2017年の国内第3のプラットフォーム市場は「1兆5,000億円規模」 取り組み主体はIT部門からLOBへ

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IDC Japan(以下、IDC)は12日、 国内製造/流通における 第3のプラットフォーム活用動向分析結果を発表した。今後も堅調な成長を続ける見通し。

2017年の国内第3のプラットフォーム市場は「1兆5,000億円規模」 取り組み主体はIT部門からLOBへ

IDCは12日、国内の製造業および流通業界における、第3のプラットフォーム需要動向調査結果を発表した。

2017年2月に実施したアンケート調査結果のほか、ユーザー企業への取材によるケーススタディを踏まえて産業分野ごとの動向分析を行った。

製造分野の第3のプラットフォームへの支出額、1兆4,219億円 製造・小売が成長をけん引

第3のプラットフォームとは、クラウドサービス、ビッグデータを含むビジネスアナリティクス、エンタープライズモビリティ、ソーシャルビジネスなどで構成される情報基盤を指す。

2017年の製造分野の第3のプラットフォームへの支出額は1兆4,219億円で、前年比成長率が7.5%を予測し、流通分野は同9,976億円、同6.4%と予測している。

同社が発行した「国内第3のプラットフォーム市場 産業分野別 企業規模別予測、2017年~2021年」で分析されているように、同市場は、消費者市場を除きすべての産業分野で堅調に拡大を続けるとみている。

その中でも、高い前年比成長率で推移し市場拡大をけん引する産業が、製造と小売だ。

組立製造の2016年~2021年の年間平均成長率(CAGR: Compound Annual Growth Rate)は8.4%、プロセス製造は7.9%、小売は8.0%であり、堅調な成長率で推移するとみている。

小売ではビックデータ活用が進む見通し

ユーザー企業へのアンケート調査では、ビッグデータの活用について、小売が他の産業分野と比較し突出して高い結果となったようだ。

小売は製造と卸売に比べ、顧客である消費者のデータを取得しやすく、購買履歴やモバイルデバイス経由の位置情報やSNSでの口コミなどのデータを、マーケティングや需要予測、店舗開発等の用途で活用が進むことが背景にあるとみている。

イノベーションアクセレーター取り入れが組立製造の成長をけん引か

IDCでは、「モノのインターネット(IoT)」、認識システム、次世代セキュリティ、拡張現実&仮想現実(AR/VR)、自動運転車や自律ロボットといった分野の技術を、革新を促す技術「イノベーションアクセレーター」としている。

イノベーションアクセラレーターのうち、IoT、コグニティブ/AIシステム、AR/VRの導入状況を産業分野で比較したところ、組立製造では、いずれのテクノロジーも「導入しておらず、計画もない」と回答した企業が少なく、「導入の有無や状況をまったく把握していない」という回答が最も少なかった。

つまり、組立製造はイノベーションアクセラレーターを取り入れることに積極的な産業分野であると言え、組立製造の第3のプラットフォームの市場規模の成長率の高さにも反映されているという。

第3のプラットフォーム活用の取り組み、IT部門からLOBが中心に?

ケーススタディで紹介した2つの企業の取り組みは、業種業態は大きく異なるものの、いくつかの共通点がある。

その一つが、これらのケーススタディはLOB(Line of Business)が中心になるものの、IT部門との連携が不可欠である点だ。

組立製造のケースはグローバルサプライチェーン推進部門が、小売のケースではEC事業部門がイニシアティブ部門となり、IT部門と連携しデジタルトランスフォーメーションに取り組んでいるという。

IDC ITスペンディングのシニアマーケットアナリストである岩本 直子氏は、ITベンダーのあり方について以下のように述べている。

「ITベンダーはIT部門のパートナーとして、共にプロジェクトを遂行する事業部門や業務部門の課題とビジネス目標を把握し、最適なテクノロジーのアドバイザリー(助言)を行うことが求められる」

今回の発表の詳細は、IDCが発行する「2017年 国内の製造/流通分野における第3のプラットフォーム需要動向調査」に記載されている。