働き方改革が失敗する典型パターン3つを図解、経営者が「ノリ」で進めたらバカを見る

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働き方改革の目的は企業経営上の競合優位性を高めることだが、「失敗した」「うまくいかない」という声も多く聞かれる。働き方改革が失敗する典型的なパターンについてしっかりと考察することが必要だ。掛け声だけで終わらせない、制度を形骸化させないために。

働き方改革が失敗する典型パターン3つを図解、経営者が「ノリ」で進めたらバカを見る

「ノリ」で制度改革、進めてませんか?

そもそも職場とは、ビジネスを推進するうえでのさまざまな矛盾が衝突する場だ。職場の全員が快適で効率的な働き方をする、ということはなかなか難しいものである。

とはいえ経営者が「我が社で働く人達には、もっと安心して働けるようになって欲しい」と願うのはとても自然なことだ。あがってくる不満の声に対して「よし、そろそろなんとかすべきときだ。制度改革だ!」とある日突然、号令をかける熱い経営者も少なくない。

しかし、意外とそれは「そうだ、京都へ行こう」的な、場当たり的な「ノリ」に基づくことがほとんどである。何かを変えるために、勢いは大事である。「働き方」のような、日常的、惰性的な部類ものは、むしろ勢いがなければ変えることは難しい。かたや同時に、勢いはともすると「場当たり的」に堕する危険をはらむものである。

みんなのため、よかれと思って断行した改革が、かえって不便のもとになる。何かが滞る。不満の声が消えるどころか、増えてしまう。理不尽な話だが、働き方改革はことごとく失敗してきたのだ。

過去の失敗から学ぼう。終わりなき試行錯誤のスパイラルに陥るその前に。働き方改革が失敗する典型的なパターンを考察してみた。

働き方改革の失敗パターン1:「柔軟過ぎて毎日みんなでハードワーク」

ことスタートアップ企業においては、知名度や社会的信頼性において大手企業と比較すると、採用競争力が非常に劣る。そのため採用時のジョブディスクリプションで「働きやすさ」を強調するのが定石だ。

たとえば「35歳以下の優秀な若手採用」をコピーに掲げる転職サイト、キャリトレを覗いて見よう。「ベンチャー企業」カテゴリの求人を検索すると、ほとんどのページで並ぶキーワードがある。

  • 優秀な仲間
  • フラットな環境
  • 裁量権

この延長上には、我が社はフレックス制度ですとか、テレワークを導入していますとか、年間休日が多い、◯◯休暇というユニークな制度があるなどの、いかにも魅力的な働き方がうたわれている。

しかしこの柔軟さやフラットさは、ときに厄介なのだ。特に、経営状態が悪くなると「いまこの難局を仲間と共に乗り越えよう」「経営者目線」「全員営業」の言葉とともに、よくわからない同調圧力のもと「みんなで毎日ハードワーク」の世界へ突入する。なんともありがちな失敗談である。

働き方改革の失敗パターン2:「社員思いのワンマン社長に現場ヘトヘト」

ある程度社歴があり、中堅企業に成長した段階で発生するのが、このパターンである。特に、創業社長、オーナー系の企業など、トップの発言力と実行力が高い組織は要注意だ。

ワンマン社長の鶴の一声で働き方改革が断行され、それがうまく行けばいいのだが、そうでなかった場合は朝令暮改が繰り返される。現場にとっては悲劇の幕開けだ。

特に就業規則や給与システムに関わる制度について、現場で働く人々の「不公平感」を誘発してしまうと、職場の雰囲気は一変するだろう。また頻繁な制度変更は、それ自体が罪である。不公平感の原因の所在すらつかめなくなってしまうからだ。

以前はあの立場の人が有利だった、その前は、この人が得する仕組みだった、それにひきかえ自分は全然メリットがない…。このように不満が不満を呼ぶような雰囲気が蔓延すれば、社運をも左右しかねない致命的な失敗となる。