を与えるために最も貢献できるエリアが、マーケティング領域のイノベーションであると確信し、2014年6月にマルケトに入社、2016年10月より現職。

顧客接点の多様化・複雑化ーーマーケターが抱える3つの課題

――貴社のマーケティングオートメーションツール(以下、MAツール)「Marketo」は2014年の日本法人設立から約3年間で、500名以上のマーケターに利用されており、またMAツール市場全体としても年平均成長率約15%で、2015年の約220億円から2020年までに約420億円まで拡大する見通しです。「Marketo」はどのようなツールでしょうか?

マルケト日本法人は2014年6月に設立しましたが、その時期はマルケト以外のMAツールのベンダーも出揃い、キーワードとしても大きく盛り上がったタイミングでしたね。弊社では「エンゲージメントプラットフォーム」というコンセプトを打ち出していますが、このコンセプトをご理解いただくためにまずはマーケターを取り巻く現状についてご説明します。

まずMAツールを提供している弊社のお客さまはマーケターの皆さまで、マーケターの皆さまは現状3つの課題を抱えています。1つ目は「ブランドを確立すること」です。自社ブランドをいかに構築していくかという点については、BtoCのマーケターだけでなくBtoBのマーケターの皆さまも抱えている共通の課題です。

2つ目は「収益の向上へ貢献すること」です。マーケターの皆さまはブランドの確立だけを達成できれば良いわけではなくて、マーケティング活動を通じてブランドを確立した結果、実際に売上にどの程度繋がったのかという点はやはり重要です。

そして3つ目の課題が「マーケティング活動のインパクトを証明すること」です。マーケターの方々がたとえば1,000万円、あるいは1億円投資したとして、その投資の中でマーケターは具体的に何をして、どのように売上に繋がったのかという経営層からの問いに対して答えなければなりません。

これらの3つの課題を解決することは、マーケターにとって深刻な課題で、かつ昨今では、さらにその難易度が増してきています。

――弊社もクラウドサービスベンダー のマーケティング活動をご支援させていただいていますが、マーケターの方々は特に3つ目の「マーケティング活動のインパクトを証明すること」に苦慮されていると感じます。なぜ深刻さは増しているのでしょうか?

BtoC、BtoB問わず顧客との接点がものすごく多様化、複雑化しており、かつ顧客の期待値もどんどん上がってきているからです。顧客接点としてはメール、Webサイト、モバイル、ソーシャル、さらにはオフラインのメディアやDMもあります。自分自身の行動を振り返ってみると、日々いかに多くのチャネルに接しているかがよく分かると思います。

さらに顧客の期待値の観点では、顧客はすべてのチャネルで一貫性を持って、かつ自分の状態を理解して接して欲しいと考えるようになっています。

ある調査によれば、64%の人は価格が高くてもより良い顧客体験を提供してくれる会社から製品やサービスを購入したいと考えていることが明らかになりました。こちらも自分に置き換えてみれば、たしかにそうだなと思いますよね。

見せかけの統合型ソリューションの罠

――デジタルマーケティングやO2O(Online to Offline)マーケティング、カスタマージャーニーなどの文脈で、オンラインもオフラインも含めたマルチチャネル化や一貫性を持ったアプローチの重要性についてはたしかに指摘されていますね。

そうですね、そしてこのような課題に直面しているマーケターがやってしまいがちな対策はポイントソリューションの導入です。メール配信ツール、Web最適化ツール、モバイルアプリ作成ツール、ソーシャルリスニングツールなど、各チャネルに特化したツールを価格や導入のしやすさなどを理由として選択します。少しずつ増やしてきたため結果的にそうなってしまったということもありますね。

ポイントソリューションではビジネスの規模にあわせてスケールしていくことができません。なぜなら、マーケターの皆さまはあるお客さまに対してそれぞれのチャネルで接するのではなく、一貫性を持ってアプローチしなければならないからです。ユーザーの皆さまが一貫性のあるアプローチを望んでいる中で、やはりポイントソリューションには限界があり、かつ結果的に高価になってしまいます。

――マーケティングの領域はポイントソリューションではなく統合型ソリューションによって一貫性を持ったアプローチが求められる領域ということですね。

そうですね、ただ統合型ソリューションの中でも、単に買収製品を寄せ集めただけの統合型ソリューションの導入もやってはいけないことの1つです。

「我々の会社はフルパッケージで取り揃えているので、Web解析ツールも、ソーシャル解析ツールも、CRMもMAツールもすべてワンストップで提供可能です」とうたっていても、蓋を開けてみれば買収製品の寄せ集めということはよくあります。PowerPoint上は1枚の絵になっているのに連携できていないという意味で、私はPowerPoint上の統合型ソリューションとも呼んでいます。

――PowerPoint上の統合型ソリューションという表現はとても面白いですね。買収製品の寄せ集めによる統合型ソリューションはなぜ導入してはいけないのでしょうか?

買収製品の寄せ集めによる統合型ソリューションの場合、結局はポイントソリューションの寄せ集めに過ぎませんので、自社で連携させなければなりませんし、開発費も上がってしまいます。さらには効果が出るまでのスピードも圧倒的に落ちます。

ベンダーを固定してしまう点も大きなデメリットです。たとえばある製品を購入した後、他の製品も同じ会社から買わざるを得なくなり、気がついた時には抜け出せなくなっているということがあります。

優れた製品であれば抜け出せなくても良いのですが、これは買収製品の性でイノベーションは出なくなっていきます。他の製品との連携などに予算が投下されていき、本業であるはずの新機能開発がおざなりになってしまうからです。

マーケティング活動でやらなければならないことは、まずは「Listen」、データ収集を通じてお客さまの状態を正しく知ることです。次に「Learn」、顧客体験の設計で、お客さまの状態を踏まえてどのようなアプローチをしていくか設計すること。そして最後に「Engage」、お客さまに対してPushするのではなくEngageを図っていくことです。


(出典:インタビューをもとにスマートキャンプ作成)

マルケトではこの「Engage」を支援していて、我々は買収製品の寄せ集めではなく本当の意味で統合していますので「エンゲージメントプラットフォーム」というコンセプトを掲げています。マーケティングオートメーションと言うとメールに特化したソリューションなどと捉えられてしまうこともありますので言い方を工夫しています。

求められるものは本当の意味での統合

――買収製品の寄せ集めによる統合よりも先に進んでいる「本当の意味での統合」とはどのようなものでしょうか?

自社製品だけでなく他社製品とも十分に連携することで、ユーザー にとっての使いやすさを最大化していくような統合です。弊社ではこの点を最も重視していますので、たとえばマルケトで提供している機能をすでに他社製品で補っていて、その使い勝手が良いのであればそのまま利用していただき、マルケトはそこに対してコネクターをきっちり用意するといったアプローチをしています。

マーケティング関連のソリューションは世の中に4000以上存在していると言われていて、日々増え続けているような状況ですので、とうてい1社でやり切れる領域ではありません。このような背景からマルケトではAPI連携を積極的に進めていて、これまでにグローバルで600以上のパートナーのアプリケーションとの連携を実現しています。

――どのような部分でパートナー連携を進めているのでしょうか?

特により専門性が高く、より進化が速い部分はパートナー連携を進めていくようにしていますね。たとえば日本では、名刺管理クラウドのSansanからさまざまなデータが「Marketo」に連携されていますし、直近ではユーザーベースのSPEEDAと連携してユーザー情報を手厚くしています。

――パートナー連携に関する発表として、DMPやメディアとの連携も多かったように思います。デジタルマーケティングのインプットからアウトプットまで繋いでいくという考え方で進めているのでしょうか?

DMPは少し前に特に多かったですね。2015年くらいにお客さまから「DMPと連携できますか?」というお問い合わせをものすごくたくさん頂いたので連携を進めていました。

「Marketo」のデータだけでなく外部のDMPのデータを持ってくることでデータはリッチになりますので、より細かいセグメンテーションでのメール配信やWeb・モバイル最適化などが可能になります。また、「Marketo」にある過去の購買データを外部のDSPに接続して拡張配信することで、より多くのお客さまにアプローチできるようになります。

そのため、弊社ではYahoo! DMPと連携していますし、GoogleやFacebookとも連携しています。その他、インティメート・マージャーやAdRollとも連携していますね。さまざまなサービスと連携することで「Marketo」にあるデータを外部に接続して拡張配信し、Webサイトにきてもらい、再度そのサイクルと改善を回していくといったことが今ではできるようになっています。

――昨年から米国を中心に、B2Bマーケティングの効果を高めるアプローチとしてAccount Based Marketing(アカウントベースドマーケティング。以降、ABM)への期待が高まっています。このABMまわりでも連携を進めているように見られますが、そもそもABMとはどのような考え方でしょうか?またABMにおいてマルケトはどのような価値を提供できるのでしょうか?

ABMとは、高付加価値の顧客に対して重点的にマーケティングアプローチをしていくという考え方です。弊社ではあらゆる顧客データと連携して、アカウントスコアリングによって重要顧客の絞り込みを行い、複数のチャネルにおいて重要顧客の担当者や意思決定者とのエンゲージメントを構築し、複数チャネルでのエンゲージメントレベル、パイプライン、収益などの主要指標にわたってABM活動の影響を測定し、その成果を最適化できるよう支援しています。

重要顧客の絞り込みにあたっては、自社データだけでなく外部データの活用も求められます。そのため、企業情報データを提供するソリューションや外部で公開されている企業情報や独自の分析結果を基にした推奨スコアリングモデルの提供や顧客ターゲティングを支援するソリューションとのパートナー連携は積極的に進めていますね。

Aからはじまる3つのコアテクノロジー

――エンゲージメントプラットフォームやABMを実現するマルケトの製品としてのコアテクノロジーはどのような部分にあるのでしょうか?

コアテクノロジーは「Automation(自動化)」、「Adaptive(適合)」、「Analytics(分析)」の3つの「A」です。まず1つ目の「Automation」は、マルケトはマーケティングの自動化ツールとして、ユーザーの行動をベースにリアルタイムでアプローチすることが可能です。

たとえばお客さまがWebサイトを開いて、もしその人が男性で、神奈川県にお住まいの方だったらこのような画面にする、またモバイルアプリを開いてくれた人、このような条件に当てはまったらこのようなメールを送るといったオプションをリアルタイムに打つことが可能になります。

2つ目の「Adaptive」は、一般的にはAIや機械学習、ディープラーニングと呼ばれる領域です。マルケトではマーケターの皆さまに対して実際にどのようなものを提供できればお役に立てるかという考え方で動いていますので、AIという言葉はあまり打ち出していません。AIという言葉自体にはインパクトがあるのですが、本質的な部分が伝わらない恐れがあります。

「Adaptive」としてできることとして、まずはコンテンツのレコメンデーション機能があります。たとえば複数のホワイトペーパーをマルケトに登録しておけば、お客さまの行動データに基づいて「あなたはこれまでこのような動きをしてきたので、こんなコンテンツに興味があるのではないですか?」ということを自動的にレコメンデーションすることが可能です。

お客さまの関心を高めていくにあたって、たとえばお客さまがメールを開いたときに興味のあるコンテンツを表示させるといったようなことを、人ではなくて機械、つまり「Marketo」が担いますということです。

もう1つ、計画中の機能として、キャンペーンの最適化があります。たとえば今、朝の何時にメールを送り、3日間待ってもアクションがない人には次のアクションとして別のコンテンツのメールを送る、というキャンペーンを行っているとします。

このようなキャンペーンをいくつか行っていくと、3日間待つよりも2日間の方がより効果が出る、配信するコンテンツはこちらの方が良い、あるいは別のアクションを取った方が良いといったことが分かるようになっていきますので、キャンペーンの最適化に向けて提案できるようになっていきます。

(出典:インタビューをもとにスマートキャンプ作成)

そして3つ目の「Analytics」は、レポートやダッシュボードを作り、分析し、アクションに活かすといった分析機能です。このようなエンジンがあって初めてお客さまのデータを受けてさまざまなことが設定できるようになります。また、マルケトのアプリケーションはすべてこれらのコアテクノロジー上に成り立っています。

たとえばメール配信、営業との連携、Webのパーソナライズ、モバイルの最適化、また最近ではアカウントベースドマーケティングなど、これらはマルケトの標準のアプリケーションとしてご提供していて、すべてが統合されたエンゲージメントプラットフォーム上に構築されています。

――やはり「マーケティング活動のインパクトを証明すること」のためにも、マーケティングデータを可視化して自動で最適なアプローチをし、機械学習を活用して実験を繰り返しながら効果を高めていくことが重要ですね。このようなコアテクノロジーは連携よりも自社で強化していく方針でしょうか?

お客さまにとって、最も価値が出る選択肢を選び続けるでしょう。進化し続ける技術と、変わり続けるお客さまのニーズを満たすために、数ある選択肢の中で何が最適なのかを柔軟な発想で検討すると思います。 弊社ではお客さまの声を製品に反映することも定期的に実施していますし、日本のお客さまからのご要望も製品に搭載されることが決まっています。

――MAツールの領域はCRM領域と密接に関係していますが、今後CRM領域に出ていくのでしょうか?あるいはCRMツールとの連携を強化していく方針でしょうか?

CRM領域は専門外ですし、すでにSalesforceのSales CloudやMicrosoftのDynamics、サイボウズのkintoneなど優れたCRMツールがありますので、こういったCRMツールとの連携を進めていく方針です。弊社のアプローチとしは、CRMツールと接続した際の使い勝手を最適化していく方向です。

お客さまからの接続に関するご要望も、もともとこのCRMツールとの接続へのご要望が非常に多いです。特にBtoBのお客さまや、BtoCのお客さまの中でも住宅や人材、車、学習塾など検討型商材を取り扱っているお客さまはCRMツールを利用している方多いので、「Marketo」のデータとCRMツールのデータを相互連携させてどちらも最新の状態になっているようにしたいといったニーズが強いです。

「テクノロジー」「戦略」「組織・人材」三位一体での改革

――国内では米国を中心とした海外と比較すると、MAツールの普及率はまだまだ低いように思います。国内での普及を妨げる要因はどのようなものでしょうか?

マーケティングの担当者がチャネルや機能によってばらばらで、一元的なアプローチをしづらいことが1つの仮説としてあげられます。たとえばデータベースはキャンペーンチーム、企業データはCRMチーム、Webサイトの最適化はWebチームといった形でばらばらに担当者がアサインされていて、このような分断があると統合型のMAツールは導入しづらくなります。そういった意味では中堅・中小企業の方が、1人の担当者が入口から出口まで一元的に担当されているケースが多いので比較的導入が進みやすいかもしれません。

――そういった意味では、統合型ソリューションである「Marketo」を導入するためにはクライアント側でも統合を進めていく必要がありますね。

そうですね、テクノロジー、戦略、組織と人材、この3点はセットで改革を進めていくことが重要です。もちろん弊社ではテクノロジーの提供が中心で、テクノロジーを起点として戦略や組織をこうしていきましょうという順番でご提案をしても良いのですが、やはり三位一体でなければなりませんので、戦略や組織と人材の領域はパートナーとの協業を進めています。

――組織の改革に加え、人材の改革も重要になると思います。マーケターの育成の観点ではどのような取り組みをされているのでしょうか?

「Marketing Nation」というコミュニティを運営しています。これは、マーケターのお客さまやパートナー企業、弊社の社員、また知見者の方、こういった方々と一緒により知識レベルや実践レベルを高めていくことで結果に繋げていくような場です。

具体的にはユーザー会があります。たとえば日本ではすでに500名ほどの方がユーザー会に属していて、半年に1度イベントを開催しています。マルケトの製品動向についてもお話しますが、その他にもお客さまに事例をご共有いただき、また懇親会ではパートナー も交えて「今こんなことで困っている」といったことをお話するようなこともあります。


ユーザー会の様子(マルケト提供)

また、オンラインのコミュニティもあり、ユーザー が何かご質問された際にはマルケトの社員が初心者向けのtipsを書き込み、またベテランのユーザー がこのような裏技がありますよと書き込んでくださったりしています。このように、オフラインとオンラインのコミュニティを通じてマーケター全体のレベルアップも目指しています。

また、ユーザー会から派生する形で分科会もあります。たとえばテクノロジーについて意見を交わす分科会やマーケティング施策について業界問わず情報交換をするような分科会もありますし、面白いところでは人材業界の分科会として、競合同士がマルケトの使い方について意見を交わしてくださっています。こういった分科会が今は5つほどありますね。

圧倒的高品質なプロダクトの提供により「エンゲージメントエコノミー」を支えていく

――世の中的にも新しい製品で、かつ高品質な製品だからこそ、マルケトを使いこなすことは難しいという声も聞きますが、いかがでしょうか?

製品の良さには「多機能」と「使い勝手」の2軸があり、弊社の製品はこの2軸を両立していると思っています。世の中には簡単に使えるものの機能が少ないソリューションもありますし、多機能だけれども使い勝手が悪いソリューションもあります。弊社ではここを両立しているので、すべての機能をお使いいただく場合にももちろん満足いただけますし、一方ですべての機能を使う必要は恐らくなくて、一部の機能をお使いいただく場合にも満足いただけるようになっています。

マーケティング自体が難しいミッションですので、そのマーケティングを支援するツールはなるべく使いやすくということを意識して製品開発を行っています。弊社の製品のエンドユーザーであるマーケターの皆さまはITの専門家ではありませんので、マーケターの皆さまが直感的に使いこなせるよう使い勝手を良くしています。

――最後に「Marketo」の提供を通じて目指している世界観について教えてください。

弊社では「エンゲージメントエコノミー」という言葉を使っています。企業と個人、個人と個人、個人とパートナー、物と物、そういった色々な人が、いろいろな物が繋がったからこそ、関わり方にも変化が求められています。そして繋がったからこそ、ビジネスモデルも変わっていきますし、変わっていかなければいけません。

このような概念が「エンゲージメントエコノミー」で、最近ですとシェアリングエコノミーやサブスクリプションエコノミーといったものと同じように、1つの社会の移り変わりの形だと思っています。弊社では「Marketo」の提供を通じてこの「エンゲージメントエコノミー」を支えていきたいと思っています。

SaaS業界レポート著者の視点

マーケティング領域においては顧客との接点がオフラインからオンライン、メルマガからWeb接客ツールまで多様化しているため、特定の顧客接点に限定したアプローチ・最適化では十分ではなく、統合的な視点で捉えることの重要性が高まっています。

マルケトでは同社が提供するマーケティングオートメーションツール「Marketo」を「エンゲージメントプラットフォーム」と定義しており、顧客とのエンゲージメントを統合的に支えるプラットフォームとしてマーケターを支援しています。

このエンゲージメントプラットフォームはマルケト一社単独で実現されるものではなく、グローバルで600以上のパートナーと連携することで実現されています。SaaS業界ではAPI連携によって提供価値を高める動きが進んでおり、ポイントソリューションのSaaS 1.0の時代、一社単独で統合ソリューションを提供しようとするSaaS 2.0の時代から、複数企業が連携して統合ソリューションを提供するSaaS 3.0の時代に突入しています。

現在はSaaSベンダーが主導でSaaSを繋ぐ動きをしていますが、さらなるテクノロジーの進化、そしてユーザーのクラウドリテラシーの向上が進めば、ユーザー自ら積極的にSaaSを連携させるSaaS 4.0の時代に移行することが想定されます。SaaSベンダーとしてはいかにユーザー主導の潮流に乗ることができるか、サービスの磨き込みが求められています。


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著者紹介:阿部 慎平 (あべしんぺい)新卒でデロイトトーマツコンサルティングに入社後、大手企業の事業ポートフォリオ戦略、成長戦略、新規事業戦略、海外事業戦略、ベンチャー企業買収戦略など戦略プロジェクトに従事。 より主体的に事業に取り組みたいという思いから2017年3月にスマートキャンプに参画。現在はSaaS業界レポートや事業企画・営業、新規事業立ち上げを推進。