シャノンが提唱するほんとうに必要なMAとは?デジタルとアナログの「融合」がもたらす未来

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顧客と長期的に良好な関係を構築するためには、企業は良質な顧客体験を提供するための取り組みは欠かせない。顧客体験を中心に考えると、マーケティング戦略において重要になるのが、デジタルとアナログを組み合わせることだーー。シャノン 代表取締役社長 中村健一郎氏が、同社プライベートカンファレンスで、これからのマーケティングオートメーションの課題や、NPOに対する支援ソリューションについて講演を行った。
シャノンが提唱するほんとうに必要なMAとは?デジタルとアナログの「融合」がもたらす未来

イベントマーケティング・MAで存在感を示すシャノンの新たな取り組み

シャノンは「シャノンマーケティングプラットフォーム」というクラウドサービスを軸にマーケティングオートメーション(MA)とイベントマーケティングのソリューションを提供している。加えて、コンサルティングやMA導入支援、アウトソーシングといった人的サポートも展開。創業17年を迎え、東証マザーズに上場も果たした。

顧客となるユーザー企業は多岐にわたる。金融、小売、通信、ヘルスケア、メディア、製造業、運輸などほとんどの業種に対応しており、BtoB、BtoCなど業態を超えて多種多様な企業のマーケティング活動を支えている。

同社のクラウドは、リードマーケティング、データ分析、データクレンジング、イベントマーケティングなど、実に879もの機能をサポートしている。

今後はデジタル・アナログ融合、そしてAI活用へ

シャノン 代表取締役社長 中村 健一郎氏は同社主催イベント「シャノンマーケティングカンファレンス」に登壇。「近年の企業マーケティングの課題と今後」について、シャノンが独自に行ったユーザーアンケートの結果に触れて説明した。

シャノン 代表取締役社長 中村 健一郎氏

同社のアンケートで示されたマーケ活動の課題のひとつが、成果の可視化と評価だ。2015年、16年のアンケートでの1位は「マーケ活動の成果が見えない」というものだったという。

しかし、2017年にはこの課題が3位に変わった。中村氏は「MAの普及により、マーケティングオートメーションがKPIの可視化、管理に貢献しつつある」とMAがこうした課題に貢献したことを語る。

実際、同じアンケートでは、マーケティングオートメーションで解決した課題として「成果が可視化できた(59.2%)」「煩雑な処理が解消された(38%)」「リードが増加した(36.6%)」という回答結果を示されている。

ただ、同時に多くの企業が自社のマーケティングレベルに不安を持っている。

ミドルマネジメントで47%、現場スタッフで51%、ともに半数が「自社のマーケティングレベルは他社に比べて低い」と感じている。これは裏を返せばまだまだ成長余力があるということだ。

では、成長するための鍵は何か。中村氏は、「デジタルマーケティングとアナログマーケティングの融合」だとする。

コーネル大学の実験では、メールより対面のほうがコミュニケーションは34倍効果が上がるという結果がある。別の調査では、74%の企業が、イベント体験が購買にいい影響を与えていると回答したという結果もある。アナログやリアルの価値が再び注目されているのだ。

さらに日経BPコンサルティングの調査では、アナログかデジタルのどちらか一方のマーケティングしかしていない企業と、両方を組み合わせている企業では、後者のほうがアナログ、デジタルともに施策の効果が上がっているという。

これは、一般的な顧客の購買行動からも説明できる。たとえば展示会やソーシャルメディアで認知し、その後マーケティングオートメーションによるシナリオメールやDMを受け取ったりする。

さらに関連セミナーに参加し、関心から比較検討の段階に移る。ここで資料ダウンロードしたり比較検討サイトをチェックしたりという行動になる。ここでインサイドセールスの架電が入る。

最終的に、商談、契約となる。モデルケースではあるが、一連の行動はオンライン、オフラインの接触を繰り返しているのである。

デジタル(SNS)から入った顧客をアナログ(展示会、セミナー)でリテンションする場合も逆の場合も、基本的には同じだ。

マーケティングオートメーションでは、このようなシナリオをサポートするプロセスフローのツールやCRMツールを活用することで、人間がやるべきでない作業や人間ができない作業を効率化、自動化してくれる。

そして、マーケティングオートメーションによってさまざまなデータが蓄積されると、次はAIをマーケティング経営戦略に役立てる道筋が見えてくるのだ。

シャノンが組織のマーケティング課題を解決、NPO支援とMA活用事例

シャノンでは、MAツールを活用し、NPO支援にも積極的に取り組んでいる。

「シャノンは、テクノロジーとサイエンスで企業のマーケティング課題を解決する企業です」と語る中村氏は、同社の取り組み事例として「シャノンソーシャルサポートプログラム」を紹介した。

「ソーシャルサポートプログラム」とは、NPOに対して、同社のシステムを無償で提供するプログラムのことだ。実際にシャノンのソリューションを導入しているNPOでは、どのように活用されているのか。また、NPO支援におけるマーケティングオートメーションとは、どういうものなのだろうか。

日本は課題先進国であり、その課題解決には民間ビジネスだけでなく、NPOの存在が欠かせない。

NPOサポートセンター 事務局長の小堀 悠氏によれば、BtoN(Nonprofit Organization)の市場は2015年に2.5兆円規模に達しており、支援サービスを提供している企業は大企業からベンチャーまで広がりをみせているそうだ。

小規模なNPOでもマーケティング活動が可能に

こうした流れを受け、実際にシャノンのソリューションを導入した「NPOサポートセンター」と「Living in Peace」という2つのNPO法人の活用事例を紹介しよう。

NPOサポートセンターでは、全国のNPOの寄付集めや運営を支援するため、さまざまな取り組みを行っている。とくに重要なのが、NPOとNPOを育成する自治体、支援する企業とのつながりを作ることだ。

NPOサポートセンター事務局長 小堀 悠氏

NPOサポートセンターでは、たとえば企業に対してアカデミーパックやNPOプランの設定、NPO向けシステムのカスタマイズ(募金・寄付収集・決済)、その他企業に対するNPO活用のコンサルティングなど幅広く、それらのマーケティング支援のためにシャノンのソーシャルサポートプログラムを導入した。

NPOにしてみれば、NPOサポートセンターを利用することで、限られたリソースで寄付や運営支援の輪を広げることができる。従来マーケティング活動が不可欠でありながら手がまわっていなかった領域にまで、小規模なNPOでも活動範囲を広げることが可能となった。

企業側もNPOをチャネルとしたリーチの拡大、企業ビジョンの実現、ブランドや認知向上、さらに社会貢献をできるというメリットがある。