7割の企業が「働き方改革」実施、効果を実感できた企業とそうでない企業の差は|デロイト調査

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デロイトトーマツコンサルティング(以下、DTC)は4日、「働き方改革」に関する実態調査の結果を発表した。働き方改革を実施済、実施中と回答した企業は7割を超えたが、従業員満足度は比例しない傾向にある。

7割の企業が「働き方改革」実施、効果を実感できた企業とそうでない企業の差は|デロイト調査

DTCが2017年6月〜7月に行った『働き方改革の実態調査~Future of Workを見据えて~』(旧称:ワークスタイル実態調査)は、2013 年と2015 年に続き、今回が3回目の実施となった。

働き方改革の取り組みの状況や内容について多面的に調査し、DTCが働き方改革における重要なポイントとして捉える「生産性の向上とエンプロイー・エクスペリエンス(従業員が企業や組織の中で体験する経験価値)の改善」の成果を収める企業の特長について、より詳細に分析している。

働き方改革を実施済、または実施中と回答した企業は、第2回調査の2015年の34%から73%に倍増した結果になった。約半数の企業が改革の成果を感じる一方で、従業員の満足度を得られたと回答する割合は28%に留まったという。

そして、調査結果を踏まえて、働き方改革の成果を感じている企業、従業員満足度を得られている企業に共通する傾向、特徴を分析している。

その結果、働き方改革の実行度・効果実感の高い企業は、そうでない企業に比べ、「テクノロジーの活用(RPA・AI)」および「従業員のパフォーマンスを引き出す施策」の実施率が高いことが分かったという。

また、KPI設定定期的なモニタリング・改善といったマネジメントプロセスがより徹底されていることも分かったと同社は発表している。

調査の詳細

働き方改革を実施企業、2015年から倍増 生産性の向上、従業員の心身の健康、満足度の向上などが目的に

働き方改革を「推進中(63%)」/「すでに実施した(10%)」と回答した企業は合わせて73%になり、 2013年の30%、2015年の34%と比較して倍増したようだ。


(出典:DTCプレスリリース)

また、改革の目的として、「生産性の向上」を掲げる企業は87%にのぼり、次いで「従業員の心身の健康の向上(76%)」、「従業員満足度の向上(74%)」が挙げられた。DTCによれば、企業の生産性だけではなくエンプロイー・エクスペリエンス視点から改革を志向する傾向が出ているという。


(出典:DTCプレスリリース)

DTCによれば、働き方改革の効果を感じている企業では、経営層が改革に複合的に関与している
割合が62%と、効果を感じていない企業よりも高くなっているという。


(出典:DTCプレスリリース)

改革が進む一方で従業員満足度は比例せず?

49%の企業が「働き方改革の効果が感じられている」と回答する一方で、従業員の満足も得られたと回答する割合は28%に留まり、満足に至らない企業は合わせて44%にのぼった。


(出典:DTCプレスリリース)

長時間労働是正への取り組みが進む一方、組織風土面での変化は十分ではないという背景があるようだ。

企業内の組織風土については次のような回答も見受けられた。

  • ある程度の長時間労働は仕方がないという雰囲気がある:59%
  • 時間当たりの生産性はあまり評価されない:53%

長時間労働を是正するにも関わらず、短時間での成果創出や生産性の高い働き方に対して評価する組織風土が浸透していないようだ。


(出典:DTCプレスリリース)

最も多い改革内容は「長時間労働是正」

「長時間労働の是正」については、86%の企業が実施していることが分かった。

「業務の見直し」も62%が取り組むが、「組織風土改革(47%)」「健康経営(32%)」「パフォーマンス・マネジメントの見直し/マネージャーの能力開発(20%)」「RPA・AIの活用(13%)」など一過性ではない課題解決につながる多様な取り組みを行う割合は半数以下に留まっているという。


(出典:DTCプレスリリース)

調査概要

働き方改革の実態調査2017 ~Future of Workを見据えて~調査期間: 2017年6~7月
調査目的:働き方改革を単なる長時間労働是正に留めず、「生産性の向上とエンプロイー・エクスペリエンス(従業員が企業や組織の中で体験する経験価値)の改善」と定義し、企業の取り組み状況や組織風土を調査し分析することで、企業の働き方改革における課題・解決の方向性を明らかにする。
調査項目:働き方改革の取り組み状況、長時間労働の是正施策、モバイルワーク・オフィス環境、拡張労働力(RPA・AI・クラウドソーシングなどの導入状況)、ダイバーシティ&インクルージョンの状況、パフォーマンス・マネジメントの導入状況、健康経営の取り組み、副業・兼業の推進状況など
回答企業数:上場企業を中心とする238社