全面禁煙する企業が大幅増加、職場での喫煙は「サボり」なのか

企業の職場においてタバコを禁止する、いわゆる「全面禁煙」の動きが加速している。帝国データバンクが発表した調査によれば、社内での喫煙を不可とする全面禁煙は22.1%と企業の5社に1社が実施している。

働き方改革ブームで猛威を振るう「禁煙ロジック」

10月5日、小池百合子知事が実質的に率いる地域政党「都民ファーストの会」と公明党が共同提出した「東京都子どもを受動喫煙から守る条例」が賛成多数で可決、成立した。家庭内での受動喫煙防止が柱で、施行は来年4月からだ。

この条例は、家庭内での禁煙を公的に強いるという、「喫煙を選択する自由」の制限に向けてかなり踏み込んだものだ。

そのための、「子どもを守る」という大義名分を持ち出したのは、目のつけどころがシャープであった。たしかにこれは、「自己責任」の論理では対抗できない。

ただ、嫌煙原理主義の陣営からすると、これではまだ不十分である。東京都の条例では「子どもを守る」としてこれに切り込んだわけだが、職場という大人の世界で煙草を駆逐するにはまだ足らない。そこで新たな一手として、近年まことしやかに語られている「禁煙ロジック」、それは「生産性」である。

仕事の途中で、煙草休憩と称して席を立つ人と、そうでない人が、同じ時間働いているからって、給料が変わらないというのは、おかしい。

近年の「働き方改革」ブームともあいまって、この新たな「禁煙ロジック」は強力な勢いで猛威を振るっている。

筆者は、つい最近、まさしくこれが経営会議の議題として討議される現場に居合わせたのだった。一部のメンバー、煙草休憩と称して長時間席を外すことがあまりに頻繁に目につく、サボタージュの隠れ蓑になっているのではないか、という話が発端となり、勤務時間中は全社全面禁煙にすべきか否か、との話となったのだった。

しかし「喫煙」=「席外し」=「サボり」というのは、あまりにも性急な図式である。