LCC4社のWebサイト使い勝手ランキング発表、バニラエアが1位の理由は?

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トライベック・ストラテジー(以下、トライベック)は3日、国内線を運航するLCC(格安航空会社)4社の公式Webサイトを対象にした「Webユーザビリティランキング<国内線LCC編 2017>」を実施し、その結果を発表した。

LCC4社のWebサイト使い勝手ランキング発表、バニラエアが1位の理由は?

調査は2017年6月下旬から7月中旬にかけて実施し、対象となったのは、ジェットスター・ジャパン(以下、ジェットスター)、Peach Aviation(以下、Peach)、バニラ・エア(以下、バニラエア)、春秋航空日本(以下、春秋航空)の4社。

調査実施の背景

トライベック・ストラテジーおよびグループ子会社のトライベック・ブランド戦略研究所では、国内主要企業150社のWebサイトを対象とした「主要企業Webユーザビリティランキング」を毎年発表している。

同社では現在、季節や時流にあわせたテーマでグルーピングしたWebサイトを対象とした調査を短期間で実施して定期的に情報発信する取り組みを実施している。今回はその第一弾として、この夏の旅行シーズンにも多くの消費者の利用が見込まれる「国内線LCC(格安航空会社)」4社の公式Webサイトを対象とした調査を実施、ランキングとして発表した。

調査結果第1位は「バニラエア」

トライベック、およびトライベック・ブランド戦略研究所では、ユーザビリティ診断プログラムを用いて、「A.アクセス性」、「B.サイト全体の明快性」、「C.ナビゲーションの使いやすさ」、「D.コンテンツの適切性」、「E.ヘルプ・安全性」の5評価軸、全98項目について評価した。

ランキングで1位となったのは「バニラエア」で、「A.アクセス性」以外のすべての評価軸において1位を獲得するなど、全体的に高い評価となった。

特に「C.ナビゲーションの使いやすさ」では、メインメニューのくくりやラベリングがわかりやすく、またWebサイトの全体像を俯瞰できるメガドロップダウンメニューを設けるなど、Webサイトの使い勝手に大きく影響する情報構造やナビゲーションの設計に関する評価が他サイトよりも突出しており、総合ランキング1位の大きな要因となった。


「バニラエア」のトップページ(出典:プレスリリース)

ランキング2位の「ジェットスター」は、「C.ナビゲーションの使いやすさ」を除くすべての評価軸において2位となっており、トップには及ばないまでも幅広い項目で満遍なく評価を獲得。3位の「春秋航空」は「E.ヘルプ・安全性」、4位の「Peach」は「C.ナビゲーションの使いやすさ」における評価が低い結果となり、総合ランキングにも大きく影響した。

国内線LCCサイトの傾向と課題

全体的な低評価、特に国内大手航空会社との差が顕著

国内線LCCの4社が獲得したスコアを「Webユーザビリティランキング2016<企業サイト編>」の150社ランキングに当てはめた場合、トップの「バニラエア」でも55位に相当する順位に甘んじており、下位3社に至っては「ジェットスター」が135位、「春秋航空」が147位、「Peach」が149位相当と、かなりの低評価となっている。ちなみに、同業界における国内大手航空会社の順位(「JAL」35位、「ANA」37位)と比較すると、Webサイトの使い勝手に大きな差が出ている。

LCC業態への理解を深めるコンテンツ提供が不十分

近年では多くの消費者がLCCを認知するようになり、その利用も増えてきているが、「LCC=低価格」という単純なイメージが先行しており、LCC業態の性質が正確に理解されているとはまだいい難い状況にあるという。

これを解消するためには、消費者との最初のタッチポイントとなり得るWebサイト上で、使用する機材やターミナルの特徴、一部サービスの廃止や各種手数料の設定など、コスト削減にまつわる国内大手航空会社との違いを正しく理解できるような啓蒙コンテンツを提供する必要があるとトライベックは指摘。難解な価格表を掲載するだけでは不十分であり、LCC初心者でも楽しみながら理解できるようなコンテンツを提供することが、サービス利用時のトラブルを事前に回避することに繋がる。

低価格訴求だけでなく体験価値訴求にも力を入れるべき

トライベックでは、「低価格」であることは最も訴求しやすいポイントであるものの、それだけでは「安かろう、悪かろう」というブランドイメージが定着してしまう恐れがあると指摘し、次のような提起をしている。

航空機による移動が低価格で利用できることのメリットは、旅行計画そのものを容易にするだけでなく、これまで移動にかかっていた費用を旅先の楽しみに回すことも可能にするということ。つまりLCCでは、わかりやすい「低価格」訴求だけではなく、それにより享受できるさまざまなメリットを「体験価値」という形でしっかりと訴求していくことが、サービス利用の促進にも繋がっていく。

ランキング(トライベック・ストラテジー調査結果)

1位 バニラエア(55位) https://www.vanilla-air.com/jp/
総合スコア:75.52 A軸:60.93 B軸:75.66 C軸:74.00 D軸:75.47 E軸:68.64
2位 ジェットスター(135位) http://www.jetstar.com/jp/ja/home
総合スコア:63.07 A軸:65.10 B軸:66.99 C軸:53.99 D軸:73.64 E軸:65.78
3位 春秋航空(147位) https://bjp.ch.com/
総合スコア:56.81 A軸:59.65 B軸:75.08 C軸:44.09 D軸:68.46 E軸:42.49
4位 Peach(149位) http://www.flypeach.com/pc/jp
総合スコア:53.74 A軸:74.18 B軸:62.68 C軸:35.92 D軸:64.35 E軸:56.20

※()内の順位は「Webユーザビリティランキング2016<企業サイト編>」の150社相当順位
※A軸:アクセス性、B軸:サイト全体の明快性、C軸:ナビゲーションの使いやすさ、D軸:コンテンツの適切性、E軸:ヘルプ・安全性
※総合スコアは、5軸に傾斜配分をかけて割り出したものであり、5軸の単純平均ではありません。(満点=100点)