アマゾンの「銀行業参入」が話題に、独自「仮想通貨発行」の破壊的脅威

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アマゾンの「銀行業参入」が囁かれている。中小企業向けローンを導入し、さらに、今後の銀行業参入が噂されるアマゾンでは金融事業が拡大中だ。さらにブロックチェーン技術を使った独自仮想通貨が導入されれば、あらゆる取り引き履歴を管理・分析できるようになり、既存の銀行を上回るサービスの開発が期待される。銀行業は果たしてこのままでよいのか。
アマゾンの「銀行業参入」が話題に、独自「仮想通貨発行」の破壊的脅威

アマゾンの銀行参入が囁かれるワケ

2018年、アマゾン銀行の登場はあるのか。金融業界では大きな話題となっている。きっかけは2017年11月に米国銀行監督当局の発言だ。日本とは異なり、米国では一般的な事業会社が銀行を保有することができず、クレジットカード発行などの一部の金融業務に限定されていた。監督当局は、この銀行業と商業を分離する規制を見直そうという趣旨の見解を示したのだ。

楽天銀行が日本最大手のネット銀行となったように、小売業と銀行業の相乗効果は大きい。ネットショップやリアル店舗で利用できるポイントや電子マネーを提供したり、クレジットカードに加えて住宅ローンや金融商品を販売したりして、一つの経済圏を作りあげられる。

マッキンゼー社の調査によると、米国のミレニアル世代のうち73%は、銀行よりも、アマゾン・Google・スクエア・ペイパルといった企業の新しい金融サービスを利用するだろうと回答している。保守的な銀行サービスよりも新興IT企業の優れたユーザー体験が評価されるのは、現代のトレンドなのだ。

クレジットカードから短期運転資金まで

実際、アマゾンは既に金融サービスに取り組んでいる。クレジットカードを発行しているし、「アマゾンキャッシュ」という銀行口座が無くても利用できるデビットカードのような仕組みもある。また、「アマゾンコイン」というアプリの購入や課金ができる電子マネーのような専用通貨も知られている。

さらに、販売業者向けの融資サービス「アマゾンレンディング」で10万円~5000万円の短期運転資金ローンを提供している。アマゾン内での事業拡大を支援するために2011年に導入された同サービスは、米英日で総額3000億円を融資したという。

アマゾンが独自仮想通貨を発行する可能性は

アマゾンが銀行業へ進出する場合、中小銀行の買収によって、その第一歩を進める可能性がある。しかし、同社の技術力を考えると、仮想通貨やブロックチェーン技術を使った新しい金融サービスの開発を目指すとしても不思議ではない。

アマゾンが提供する多様な購買チャネルこそブロックチェーンに適した分野である。アマゾンコインがアプリ内決済に使われていたのに加え、仮想通貨がアマゾンのサービス全体に展開され、決済に利用される可能性は十分にあるだろう。

アマゾンは仮想通貨関連のドメインを既に取得している。
amazonbitcoin.com
Amazoncryptocurrency.com
Amazoncryptocurrencies.com
AmazonEthereum.com
単にブランド保護を目的としてドメインを取得したという背景はもちろんあるだろうが、ビットコインやイーサリアムといった仮想通貨を使ったサービスに備えているという期待が膨らんでしまうのも無理はない。

しかし、アマゾンが独自の仮想通貨を発行するとしたら、どうなるだろうか。自社内で仮想通貨のシステムを構築すれば、Eコマースの売り上げやクレジットカード並びにローンの利用履歴が一か所で管理できることになる。

仮想通貨の基礎となるブロックチェーン技術は、三菱東京UFJグループを始めとした多くの銀行が注目している通り、高セキュリティ・低コストで台帳管理が行える。アマゾンが持つ多様な販売チャネルを網羅するのに、分散型の管理システムが適用できると考えられる。