WeWork(ウィーワーク)のビジネスモデル解説、シェアオフィス・コワーキングとの違い | シェアリングエコノミー

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コワーキングスペースを運営する米WeWork(ウィーワーク)が注目されている。遊休資産を活用したい不動産オーナーと共同して経済圏を作り上げるビジネスモデルは、単なるコワーキングやシェアオフィスではない。 日本でソフトバンクと提携したWeWorkのビジネスとは。

WeWorkの拠点となった物件の約25%が資産価値上昇

ここまでユーザー側の視点でWeWork(ウィーワーク)のビジネスモデルについて見てきたが、不動産を所有するオーナーの視点からは、WeWorkのシェアオフィスはどのように見えるのだろうか。

WeWorkは空きスペースのあるビル全体、あるいは、フロア単位で借り上げて、クールなオフィスに仕立てる。基本的にはオーナーから借りた物件を又貸しするビジネスモデルだ。遊休資産を細切れにしてオンデマンドで貸し出していく点から、シェアリングエコノミーとしての性格を持っている。

不動産オーナーが投資収益を確保するうえで、入居率の維持は最も重要な課題だが、彼らは困難に直面している。

昨今は、事業のライフサイクルが短くなったため、ベンチャー企業が急拡大して移転してしまったり、逆に、大企業が事業縮小やフリーアドレス化を進めて空きスペースができてしまったりするケースが増えているのだ。

不動産オーナーは、中小規模のオフィススペースを柔軟に貸し出したいというニーズを抱えている。 WeWorkのビジネスモデルが秀逸なのは、このような不動産オーナーのニーズにしっかりと応えている点だ。だから、拠点となり得るスペースを探すのにも苦労が少ない。

たとえば、老舗デパートHudson’s Bayはニューヨーク5番街にある店舗の1フロアをWeWorkへと明け渡した。Hudson’s Bayにとっては遊休資産の最適化となる。WeWorkにとっては、同社の本社として利用されるとともに、一等地でシェアオフィスを利用したいユーザーから羨望の的となった。

企業やフリーランスの利用者を誘引するWeWorkによって、その拠点には人が集まる。人が集まれば物件の資産価値も上昇する。ある調査では、WeWorkに又貸しされた物件は、契約後、約25.4%の割合で資産価値が上昇したという。ニューヨークのある拠点では、わずか1年で123%の価値上昇が見られた。不動産オーナーにとって、これほど魅力的な売り文句はないだろう。