「AI採用」メリットとデメリット、企業の事例にみる採用フロー見直しポイント4つ

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記事の情報は2018-02-15時点のものです。

ソフトバンクなど大手を中心に導入が進むAI採用。現段階では採用効率をあげるために書類選考での活用が多いですが、AI採用の本質的な目的は採用業務の効率化だけではなく人材資源の戦略的活用にあります。そのために募集⇒選考⇒内定⇒入社までの採用フローに沿って採用業務を見直すことが重要です。

まさかの「入社日に欠勤」で、内定取り消し?

昨年、大手格安旅行会社の破産により、内定取り消しとなった学生の救済が話題になりましたが、いまは多くの企業が採用難の時代。内定式から数ヶ月を経て入社式を迎えられて、ほっと一安心なのは学生よりむしろ企業のほうかもしれません。

そんななか困るのが、新卒・中途に限らず入社日に無断欠勤、体調不良で休みといった内定者の取り扱いです。内定者本人から内定を辞退したいという申し出がある場合は良いのですが、本人からアクションがない場合、内定取り消しの対応はとれるのか?というご相談をいただくことも少なくありません。

内定の取り消しについて就業規則に記載している企業もありますが、内定者が入社前に就業規則をみることはないでしょうから、内定受諾書や入社誓約書といった入社前に取り交わす書面の中に加筆しておくことで無用なトラブルを回避できます。

1.「入社日当日に無断で出社がない場合には採用を取り消す」
2.「体調不良などの理由により出社できない場合は2週間以内の別の日に入社日をあらためて設定し、その日も出社できない場合は採用を取り消す」
などのように、2段階で記載しておくと双方対応しやすいでしょう。

本当の「試用期間」はたったの14日間

「試用期間3か月」は、人事のみならず一般的な基準として世の中に定着しています。その一方で、会社が独自に定める試用期間3か月と、労働基準法が定義する試用期間14日は分けて考える必要があるということを理解している人は多くありません。

労働基準法には、労働者を解雇する場合には30日前に予告しなくてはならず、30日前に予告しない場合には30日分の賃金を払うように。ただし、雇い入れから14日以内の場合に限ってはこの解雇予告は必要としない。と定められています。つまり、14日以内でも30日経過後でも、辞めてもらう場合には解雇になるのですが、即時解雇ができるかという点で違いがあります。

社内でOJTを進める中で、「この人の本採用は難しいかな?」という認識が育成に携わる社員たちの共通認識となるには、たいてい1~2か月かかります。その段階になって人事に相談があっても、解雇の予告といった判断にはならず、育成の進め方について見直しを行いながら、試用期間を延長して様子を見ましょうという結論になることがほとんどだと思います。そして、そのまま在籍が長くなればなるほど解雇の判断には行き着きにくくなってしまうのです。

この問題を解決するには、試用期間の最初の2週間で最低限クリアしてほしいことと、3か月でクリアしてほしいことのチェックリストをつくり、試用期間中の社員本人と育成に携わる社員、上司、人事の共通認識として持っておくことが効果的です。

2週間のチェックリストについては、無断欠勤など会社の解雇の基準と均衡がとれる範囲で解雇も相応と判断できるような極端なケースのチェック項目を設けましょう。3か月のチェックリストには、最低限と試用期間延長の2段階の基準を設け、解雇が相応なのか、時間を延長して改善をはかるのか基準に沿って判断できるようにしましょう。