2017年度国内デジタル印刷市場規模は3,273億円、成長のカギは「マイナンバー需要」

矢野経済研究所は29日、国内のデジタル印刷市場の調査2017年の結果を公開した。マイナンバー送付や収集の落ち着きにより今後2年間の成長は鈍化傾向だが、2021年にマイナンバーの銀行口座への適用が義務化されるなど、引き続き成長のカギになりそうだ。

2017年度国内デジタル印刷市場規模は3,273億円、成長のカギは「マイナンバー需要」

矢野経済研究所では、次の調査要綱にて国内のデジタル印刷市場の調査を実施した。

調査期間:2017年5月~7月
調査対象:国内主要デジタル印刷事業者等
調査方法:当社専門研究員による直接面談、電話によるヒアリング、ならびに郵送アンケート調査を併用

2016年度の市場規模は3,229億円で前年より落ち込む マイナンバー需要の

2015年度のデジタル印刷市場規模(事業者売上高ベース)は、前年度比8.7%増の3,297億4,500万円となった。

この大幅拡大の要因は、マイナンバー制度施行に伴う需要拡大によるところが大きいようだ。

具体的には2015年10月から始まったマイナンバー通知に関するDPS案件と送付後に発生したマイナンバー収集に関するBPO案件がそれにあたるという。

通知書は日本国内の全世帯に送付されたため、これまでにない大規模アウトソーシング需要となったとのこと。

しかし、2016年度の同市場規模はその通知案件の終了に加え、収集案件も前年度に比べると受注が減少したことにより、前年度比2.1%減の3,229億2,000万円と減少しているようだ。

マイナンバーについて、詳しくはこちらから。

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2017年度のデジタル印刷市場、前年度比1.4%増の3,273億円見込み 今後2年間にわたり成長鈍化と予測

2017年度のデジタル市場規模(事業者売上高ベース)は前年度比1.4%増の3,273億7,000万円の見込み。

POD市場では、その他の分野では苦戦が続いているものの、フォトブック市場、オフィスコンビニ市場では更なる拡大が見込まれるため、POD(注1)市場全体の見通しは比較的明るいという。

(注1)POD:プリントオンデマンドの略、必要なときに必要な部数だけ印刷すること

しかし、最大分野であるDPS(注2)市場はマイナンバー需要の先行きが不透明となっており、今後1~2年の成長率は落ち着くものと見られるようだ。

(注2)DPS:データプリントサービスの略、大量の請求書やダイレクトメールなどの顧客情報を預りデータの編集から発送までを請け負うサービスのこと

そのため、総じてデジタル印刷市場の今後1~2年の成長速度は鈍化する見通しであるという。

ただ、マイナンバー関連需要に関しては、銀行口座への適用(マイナンバーの紐付け)が 2021年には義務化されるため、それに伴い、銀行からの引き合いが活性化すると見られる。

また、2019年を目途にマイナンバー利用範囲の拡大についても検討が行われる予定となっているため、民間利用に伴う需要創出も期待できる。

矢野経済研究所では、「マイナンバーの活用がスケジュール通りに進めば、中長期的には、デジタル印刷市場の成長率は再び拡大する可能性はある」と分析している。

デジタル印刷市場とは

当該調査におけるデジタル印刷市場とは、商業用デジタル印刷機で印刷された印刷物、および付帯サービスで構成された市場を指し、印刷業を主な事業として展開している事業者を対象としている。有版の印刷機による印刷物、及び付帯サービスは含まない。

また、対象分野は一般印刷分野(出版印刷、商業印刷、ビジネスフォーム印刷など)と軟包装印刷分野とし、その他の印刷分野は含まないものをデジタル印刷市場と定義している。