デジタル人材確保に消極的な日本の実態が明らかに「第21回世界CEO意識調査」発表

PwC Japanグループは2月28日、「第21回世界CEO意識調査」における日本調査結果を発表した。これはPwCグローバルが2018年1月に発表した調査結果から日本企業のCEO123名の回答に焦点を当て、世界全体や他地域との比較を行ったものである。

デジタル人材確保に消極的な日本の実態が明らかに「第21回世界CEO意識調査」発表

意識調査から日本のCEOに見られた主な傾向

PwC Japanグループが発表した今回の調査結果よると、世界のCEOと比較しても大きく差異がないのは世界経済の見通しや自社の成長に対する自信、米国と中国が自社ビジネスにおいて重要と考える点である。

一方、M&Aの活用に対しては、米国との差は依然として大きい。そうはいっても、国内でもM&Aは年々増加傾向にあるのは事実なのだが、爆発的に伸びない要因はある意味日本らしさともいえる。買収により新規事業に踏み込むより、本業に注力しようという保守的な考え方が根底にあるのだろう。

また優秀なデジタル人材の獲得が困難な中で、米国や中国に比べて日本の対策が進んでいない実態が浮き彫りになった。働き方改革でテレワーク、時短勤務など多様な働き方を導入する企業は増えているが、デジタル人材のニーズに合う働き方は何なのか。デジタル時代において日本企業がどう生き抜いていくか、解決のヒントはここにありそうだ。


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日本のCEOたちは自信を取り戻している

調査結果を詳しく見ると、今後12か月で世界経済の成長が「改善する」と回答した日本のCEOは38%、自社の成長に対する自信についても24%が「自信がある」と回答しており、世界経済の見通しと自社の成長への自信、どちらも世界のCEOと同様に大幅に上昇している。

また、自社の成長において重要視する国としては米国、中国、タイが上位3か国に挙げられた。世界全体でも米国と中国が上位2か国を占めており、世界のCEOと同様に日本のCEOも米国と中国を重視する傾向が強まっている。

出典:プレスリリース

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さらに今後12か月間に売上拡大や利益向上のために実行予定の施策について尋ねると、92%のCEOが「本業の成長」と回答している。成長のためにM&Aを活用するとした日本のCEOは41%で昨年より5ポイント上昇となっているが、米国の69%と比べると依然として大きく差が開いているのが実態である。

出典:プレスリリース

今後日本が世界で戦っていくための課題はデジタル人材確保

出典:プレスリリース

今回の調査では、デジタル人材の獲得についても尋ねている。高度なデジタル関連の能力を持つ人材の獲得を「非常に困難」と回答した日本のCEOは、「経営層」で33%、「従業員」では25%であった。世界全体をみると、日本や中国・香港などアジア地域のCEOがデジタル人材の獲得に懸念を抱いていることがわかる。

デジタル人材の獲得への懸念が強い一方でデジタル人材の獲得・育成に対して日本のCEOは非常に消極的である。米国や中国・香港が「職場環境の整備」や「フレキシブルな働き方の実施」などに力を入れている中、日本のCEOはいずれの施策に対しても消極的であり、デジタル人材戦略が中期的な課題であることが明らかとなった。

本業で成長するのはもちろんなのだが、IT時代に乗り遅れないための施策を、日本のCEOたちは本腰を入れて取り組むべきである。