雇止めを加速すると囁かれる「無期転換」ルールを正しく理解する3つのポイント

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「無期雇用転換」とは、派遣やパート・アルバイトなど有期雇用契約の非正規労働者として働く方を無期雇用に切り替えること。一定の条件を満たせば無期雇用契約への切り替えが可能となることから、企業の人件費高騰を招くとして、雇止めが加速するのではと囁かれてきました。本記事では、誤認されやすい無期転換のルールを正しく理解するための3つのポイントと、企業がいかに対応すべきかを図解しました。

2018年問題「無期転換ルール」2つの注意点

次に、2018年に起こるであろう2つの事象について認識しておきましょう。ここでは、企業が注意するべき点について解説します。

(1)無期転換の申し出は「正社員へ転換希望」と捉えるべし

現在、派遣やパート・アルバイトなど非正規労働者として働くすべての有期契約労働者が、無期転換を申し込むか?というとそれはわかりません。

正社員の仕事のハードさをみて「あんな働き方はできない」と感じている方や、「うちの会社で無期転換を申し込んだら迷惑に違いない」と申し出を遠慮する方、法律の理解がややこしくて「今のままでいいや」と判断する方も一定数います。

一方で、有期契約で働く方の中には、業務経験が浅かったり、勤務時間の制約があるといった事情があってやむなく有期契約を選択している方もいます。

そんな方は5年の有期契約を経て実務経験を積み、即戦力として採用市場から需要がある存在に成長しています。また短時間正社員など柔軟な働き方の体制を整える企業も増えています。

そう、有期契約に"甘んじて"来た方々に、転職の選択肢が生まれているのです。採用難のこの時代、新たに有期契約社員を雇用することは簡単ではありません。

有期契約労働者から無期転換の意向があった場合、単なる無期転換ではなく正社員転換の期待が膨らんでいると思って対応した方がよいでしょう。

(2)無期転換への対応に企業の本音が垣間見える

「雇用形態に関わらず、すべての社員を会社の財産と思って大切にしている!」と口にする経営者の方は多いのですが、無期転換への対応、そして続いてやってくる同一労働同一賃金への対応は、その言葉の信ぴょう性が問われる課題です。

なぜなら、この課題に誠実に対応しようとすると、現状は有期契約労働者と正社員の待遇差が大きい企業の場合はコスト増が避けられないからです。

無期転換は、有期契約労働者が会社に対し直接申し込みを行うものなので、会社が無期転換の申し込みに対しどう対応するかは、否が応でもダイレクトに対象となる方に伝わります。

会社側は、コスト増を前提とした人事戦略の見直しを進め、対象者には真摯な対応を心がける必要があります。

前述のとおり、無期転換の申し込み者の大半が「この会社で正社員にしてほしい」と期待を膨らませているとしたら?

有期契約労働者を多く抱える企業であれば、「あの人は正社員に、この人は」と選定するのも一苦労ですし、その線引きについて筋の通った説明をできなければ、たちまち企業の評判への悪影響を及ぼすでしょう。

2017年暮れころから「雇止め」のニュースもちらほらと見かけました。2018年問題を目前に、苦渋の決断に踏み切った企業の姿が浮き彫りとなりましたが、無期転換への対応が企業の評判にも直結することは認識しておくべきでしょう。