「クォータ制」で真の女性活躍は進むか?その功罪を考える

議会や取締役会において男女の割合を規定するクォータ制(クォーター制とも)。世界ではポピュラーな制度だが、日本で導入する価値はあるのか? その成り立ちや反対意見が出る理由、期待される効果について解説する。

真の「機会の平等」のきっかけとしてクォータ制を

反対意見はあるものの、クォータ制は取り入れる価値があるというのが筆者の考えだ。そうでもしないと、男女平等への道は果てしなく遠く感じる。

昔から男女平等意識が強いノルウェーにおいても、取締役会の女性比率40%以上という法律ができる前の2002年頃は、女性役員の比率は6%程度だったという。少し不自然に思えても、強制力のあるルールでひと押しして最初のドミノを倒さないと、状況は変わらないのだ。

もちろん今の段階でも、自分の実力で活躍している女性は多数いる。しかし、そういう方たちの奮闘ぶりを見るにつけ、多くの女性は「私には無理」と尻込みしてしまうのが実情だ。それが「管理職になりたくない女性」を生み、女性管理職を増やさなければと焦る経営者たちを悩ませる結果にもなっている。

FacebookのCOOであるシェリル・サンドバーグ氏は著書『リーン・イン』の中で、男性よりも女性の方が自分の実力を過小評価しがちで、そのためにチャンスを逃していると訴えている。周りが差別をする気はなくとも、女性に自信がないせいで真の実力を評価されていない可能性が高いのだ。だとすると、これまでは男性の方が「下駄を履かされてきた」部分もあるはずだ。

また、男性が言えば簡単に受け入れられるようなことも、女性だからという理由で否定されたり無視されたりすることもある。自分に自信がある女性であっても、マイノリティの立場から自分の意見や権利を主張し続けるのは相当に骨の折れることだ。ある意味、優秀な女性の力が“無駄に”消耗させられているとも言える。

職場のリーダー層に女性の数が増えていけば、女性たちはもっと肩の力を抜いて、男性の真似ではない自分たちなりのやり方で力を発揮できるだろう。それこそが、真の「機会の平等」が実現した状態かもしれない。

ビジネスの環境も、先頭に立って引っ張っていくリーダーの時代から、みんなをサポートしてチームの力を引き出していくリーダーの時代へと変化の時を迎えている。女性の中には、後者のタイプのリーダーの方が自分に向いている、と思う人も多いだろう。また、家事や育児など仕事以外のこととの両立をうまくはかる働き方も、女性が先に切り開いていっている。ビジネスの世界に女性が増えることで、男性も学ぶことが多いはず。それが企業の競争力向上にもつながるのではないだろうか。

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