ガートナーが「先進テクノロジのハイプ・サイクル」発表、2000超の先端技術を読み解く

ガートナー ジャパン(以下、ガートナー)は23日、「先進テクノロジのハイプ・サイクル:2017年」の中で、企業が今後10年に渡ってデジタルエコノミーの世界で生き残ることを可能にする3つのトレンドを発表した。

ガートナーが「先進テクノロジのハイプ・サイクル」発表、2000超の先端技術を読み解く

ガートナーは「先進テクノロジのハイプ・サイクル:2017年」を発表し、企業が今後5~10年にわたってデジタル・エコノミーの世界で生き残り、成功することを可能にする3つの大きなメガトレンドを明らかにした。

ガートナーが発表した3つのメガトレンドは次の通り。

  • どこでも人工知能(AI)となる世界
  • 透過的なイマーシブ・エクスペリエンス(没入型の体験)
  • デジタル・プラットフォーム

これら3つは、比類のないインテリジェンスを提供するとともに、まったく新しい体験を創出し、企業・組織が新たなビジネス・エコシステムとつながることを可能にする礎になるという。

「ハイプ・サイクル」では、今後5~10年の間、高度な競争優位性をもたらすであろう一連のテクノロジに特に焦点が当てられている。

「先進テクノロジのハイプ・サイクル」は数あるハイプ・サイクルの中でも独特で、2000を超えるテクノロジの中から知見を抽出し、注目すべき先進テクノロジおよびトレンドとして簡潔にまとめて提示している

ガートナーのリサーチ ディレクター、マイク・J・ウォーカー氏は、エンタプライズ・アーキテクトが企業に与える今後の影響について次のように述べている。

「テクノロジ・イノベーションに注力しているエンタプライズ・アーキテクトは、これらの重要トレンドと注目すべきテクノロジのほか、それらが自社にどのような影響を及ぼすのかを評価する必要があります。これらのトレンドは、そうした影響をもたらすばかりでなく、エンタプライズ・アーキテクチャ・リーダーに重要な機会を提供します。すなわち、エンタプライズ・アーキテクチャ・リーダーは、ビジネス部門とIT部門のシニア・リーダーがすぐにでも承認可能なレベルの実用的かつ診断的な施策を打ち立て、彼らがデジタル・ビジネスの機会と脅威に対応するのをサポートできるのです。」
(出典:ガートナー、「先進テクノロジのハイプ・サイクル:2017年」を発表)

企業がテクノロジをさらに活用し、社員やパートナー、顧客のエクスペリエンスに不可欠な要素にできれば、自社のエコシステムを新しい動的な方法でプラットフォームとより強く結び付けられるようになることを、これらのメガトレンドは示しているとも同氏は述べている。

最も破壊的な技術領域になる「AI技術」導入で未知の問題も解決可能になるか

これから10年にわたり、AIは最も破壊的な技術領域になるという。

その背景にあるのが、「急成長するコンピューティング・パワー」「ほぼ無限に増えるデータ」「かつてない進歩を遂げるディープ・ニューラル・ネットワーク」とのこと。

これらの要因によってAIテクノロジを導入している企業は、データを活用して新たな状況に適応し、さまざまな未知の問題を解消することが可能になると同社は予測している。

どこでもAIとなる世界に関わる先進テクノロジは、ハイプ・サイクル上を急速に進んでいるという。

このテーマに注力したい企業は、以下のテクノロジを検討する必要があるとのこと。

ディープ・ラーニング/深層強化学習/汎用人工知能/自律走行車/コグニティブ・コンピューティング/商用無人航空機 (ドローン)/会話型ユーザー・インタフェース/エンタプライズ・タクソノミ/オントロジ管理/機械学習/スマート・ダスト/スマート・ロボット/スマート・ワークスペース

透過的なイマーシブ・エクスペリエンスにより人々は密接に絡み合うか

テクノロジは今後もますます人間中心型となり、「人・ビジネス・モノ」が透過的に関係するレベルに達すると言う。

テクノロジがより適応的、コンテキスト依存的、流動的に進化するにつれ、「人・ビジネス・モノ」の関係は、職場や自宅において、また企業や他者とのやりとりにおいてさらに密接に絡み合うようだ。

「ディープ・ラーニング」「自律走行車」「機械学習」「コグニティブ・コンピューティング」の各テクノロジは、ちょうど「過度な期待」のピーク期を越えつつあるようだ。

このことは、これらのテクノロジが透過的なイマーシブ・エクスペリエンスの創出を実現する主要なテクノロジであることを示しているという。

そして、このテーマに注力したい企業が検討すべき重要なテクノロジは以下の通りとのこと。

4Dプリンティング/拡張現実 (AR)/ブレイン・コンピュータ・インタフェース/コネクテッド・ホーム/ヒューマン・オーグメンテーション/ナノチューブ・エレクトロニクス/仮想現実(VR)/立体ホログラフィック・ディスプレイ

また、前出のウォーカー氏は透過的なイマーシブ・エクスペリエンスについて次のようにも述べています。

「これらのテーマを概観すると、透過的なイマーシブ・エクスペリエンスを生み出す人間中心型の実現テクノロジ、例えばスマート・ワークスペースやコネクテッド・ホーム、AR、VR、成長著しいブレイン・コンピュータ・インタフェースといったものが、ハイプ・サイクルに沿ってほかのトレンドを牽引している様子が分かります」
(出典:ガートナー、「先進テクノロジのハイプ・サイクル:2017年」を発表)

デジタル・プラットフォーム

先進テクノロジは、「必要なデータ量」「高度なコンピューティング・パワー」「遍在性(ユビキタス)」に対応したエコシステムを提供する実現基盤の革新を求めるものだという。

コンパートメント(区分)化された技術インフラから、エコシステムに対応したプラットフォームへのシフトによって、人と技術をつなぐまったく新しいビジネスモデルの基盤が形成されつつあるという。

デジタル・プラットフォームもまたハイプ・サイクルを駆け足で上っていると同社は発表している。

新しいITの現実は、将来に向かう推進力を持った基盤プラットフォームを提供することで実現可能になることを示しているようだ。

黎明期を上昇中である量子コンピューティングやピーク期を越えた位置付けであるブロックチェーンなどのテクノロジは、今後5~10年において最も革新的かつ劇的な影響力を発揮すると考えられているとのこと。

企業が注視すべき、プラットフォームを実現する主要なテクノロジは以下のとおりだという。

5G/デジタル・ツイン/エッジ・コンピューティング/ブロックチェーン/IoTプラットフォーム/ニューロモルフィック・ハードウェア/量子コンピューティング/サーバレスPaaS/ソフトウェア・デファインド・セキュリティ