2017年保険業界5つの主要トレンド、経営幹部の75%が「AIで変革が進む」と回答のワケ

アクセンチュアは、最新レポート「Technology Vision for Insurance 2017(テクノロジービジョン 2017 保険業界向け)」を発表した。顧客体験の向上と従業員の能力向上のためにAI技術への投資は今後も拡大していく模様。

保険業界を特徴づけるトレンド、技術進歩でさらに活性化か

「AIは新しいユーザーインターフェース」のほか、主要トレンドとして以下4つのテーマが選ばれている。

2. 無限の可能性を持つエコシステム

保険会社は、新しいデジタル・エコシステムの中でより重要な役割を築きつつあるという。

より広範なエコシステムの構築を進めることで、直接的な顧客関係を補完し、戦略的成長の次の波を生み出しているとのこと。

調査対象となった経営幹部の94%が、「プラットフォームを軸にしたビジネスモデルの導入は、自社にとって非常に重要である」と答えている。

また、「選択するパートナーとエコシステムの持つ力が競争上の優位性に影響を与えるとの回答も76%を占めている。

エコシステムに期待するものとして「商品やサービス開発時の俊敏さ」や「新たな顧客基盤へのアクセス」「顧客満足度の向上」のような、より具体的な期待効果を挙げた割合が、日本はグローバルに比べて低くとどまる傾向も見られたようだ。

「エコシステムへの漠然とした期待感を持ちながらも、積極的な取り組みを開始できていない現状が伺える」と、同社は分析している。

3. 人材のマーケットプレイス

オンデマンドで利用できる人材プラットフォームやオンラインの業務管理ソリューションが進化を遂げる中、ワークプレイスと従来の企業構造が大きく変容し、オープンな人材市場が台頭しようとしているという。

回答者の79%は、イノベーションを労働力や組織構造にまで拡張すべきという極度の競争圧力にさらされていると答えた。

世界的な潮流は、契約社員や外注だけでなく、フリーランサー等も活用したクラウドソース型へと進化しているとのこと。

実際、回答者の54%が「来年中にクラウドソース型人材を25%~100%程度増員する予定である」と答えており、2倍以上の増員を計画しているとの回答も9%あった。

日本においても保険会社幹部の55%が、こうしたクラウドソース型人材の登用を1年以内に拡大する意向を示しているという。

4. “ひと”のためのデザイン

テクノロジーによって、人と機械の効果的な協同を阻むギャップは埋まりつつあるとも発表している。

顧客や従業員との自然で温かみのあるコミュニケーションを可能にする技術やインターフェースが活用されていくことで、保険会社はイノベーションの推進にむけてリアルタイムのサービスとリスク管理のソリューションを提供することが可能になるという。

これにより、単なるパーソナライゼーションを超えて、顧客をより深く理解し、顧客の行動と目的を支援することができるようになるとのこと。

74%の日本の保険会社幹部も「顧客のニーズを喚起し、顧客体験をデザインできる企業が業界をリードする」と回答している。

5. 未踏の領域

ブロックチェーンなどといった先進技術によって、長年にわたって業界を悩ませてきたガバナンスや説明責任、デジタルにおける信頼性などの課題が解消される可能性もあるという。

84%の回答者が、ブロックチェーンとスマートコントラクトが、今後3年間で「自社にとって非常に重要になる」、もしくは「ある程度重要になる」と考えている。

保険業界の規制とルール

林氏は、保険業界の規制やルールについて次のように述べている。

「日本の保険会社幹部の65%が『業界の規制がイノベーションの発展に追いついていない』と感じている。実際、日本政府も金融に関する規制の緩和に動き始めている。こうした状況の中、保険会社はこれまで以上に新しい事業領域でのルール作りに積極的に寄与していくことが必要だ。(中略)一方、異業種間の連携によるエコシステムは、従来の市場環境に比べ、極めて多様化・流動化しているため、標準策定ルールの在り方にも新たな視点が必要になってきている。新しいビジネス領域といっても、例えば、成果連動型の保険商品などについては、従来型の規制に基づくルール化が適しているだろう。しかしながら、従来の業界の定義を超えるようなスマートコントラクト(ブロックチェーン)の領域などについては、関係する業界やテクノロジーの専門家を含むコンソーシアム形式での対応が必要となるかもしれない」
(出典:アクセンチュア調査レポート)