「現金お断り」キャッシュレスロイヤルホスト、店舗運営の働き方改革ロールモデル

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現金お断りの飲食店が東京都内に誕生した。運営はロイヤルホールディングス(以下、ロイヤルHD)で、ロイヤルホストの系列だ。楽天ペイとの協業で完全キャッシュレスによる業務負担軽減を目指すという。開店して間もない11月9日に来店してみた。

お待ちかねの会計!

食べ終わったらいよいよキャッシュレス会計だ。今回は、チャージしたSuicaで精算をお願いした。iPadの「会計」タブを押すと、ウェイトレスが精算機を持ってきてくれる。

楽天ペイと書かれたカードリーダーと、iPhoneだ。しかし楽天ペイがなかなかSuicaを読み込まない。他のクレジットカード精算の客も、読み込まれずに困っていた。

「電波が悪くて…」とウェイトレスは言っていたが、端末の故障ならどうにかなるが、電波の問題は事前に確認しなかったのだろうか?と少し残念に感じた。ここのところは、さすが楽天としか言いようがない。実に楽天らしい失敗である。



最初は、こちらから見えるようにカードを読み込もうとしてくれていたのだが、読み込まないためウェイトレスは自分の手元にカードリーダーを引き込んだ。そして読み込んでいると無事に精算され、決済となった。入り口のボードによると、割り勘精算もできるらしい。

お見送りまでていねいに

混んでいるものの、一人ひとりを見送ってくれ、非常に感じが良かった。やはり現金精算の手間がないため、お客さんをどこかのバルのようにおもてなししてくれるのだろう。

実際、数度目の来店とおぼしき客には「いつもありがとうございます」とちゃんと顔を覚えていた。ホールスタッフ3人で、このオペレーションは見事である。

軽い混雑も上手にさばいており、新規オープンの店舗にかなり優秀なスタッフを採用したことがわかる。それ相応に、時給が高いことを期待する。

店はJR馬喰町駅出口から1分。非常に便利で、馬喰町という土地柄、サラリーマン客層を狙ってのものだろう。モーニングやランチはなく、15時オープンでラストオーダー21時の22時閉店としているのは、仕事終わりの「ちょい呑み需要」を狙ったものか。

お酒が入った状態で現金精算は怖いところがあるので、楽天ペイの性能さえ良ければ、どんどん客を回転させていけるはずだ。

ロイヤルHDによると、ピーク時スタッフ7人で回すところが、5人で対応できるとのこと。さらに加えて40分かかる売上を締める店長業務がなくなるのであれば、余裕を持った接客ができるだろう。

「現金お断り」キャッシュレスロイヤルホスト、課題と展望

ロイヤルHDは飲食業界の人手不足への対応から、この完全キャッシュレス店舗をオープンするに至った。この店が話題になるということは、それだけ東京のキャッシュレス化が遅れているということだろう。

政府は2020年の東京オリンピックまでにキャッシュレス化を進めたい考えで、訪日外国人への対応が期待される。

課題は店舗スタッフによるオペレーションのさらなる「慣れ」や「スマート化」と英語対応といった国際化、そして楽天ペイの電波状況の改善だろう。店の内装も非常にスタイリッシュで、入り組んだカウンターがメインのため客の回転も良さそうだ。

とするならば、精算業務をスムーズが行えないのはツラいところだろう。ロイヤルHDは楽天に電波の改善を要求する必要がある。

キャッシュレス店舗の運営は、働き方改革の取り組みとしては十分に挑戦的であることはたしかだ。店舗を利用したところ、オペレーションが軽快に進むところが面白く、また行きたいと率直に感じた。今後も運営のノウハウを蓄積していき、店舗を増やしていってほしい。