WeWork(ウィーワーク)のビジネスモデル解説、シェアオフィス・コワーキングとの違い | シェアリングエコノミー

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記事の情報は2017-11-14時点のものです。

コワーキングスペースを運営する米WeWork(ウィーワーク)が注目されている。遊休資産を活用したい不動産オーナーと共同して経済圏を作り上げるビジネスモデルは、単なるコワーキングやシェアオフィスではない。 日本でソフトバンクと提携したWeWorkのビジネスとは。

WeWorkのビジネスモデルを図解する

2015年に公開されたWeWork(ウィーワーク)の資料では、同社のビジネスモデルが具体的に紹介された。この資料では、WeWorkが不動産オーナーと手を取り合って、ビジネスを急拡大させたカラクリが明らかになった。

複製が容易なWeWorkのシェアオフィスでも、オフィスを改装する際の初期投資は無視できず、不動産ベンチャー企業としては大きな負担となる。この初期投資をオーナーと折半し、初期投資を抑制するという方法を取っている。

同資料では二つの条件が提示された。一つ目の契約条件では、オーナーが初期投資の50%を負担し、WeWorkは市場価格で借り上げる。

二つ目の条件では、オーナーが初期投資の75%を負担したうえで、WeWorkの売り上げの内25〜50%はオーナーと分け合う。より共同運営としての性格の濃い条件だ。

2013年の段階では一人あたりのユーザーにかかっていた初期投資額は7,100ドルだったが、2015年には3,000ドルまで下落した。オーナーと売り上げを分け合う条件では、不動産オーナーは7か月でもとが取れる計算になる。

遊休資産をクールな資産に変え市場価値を高めてくれるWeWorkは、不動産オーナーにとって魅力的な“仲介業者”だ。フリーランスや企業がシェアオフィスをより頻繁に使うようになり、WeWorkの人気・ブランドが高まるにつれ、不動産オーナーにとっての魅力も高まり、進んでWeWorkへスペースを提供したいと考えるようになる。

WeWorkでは、シェアオフィスの成功体験をもとにして住宅版WeWorkとも言えるWeLive事業も開始している。すぐに入居できる賃貸アパートのような位置づけだ。WeWorkとWeLiveが併設されているため、その相乗効果によって物件の資産価値もさらに上昇する。

不動産オーナー、利用者、地域経済。皆にとって価値のある一つの経済圏を作り上げていく。これがWeWorkの構築したビジネスモデルの真骨頂である。