アマゾン保険からアマゾン薬局まで、医療エコシステムの刷新が始まった

アマゾン、JPモルガン・チェース、バークシャー・ハサウェイが共同で、100万人を超える従業員向けに医療保険を開発するという報道がなされた。アマゾンが得意とするデータ分析や独自の配送網の活用により、米国の医療システムはどのように変革されていくのだろうか。

アマゾン保険からアマゾン薬局まで、医療エコシステムの刷新が始まった

透明性に欠け、負担が増し続ける「医療コスト」への不満

米国における医療コストの高騰は甚だしい。過去5年だけでも、企業が負担する従業員の家族向け保険料は19%上昇している。1999年から2017年の間で比較したインフレ率や賃金上昇率がおよそ50%であるのに対し、従業員が支払う保険料は250%と爆発的な増加を見せた。約1億5000万人が、企業から提供される医療保険に加入している米国では、従業員一人あたり1万ドルが費やされているという調査があるほどだ。

大企業を中心に148社を対象とした調査では、医療コストの上昇に最も影響しているのは、糖尿病・ぜんそく・血友病・免疫系など、特定の症状に関する薬価だ。一回の治療で数千~数万ドルかかってしまう場合さえある。さらに、かかりつけ医、あるいは総合病院といった“処方された場所”によって薬価が変わる場合もあるため、医療システムの不透明さに不満が高まっている。

アマゾンら3社が挑む、医療コストの抑制

このような社会背景を受け米国の医療システムを変革するため、アマゾン、JPモルガン・チェース銀行、そして、投資会社バークシャー・ハサウェイが、共同して自社の従業員向けに独自の健康保険を立ち上げると発表した。一般の保険会社と異なって利益追求を目的とせず、企業の医療コストを低減し、従業員の福利厚生に資することを目的とする。

バークシャー・ハサウェイのCEOであり、伝説的な投資家でもあるウォーレン・バフェット氏は、「医療コストの増大は米国経済を蝕む寄生虫のようだ」と指摘した上で、「3社が持つ米国最高の人材を集結させ、患者の満足度と治療の効果を高めると同時に、医療コストの上昇を抑制できると我々は信じている」と語っている。