もしアマゾンが破産申請のトイザらスを買収したら?対抗のグーグルはウォルマートと提携

2017年9月に玩具大手「トイザらス」が破産申請したのは記憶に新しいが、実は米国の玩具市場は拡大傾向だ。Amazon Echo、Google Homeが注目される今、アマゾンやグーグルにとって、トイザらスは魅力的な買収対象かもしれない。

もしアマゾンが破産申請のトイザらスを買収したら?対抗のグーグルはウォルマートと提携

激しい競争と財務戦略の問題で米トイザらスが「窮地」

2017年9月、米玩具大手トイザらスの破産申請が報じられた。大幅な債務超過に陥り、2018年に4億ドル、2019年に17億ドルの支払期限を迎えるものの、返済の目途がたたず、破産申請した上で、経営再建を目指す見込みだ。

債務超過だからといって閉店するわけではない。米国で1600以上の店舗は通常通り営業しており、さらに、年間の売り上げの約半分を占めるという年末商戦に向け、パートタイムの社員を募集しているという。

トイザらスの苦戦が続く理由はいくつか考えられる。まず挙げられるのが、経営戦略のまずさだ。負債によって資金調達を行ってきた同社は、負債が62億ドルにまで広がり、年間4億5000万ドル得られるキャッシュフローは利子の返済に消えてしまう。

ウォルマートやターゲット社との競争も、トイザらスの立場を難しくした。大手スーパーマーケットチェーンが玩具の値下げを行うため、トイザらスも追随せざるを得なかったのだろう。

浅からぬ「因縁」ありのアマゾン、トイザらスはどう映る?

トイザらス破産の背景には、アマゾンをはじめとするネット通販サイトが急拡大し、売上や顧客を奪われたことも大きい。

実は、両者は過去に提携していた時期があることをご存じだろうか。2000年、トイザらスはアマゾンと10年間にわたる独占販売契約を締結し、アマゾンの玩具カテゴリにトイザらスの商品のみを置いていた時期があるのだ。

しかし、結果として両者は提携を解消することになる。きっかけはアマゾンがトイザらスと独占契約を結んでいたのにも関わらず、他社の玩具も販売したこと。アマゾンといえば、品揃えを増やし、少量でも売れる商品を並べる「ロングテール」戦略で有名だが、トイザらスの商品だけではこれが実現できなかったのである。

トイザらスはこれを受け、2004年にアマゾンを相手に訴訟を起こし、結果として両者の提携は解消された。

そんな因縁を持つアマゾンだが、苦戦が続く小売業界で興味深い動きを見せている。ホールフーズを買収するなどリアル店舗への参入も精力的に進めている。

圧倒的な品揃えを持ち、当然、玩具の取り扱いも多いのだが、最近はロボット型おもちゃの売れ行きが好調で、2017年には40%の売り上げが増加し2500万ドルに達したと報じられているのだ。

あらゆる消費行動を網羅しようと狙うアマゾンはリアル店舗への興味を隠さない。米国では次々とリアル書店を開設し、日本でも期間限定のバーが開かれたことは記憶に新しい。

大手スーパーマーケットであるホールフーズ・マーケットの買収は、リアルとネットの融合を示す戦略として大きな話題を呼んだ。生鮮食品をアマゾン経由で注文したり、アマゾンで頼んだ商品を店頭で受け取ったりする施策が予想されている。

リアル店舗への進出を続けるアマゾンにとっては、トイザらスのような小売りチェーンは買収対象として魅力的に映るのではないだろうか。ホールフーズとトイザらスの企業規模を比較して見ると、直近の業績では同程度の成果を上げている。

トイザらス ホールフーズ
売り上げ 115億ドル 157億ドル
EBITDA(利払い・税引き・償却前利益) 7.9億ドル 14億ドル
店舗数 879(米国)810(海外) 456


ホールフーズの場合、137億ドルという巨額の買収が成立した。トイザらスは売りに出されておらず、また、破たんした企業の価値評価は極めて複雑なため予測は難しい。78億ドルの負債に65億ドルの資産を合わせたトイザらスは、アマゾンにとって同規模のホールフーズよりも興味深い買収対象かもしれない。