年末年始80店舗休業の大戸屋、「値上げ」で生産性向上という第三の道に期待

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大戸屋やロイヤルホールディングスなど、年末年始ぐらいはゆっくり休みたい、従業員にもゆっくり休んでほしい、そう願う企業が増えた。「従業員を酷使する」というイメージがついた企業が売上を落とす例は枚挙にいとまない。しかし休めば良いという問題なのだろうか。OECD(経済協力開発機構)の調査でも日本の生産性は著しく低いとされる。年末年始が近づいた今、改めて休みと生産性の問題について考えてみよう
年末年始80店舗休業の大戸屋、「値上げ」で生産性向上という第三の道に期待

休むことはイメージ向上につながり、企業ブランディングの一環となる

食事処の大戸屋を運営する大戸屋ホールディングスが、2017年から2018年の年末年始にかけて、全国441店舗のうち80店舗を休業することを決定した。日本全体が空前の人手不足となるなか、元旦の休日出勤を無理して行い、高い時給を払うのであれば、いっそ休業したほうが良いとの判断からだ。

これは人手不足による人員配置の問題もあるが、企業イメージの問題もあるのではないだろうか。数字の上での戦略に加えて、「従業員を大切にする企業」という社会へのメッセージの側面もあるはずだ。

同じくロイヤルホールディングス系列のロイヤルホスト、てんやなどが元旦の休業を発表した。従業員をねぎらい、ただでさえシフト勤務で大変な飲食業において、従業員をいたわろうという機運が高まっている。「働き方改革」に前向きに取り組む企業は、非常にイメージも良いだろう。

昨今のアベノミクスの好調と団塊の世代の大量理職による人手不足。特に飲食業はこれが直撃しており、中には「人手不足倒産」に陥る企業も2017年11月の時点で90件を超えた。

好景気により倒産件数そのものは右肩下がりに減っている今、生産性が悪く従業員を大切にしない企業が淘汰されつつあることが読み取れる。

ところで「定価」って必要?

ところで正月休みの問題と同時に考えなければならないのが、「定価」の問題だ。

たとえば今いきおいがあるアジア圏やアラブ圏では、定価というものが存在しないそうだ。価格は売り手と買い手の需要と供給で決まり、価格交渉によって適正な値段に落ち着く。

よって、お金を持っていそうな日本人や中国人に対しては高く売られ、現地の人は安く買える。欧米でも『神の見えざる手』によって価格は需給によって決まることが一般的だとされている。

ただ、日本だ。日本でのみ同質のサービスは同価格で売らなければならないという商慣行が続いてはいないか。これをどこかの企業が口火を切って値上げすれば、社会が変わるかもしれない。