働き方改革の「副業・兼業」「転職」はイメージ先行、先の見えない管理職の実態が浮き彫りに

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日本人材機構は29日、1都3県に在住し東京都に勤務している正社員管理職者を対象に行った「首都圏管理職の就業意識調査2017」の結果を公表した。
働き方改革の「副業・兼業」「転職」はイメージ先行、先の見えない管理職の実態が浮き彫りに

政府の進める働き方改革は、現場に浸透しているか

平成29年3月「働き方改革実現会議」で、政府は副業・兼業は新たな技術の開発、オープンイノベーション、起業の手段や第2の人生の準備としても有効であるとしている。また、副業推進のためのガイドラインの策定やモデル就業規則の改定、雇用保険の整備なども今後検討するという。

また、安倍首相は1月に召集された通常国会を「働き方改革国会」と命名し、「長時間労働の上限規制を導入し、長時間労働の慣行を断ち切ること、正規・非正規の雇用形態にかかわらず、昇給や福利厚生など、不合理な待遇の差を是正することなどを強調している。

政府が動きを加速する中、副業や自分らしい働き方について、現場にその意識は浸透しているのか。本調査結果からみていきたい。

調査は従業員規模500名以上のサービス業・1000名以上の製造業で、一都三県に在住し東京都に勤務している正社員管理職(課長職以上)を対象に行われた。インターネットモニター調査で、回収数は1642である。

副業・兼業は「小遣い稼ぎ」、政府イメージとのギャップが明らかに

● 52%が副業・兼業について「できる」と回答

出典:プレスリリース

● 「副業・兼業」のイメージは、アルバイトやネットビジネス系が圧倒的。「小遣い稼ぎ」ととらえるケースが大半

出典:プレスリリース

調査では回答者の過半数が会社の許可があれば副業・兼業に取り組むことは可能と考えている一方、実際に時間ができた場合に副業・兼業をすると答えた割合は平日6%、休日5%と、必ずしも積極的ではない傾向がみられた。

また「副業・兼業と聞いて思い浮かぶもの」を調査したところ、「アルバイト系」「ネットビジネス」などが上位を占める。

本業とは無関係の、いわゆる「小遣い稼ぎ」的に捉える向きが多く、政府が推進する「新たな技術の開発、オープンイノベーションや起業の手段、第2の人生の準備」のための副業・兼業のイメージとは、ギャップがあることもわかった。

ちなみに「月に1~2度地方企業の業務を支援する副業である」とミッションを明示した場合には、6割が関心を示したことから、副業・兼業を実際には行わないのはイメージに原因があるのかもしれない。

自分らしい働き方を見つける解決策「転職」は、実際はしていない人が6割

●自分らしく働くために、『転職が解決策となる可能性がある』は63%

●『転職が解決策となる可能性がある』とした回答者の64%が転職未経験

転職で自分らしい働き方を見いだせると感じながらも、調査対象者が管理職という立場であることから、年齢、収入などの現実的な問題もあり、実際に足を踏み出すにはハードルが高いと感じている実情がうかがえる。

また自分以外の他者については「あなたの周囲で自分らしく働いている人の割合」は「1割」「2割」「3割」で合計52%という結果に。

自分らしく働いている人が少ない職場の中で、自分だけがそこを求めて職場を離れていいのか、という日本人ならではの発想が、転職を阻害する要因にもなっているかもしれない。

地方への転職には前向きなイメージが強い

● 他者の地方への転職を『ポジティブ』『ややポジティブ』と受け入れる層は78%

●「地方での経営幹部職」に興味を持つ層は50%、「地方への転職」は41%

出典:プレスリリース

他者の地方への転職は、比較的ポジティブにとらえられている。「地方企業で経営幹部職で働く」ことを質問にも過半数以上が興味を示す結果も出ており、地方への転職には前向きなイメージが強いといえる。しかし実際に自身の地方転職への興味を聞かれると、他者の地方への転職と比べてその割合は下がる。

自分らしい働き方をするために「待遇」や「やりがい」が見えれば、地方に移住して仕事をするという大きな決断も、現実に検討対象になるということだろう。裏を返せば、チャレンジ精神だけでは地方に転職するにはハードルが高いという現実もある。

税金の優遇など地方行政の支援拡充はもちろん、地方の環境や仕事の可視化が必要である。