働き方改革「無視」の建設業、国土交通省は変えられるのか

国土交通省は3月20日、建設業における働き方改革を加速させるため、3つの分野における新たな施策をパッケージとしてまとめた「建設業働き方改革加速化プログラム」を策定したと発表した。

働き方改革「無視」の建設業、国土交通省は変えられるのか

進む働き方改革。国土省も3つの施策を策定

現在、国内では「働き方改革」が進められている。これは、少子化が進む中、今後も人口1億人を維持し、企業だけではなく、家庭や地域でも誰でもが働けるようになることを目指したもの。安部晋三首相は、「一億総活躍社会」を掲げ、これの推進を進めている。

長時間労働の改善や働きやすい環境づくりなど、政府の後押しの中、働き手だけではなく、企業側や雇用者側の関心も高く、今や国をあげての施策として、取り組みが進められている。

今回、国土交通省では、「働き方改革」を受け、建設業働き方改革加速化プログラム」を策定した。この中で、今後、長時間労働の是正給与・社会保険生産性向上の3つの分野での取り組みを進めていくとしている。

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働き方改革が進んでいない建設業

まず、建設業での働き方改革の現状をみてみよう。

出典:建設業における働き方改革 国土通産省

このグラフ「実労働時間及び出勤に数の推移」からもわかるように、建設業の年間労働時間は2016年度2,056時間、他産業は1,720時間と大幅に長いことがわかる。

出典:建設業における働き方改革 国土通産省

また、グラフ「建設業における休日の状況」をみると、建設工事全体では、約64%が4週4休以下で就業している状況がわかる。

このように、建設業では、未だ働き方改革がほとんど進められていない状況となっている。これを受け国土交通省では、3つの施策を打ち出した。その3つとは1.長時間労働の是正に関する取組、2.給与・社会保険に関する取組、3.生産性向上に関する取組、である。

長時間労働の是正に関する取組

これについては、「週休2日制の導入を後押しする」という。公共工事における週休2日工事を大幅に拡大するとともに、週休2日の実施に伴う必要経費を的確に計上するため、労務費などの補正の導入、共通仮設費、現場管理費の補正率の見直しを行う。

また、「各発注者の特性を踏まえた適正な工期設定を推進する」。これについては、長時間労働とならない適正な工期設定を推進するため、各発注工事の実情を踏まえて「適正な工期設定等のためのガイドライン」を改訂する方針だ。

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給与・社会保険に関する取組

これについては、「技能や経験にふさわしい処遇(給与)を実現する」方針だ。 技能者の資格や現場の就業履歴などを業界横断的に登録・蓄積する建設キャリアアップシステムの今秋の稼働と、おおむね5年でのすべての建設技能者(約330万人)の加入を推進する。

また、技能・経験にふさわしい処遇(給与)が実現するよう、建設技能者の能力評価制度を策定する。さらに、能力評価制度の検討結果を踏まえ、高い技能・経験を有する建設技能者に対する公共工事での評価や当該技能者を雇用する専門工事企業の施工能力などの見える化を検討するという。

さらに、「社会保険への加入を建設業を営む上でのミニマム・スタンダードにする」ことについても取り組む。社会保険に未加入の建設企業は、建設業の許可・更新を認めない仕組みを構築する。

生産性向上に関する取組

これについては、「生産性の向上に取り組む建設企業を後押しする」ことに取り組む。中小の建設企業による積極的なICT活用を促すため、公共工事の積算基準などを改善する。

また、「仕事を効率化する」ことにも取り組む。工事書類の作成負担を軽減するため、公共工事における関係する基準類を改定するとともに、IoTや新技術の導入などにより、施工品質の向上と省力化を図る。

そして、「限られた人材・資機材の効率的な活用を促進する」取り組みについては、現場技術者の将来的な減少を見据え、技術者配置要件の合理化を検討する方針だ。