SXSW(サウス・バイ・サウスウエスト)とは? 2019日本からの出展企業まとめ

2019年も3月8~17日にかけて、米国テキサス州オースティンにおいて最先端テクノロジーの祭典「SXSW(サウス・バイ・サウスウエスト)」が開催される。日本からはおなじみのソニー、初出展となるNECやシチズンなどが出展。SXSWを単なる展示会ではなく「リーン・スタートアップ」の一環として活用するという価値に着目して紹介する。

SXSW2018でのパナソニックの展示

パナソニックのSXSWへの参加は2017年に引き続き2回目だった。新規事業の創出を目的に設置したパナソニック社内のアクセラレータ「Game Changer Catapult」の取り組みの一環でもある。

「Panasonic House @ SXSW 2018」では衣食住に焦点をあて、 8つの新規事業アイデアと3つのプロジェクトの取り組みを紹介した。

8つの新規事業アイデア

・Sylphid
パナソニック独自のミスト技術を活用した家庭用ホワイトニングツール。

・Pecoral
ペットの歯ブラシと飼い主同士がアドバイスし合うなど交流できるオンラインプラットフォーム。

・Famileel
簡単に利用できる高齢者向けのテレコミュニケーションツール。

・Kronosys
調理トレーニングを支援するARスマートグラス。

・OniRobot
飲食店向けのおにぎりロボット。

・Ferment 2.0
マルコメ株式会社と協業し開発した味噌作りキット。

・Aromation
音楽に応じた香りを提供するサービス。

・Blockchain×Appliances
ブロックチェーン×家電の事業アイデアの紹介。

3つのプロジェクト

・FUTURE LIFE FACTORY
「豊かなくらし」を再定義するデザインスタジオ。窓がない部屋に取り付ける光・風・音で表現された新コンセプトの窓「+WINDOW」、どこにいてもパーソナルスペースを作り出せるパーテーション付きのノイズキャンセリングヘッドホン「WEAR SPACE」を紹介。

・100BANCH
パナソニック創業100周年を記念し、次の100年につながる価値の創造に取り組むとしたプロジェクト。翻訳ツール「Fukidashi」、光の3原色を照射して不思議な体験を可能にする照明ライト「RGB_Light」、ふんどしをファッションアイテムとして蘇らせる「Fundoshi Hack Project」、着物にテクノロジーを応用する「KISABURO KIMONO Project」を紹介。

・Scratch Home
プログラミングを家電とつなげ子供の創造性を育む新しい住空間のコンセプトを提案するプロジェクト。

海外のSXSW参加者からの評価は

海外のSXSW参加者は、調理トレーニングを支援するARスマートグラスKronosysを実用的だと評価したようだ。一方、プロジェクト FUTURE LIFE FACTORY が手がけるパーテーション付きのノイズキャンセリングヘッドホンWEAR SPACEに対しては、実用的ではないとしている。

商用化されていないプロトタイプの段階で率直なフィードバックを受けられることこそが、パナソニックがSXSWに見出している価値だろう。フィードバックを受けて商品化するかどうかの意思決定、修正を加える参考とすることができる。

SXSW2018でのソニーの展示

続いて、2018年のソニーの展示を振り返る。

ソニーは2017年のSXSWの「The WOW Factory」と同様、テクノロジーの説明に終始するのではなくテクノロジーとエンターテイメントを融合させ、ユーザー自ら「体感」できる出し物を「WOW Studio」に揃えた。

「WOW Studio」に並んだラインナップ

・Ghostly Whisper
ユーザーは古い館を舞台に館の家主とタロットゲームを楽しみながら不思議な体験をする。耳元で自分だけにささやく声や風の音が聴こえる(空間音響技術)、誰かに触れられたような感覚を得る(触覚提示技術 )。

・Interactive Tabletop Projector
センシング技術とプロジェクション技術を活用。インタラクティブなAR空間において指先一つで楽器の演奏を楽しめる。

・AR Hockey
ARでホッケーを楽しめる。触覚提示技術によりバーチャルパックの大きさに合わせて振動が異なる演出も。

・Superception
ヘルメット型のプロジェクターをつけて映像を映し出すことで、蚊やコウモリなどが体験している世界を疑似体験できる。

海外のSXSW参加者からの評価は

海外のSXSW参加者やメディア関係者は、「WOW Studio」の出し物そのものが商用化される可能性は低いと評価しているようだ。

しかし、出し物に使用されているセンシング技術や触覚提示技術、プロジェクション技術などのテクノロジーを人が体感できるエンターテイメントに取り入れている点を高く評価している。

次々とテクノロジーが誕生し溢れているいま、テクノロジーそのものではなくソニーのようにテクノロジーを活用したエンターテイメントで人間を楽しませるような、人間に寄り添ってテクノロジーを活用するプロダクト開発が望まれているのかもしれない。

(初回掲載日:2018年3月16日)