日本人が知らない、中国「最強のユニコーン企業」10社とは

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記事の情報は2018-01-19時点のものです。

2017年、中国で最も注目されたユニコーン企業10社の資金調達額が明らかになった。その背後にあったアリババとテンセントの投資競争、ユニコーン企業の今後の戦略について予測した。

第5位: ofo小黃車/ofo小黄车/Ofo/オッフォ

資金調達額:12億USドル

アリババ、アント・ファイナンシャル、後述するDidi(ディディ)が出資するシェア自転車の会社だ。前述のとおりオッフォは、テンセントの出資を受ける前述のモバイク(第9位)と並んで「中国の2大シェア自転車サービス」である。

2017年8月には、ソフトバンクC&Sがオッフォの日本進出にあたり協業を発表したので、記憶にある方もいるのではないだろうか。

ちなみに、オレンジ色の自転車がモバイクで、オッフォは黄色だ。

2018年3月、日本では和歌山市との提携が発表されている。

第4位:蔚来汽車/蔚来汽车/NEXTEV/ネクストイーブイ

資金調達額:17億USドル

NIO蔚来として知られている、通称「中国のテスラ自動車企業」だ。電気自動車、自動運転車の開発を手がけており、テンセントとバイドゥ,シャオミの雷軍、JD.comのCEO劉強東,レノボなどが出資している。

2016年11月に発表されたNIO EP9は、テンセント CEO ポニーマー、シャオミ CEO雷军,JD.com CEO 刘强东が購入している。

1,360馬力,0〜200km加速するのにわずか7.1秒。急速充電モードでわずか45分で充電完了、一回の充電で427km走行可能だ。約10分間の充電で100km走行できる。

注目すべきは、NOMIという独自の車載人工知能OSが搭載されたことで、車の音声操作が可能になったという点だ。

蔚来汽车では2020年までに、“NIO Power”というバッテリーの交換スタンドを110都市に建てる計画だ。この"未来型"のスタンドでは、3分間でバッテリーの交換をすることができるという。

“NIO House”と言われる実店舗を2018年に、上海、北京、深圳、南京、杭州、武汉など10都市で展開する計画も進む。“NIO Service”車が故障した際には、NIOの従業員が直接持ち主の自宅を訪問し修理などに対応するサービス向上も進める。

第3位:易鑫車貨/易鑫车贷/ DaiKuan.COM/ダイクアン

資金調達額:20億USドル

易鑫集团は、テンセント、 バイドゥ、 JD.com,、易车などが共同出資して作ったサービスで、ローンで新車や中古車を買えるサービスを提供、頭金0元でも自動車を購入できる。

自動車保険やレンタカーサービスも手がけており、ワンストップ自動車取引小売プラットフォームを構築している。

第2位:美団/美团/meituan/メイトゥアン

資金調達額:40億USドル

アリババが出資している饿了么の最大のライバルで、フードデリバリサービスの2大勢力だ。こちらにはテンセントが投資している。

実は2018年の1月8日、美团が配車サービスに進出と発表した。美团は北京、上海、成都、杭州、温州,福州,厦门(アモイ)でサービスを始めるとのことだ。後述するDidi(第1位)から顧客を奪うために、大量に割引券を顧客に配り、2016年に中国のUberを吸収してから配車サービスを独占してきたDidiに挑戦状を送った形だ。

第1位:滴滴/滴滴/Didi /ディディ/

資金調達額:55億USドル

Uber同様の配車サービスで、今回の資金調達で、ディディの企業価値は500億USドルに達したといわれている。資金は今後、海外展開、電気自動車、自動運転のサービスと技術開発に使うという。

中国で自動運転といえばバイドゥが最も力を入れてる分野だ。ディディはバイドゥの最大のライバルになるであろうとの見方が強まっており、これから激化するであろうディディ対バイドゥの争いに注目が集まっている。

そしていま、それ以上に注目なのが「ディディ vs 美团」の新たな戦いだ。美团はデリバリーサービスやO2Oのサービスを主に展開しており、その美团が配車サービスの事業に進出すると発表し戦いの火蓋は切って落とされた。

ディディは配車サービス以外にも、シェアリング自転車、中古車の売買、また美团の主要サービスであるデリバリサービス業にも進出する計画を打ち出しており、2018年はDidi と美团の争いが一番の注目どころだ。