コンビニ大手4社の働き方改革を比較、 セブン、ファミマ、ローソン、ミニストップの「雇用改革」

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コンビニ業界が働き方改革の新たな打ち手を講じようとしている。24時間運営で都心部の深夜における購買需要を支え、地方の買い物弱者地域にまで顧客層を伸ばしてきたコンビニ業界各社の雇用方針を探る。

コンビニ大手4社の働き方改革を比較、 セブン、ファミマ、ローソン、ミニストップの「雇用改革」

日本フランチャイズチェーン協会、外国人スタッフ登用の真意は?

まず、国内は現役世代の人口が減少しており、人手不足の状況にあるが、一方で外国人労働者の数は急増している。厚生労働省によると、2016年の時点において日本で働く外国人労働者は108万人を突破した。

平成19年に届出が義務化されて以来の過去最高を更新、前年同期比19.4%増と右肩上がりで増え続けている。特に、中国やベトナムやフィリピン、ネパールなどの東南アジア地域から、報酬と住みやすさを目的とし、日本にやってくる外国人が多いものと見られる。

そんな外国人労働者に目をつけたのが、コンビニ各社でつくる日本フランチャイズチェーン協会だ。外国人技能実習制度の対象となる職種に、コンビニの店舗運営を加えるよう厚生労働省に申請するというのだ。同協会では年内の申請を目指しており、その背景を人手不足ではなく「海外進出の際の幹部生養成」などとして説明している。

コンビニ業界では、すでに4万4000人の外国人が働いていると集計されている。コンビニ業界も当然のことながら人手不足で、主に留学生などを採用している。全店員の約6%が、外国人店員という計算となる。技能実習の対象となれば、これが一気に増えることになる。

技能実習制度は、外国人が本国に戻ってから、経済成長の一助になれるよう、日本で技能を習得してもらい、それらを後押しするものだ。コンビニの業務は、接客と商品の陳列だけでなく、発注や在庫管理もあるため、店舗運営のスキルが身につくというのがコンビニ協会側の言い分だ。

ただし、この制度には、低賃金で外国人労働者を酷使するというマイナスの一面も指摘されている。2015年に日本弁護士連合会がまとめた資料によると、この実習生制度は国連から「人身取引の一形態」として取り上げられており、現代の奴隷制度との悪評も高い。

実習制度対象の拡大によって、働き方改革で議論が進められている同一労働同一賃金に反することにもなりかねない。

外国人技能実習制度の課題としては、日本人と同様の賃金を支払えるのか、そして、本国に帰ってからそのスキルが活かせるのか、などが大きなテーマとなる。

発展途上国での経済成長の柱となる人材に、コンビニのスタッフ経験が活かせるのか、ただ単に単純労働を規制緩和しただけではないのか、慎重に観察していく必要があるのだ。

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コンビニ大手4社は主婦やシニアの活用でも人材確保を急ぐ

コンビニ大手4社セブン、ファミマ、ローソン、ミニストップの雇用方針を比較してみよう。深刻化する人手不足への対策として、他業界でもヒントとなる具体例がありそうだ。

セブンイレブンでは、店舗に保育所など併設計画

セブンイレブンでは、主婦の労働力を期待している。

小さな子どものいる主婦は、フレキシブルに働きたいという希望が強いため、保育所などを店舗に設置し、採用を強化する構えだ。まずは9月〜10月にかけて、東京・大田区と広島市内に2か所の認可外保育園を設置する。

既存のセブンイレブンの2階に保育所を設置し、平日の8時~20時まで、2歳までの子供をあずかる予定だ。定員は、東京・大田区が30人、広島市内では19人。保育料は、国からの助成金およびセブンイレブンが一部負担し、周辺相場よりも安くなる見通しだ。

店舗に出るスタッフ向けの保育園だが、一部、地元の住民も使える枠を用意する予定で、地域貢献も忘れていない。フランスのように、企業主導型保育所の文化を日本に根付かせる一助となるのか、注目したい。

また2018年2月、セブン&アイHDは「スライドワーク(時差出勤制度)」を導入することを発表し、話題となった。共働きの世帯の増加や家族形態の核家族化などを背景として、より柔軟でフレキシブルな働き方を実現するための制度である。サプライチェーン全体の働き方改革を推進するという同社の業績は非常に好調だ。

ファミリーマートでは、主婦のアルバイト倍増計画

ファミマでは、現在5万人いる主婦のアルバイトを、倍の10万人雇用したいと考えている。そのためには、小さな子供を持った主婦が働きやすい、柔軟な働き方を実現しなくてはならないと、改革に着手した。

加盟店に、どのような働き方が働きやすいか、提案を求めたほか、東京都内には、企業内保育園を開く予定だ。さいたま市で開かれた説明会では、社長みずから勧誘。主婦も90人が参加し、説明を熱心に聞いた模様だ。

また、現在働いているスタッフの中から、特に有能なパートやアルバイト人材を、本社が社員として雇用するという制度も打ち出された。関東を中心として20~30人程度、採用をスタートし、約2年かけて全国300人程度、正社員化していく方針だ。

社員になっても年収は300万円程度。正社員の平均賃金と比べて低く、給与面の課題が残されている。しかし、求人数の少ない地方での正社員求人となれば、魅力的に感じる労働者も少なくないだろう。