みずほFGがRPAで構造改革、収益力「メガバンク最弱」からの大逆転シナリオ

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2017年11月20日の中間決算において、みずほフィナンシャルグループ(みずほFG)は収益力強化に向けた「構造改革」を打ち出した。これはみずほだけでなく、すべての金融機関のあり方を変える金融機関の大変革へとつながることは間違いない。

「稼ぐ力の強化」、青写真とおりに進むか注目

最後に、構造改革の3つめの柱「稼ぐ力の強化」であるが、稼ぐ力、つまり収益力の強化という点では、全体の方針はやや散漫なように見受けられる。

「現場への権限移譲、プロセスの見直し、戦略実現のための人材確保・育成。会議の簡素化」といった内容が並列で記されているが、これらの項目のほとんどは10年前、20年前にも同じことが言われていたであろう内容なのだ。

もちろん、個別具体的な業務に「どのテクノロジーを当て込むか」という全体の青写真は発表されている。たとえば、アセットマネジメント業務に関する「ロボアドバイザー」「AI運用」など。

ただ、テクノロジーをどのように活用して、何を実現して、どれくらいの効果を見込んでいるかを、数字的な裏付けを持って語れるようになるにはもう少し時間が必要であろう。

みずほ「構造改革」成功すれば、中小金融機関も再生

ここまでみずほの「構造改革」について説明してきたが、大手メガバンク最弱のみずほよりも、構造改革がもっと必要な金融機関は山ほどある。より規模の小さい金融機関だ。

メガバンク、第1地銀、第2地銀、信金と、金融機関は規模が小さくなるにつれ、システム化・効率化されていない経営となっていく。実際、収益性を示す経費率(営業利益の粗利に対する経費割合。数値が少ないほよい)も、メガバンクが60%台であることに比べて、信用金庫だと70%台が多い。

ある信用金庫を例にあげてみよう。

私は小さな企業を経営している経営者だが、Web関連の事業が多く在庫も不要であるため、借り入れを行う必要がない。決済はすべてネット銀行だ。一応、法人名義の口座を近所の信用金庫で作ってみたものの、1,000円入金しただけで全く使っていない。

このような企業に対して、信用金庫が何をしているかというと、半年に1度の「営業強化月間」に当社にアポなしで訪問してきて、「借り入れのニーズはありませんか」と聞くだけだ。

アポなしでオフィスに来て、急に借り入れのニーズを問われても、業務が中断されて正直困るし、顧客のニーズを何も考えていないなと印象は当然よろしくない。

この信金は、私のメールアドレスすら取得できていないので、非効率的な営業方法に頼らざるを得ない。当社のような、非対面で済ませたほうがよい見込み客リストを活用できれば、営業効率が上がるはずだが。

大都市の信用金庫であればまだいいが、地域経済の影響や過疎化などのインパクトが直撃する地方都市の信用金庫は、経営環境がさらに悪化する可能性が高い。昨今のマイナス金利下政策で、金利収益を上げるのもしんどいはずだ。

繰り返すが、構造改革が本当に必要なのはメガバンクよりも中小金融機関である。この視点に立ってみずほの構造改革の意義をあらためて考えてみると、どうだろう。

みずほが成功すれば他の中小金融機関が「みずほで実績が出たのだから、そのやり方を真似てみよう」となり、日本すべての金融機関に大きな波を巻き起こす可能性が高い

自分で考えて試行錯誤するリスクは取りたくないが、他の成功事例はそのまま使いたい金融機関の「横並び文化」が功を奏するのではないだろうか。