ドイツの働き方に学ぶ「インダストリー4.0」が生産性向上と経済成長を後押し

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記事の情報は2017-10-08時点のものです。

ドイツでは年間休日150日、労働生産性は日本の1.5倍だ。しかも実質GDP成長率は日本のほぼ倍。国策「インダストリー4.0」によって生産性の向上と経済成長を両立させるドイツの働き方、ボッシュやKOMSAなどドイツのリーディングカンパニー独自の働き方から、日本における働き方改革のヒントを探る。

ドイツのリーディングカンパニーでは独自の働き方も

このうように国策としての労働生産性向上が功を奏しているドイツだが、企業でも独自で働き方への取り組みを行っている。

数百例のパートタイム就労モデルを作ったボッシュ

ドイツの自動車部品大手ボッシュはワークライフバランスを模範的手法で推進している企業として、メルケル首相から表彰された。また、ボッシュの日本法人もランスタッドが調査し選定する「エンプロイヤーブランド(企業魅力度)」で表彰されている。

ボッシュは育児の支援をするべく、1990年代半ばから数百例のパートタイム就労モデルを用意した。また、2011年からは「MOREプロジェクト(管理職の発想転換)」を発足し、管理職が多様な働き方を理解するために、様々な就労モデルを期間限定で実際に体験している。

日本法人はこの多様な働き方を育児に限定せず、全社員が選べるように月最大40時間の在宅勤務を認めている。

チーム制による究極の裁量労働制を持つKOMSA

ドイツのKOMSA社は1992年に創業し、今や従業員1,000人を超えるIT企業だ。2005年時点で女性管理職は45%にのぼり、「ザクセン州における最も女性に優しい会社」に選出されている。KOMSAは“TEAM IS MONEY”をキャッチコピーとし、裁量労働制を導入した。

在宅勤務も含めた働く形態はチームの判断にゆだねられており、メンバーの家庭事情をチームが考慮する仕組みになっている。

生産部長のDenis Dobrig氏は両親手当や在宅勤務を活用して共働きの妻と3人の子どもを育てている。家庭志向を徹底しつつ、成果主義のプレッシャーは常にあるという状態で働く人のモチベーションを高めている。