建設業の働き方改革、国土交通省の新プログラムでテコ入れなるか

国土交通省は2018年3月20日、建設業における働き方改革を加速させるため、3つの分野における新たな施策をパッケージとしてまとめた「建設業働き方改革加速化プログラム」を策定したと発表している。(初回掲載日:2018年3月29日)

建設業界の「働き方改革」週休2日は非現実的なのか

しかしアンケート調査によると、「週休2日は困難」だと回答した人が約7割にものぼる。政府の方針と現場のリアルな声との間には、大きな開きがあるのではないだろうか。

主な理由は、「工期が間に合わない」。そして「給料が減る」とリアルな実情が浮かび上がる。建設業界では一人親方とよばれる個人事業主として働く方も少なくない。休みが増える、つまり稼働日数が減ることは収入減に直結するのだ。

しかも、現場に出てからの経験がものをいう業界だ。「休みよりも経験が欲しい、お金が欲しい。」そんな声を無視し働き方改革が断行される弊害にも目を向けて議論を進めるべきではないだろうか。

実際、同アンケート調査によれば「週休2日の選択制」についても4割以上が指示している。

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テクノロジーで「働き方改革」を進める事例も

若者から見ても魅力的に業界にしたい、建設業界で働く人をもっと豊かにしたい、とテクノロジーの活用で建設業界の働き方改革を進める企業もある。新潟県の小柳建設だ。

同社はマイクロソフトホロレンズを活用し、建設現場へのMR(複合現実)導入に踏み切った。通信環境や法整備の問題もあり、現在は土木工事においてのみ実証実験を完了しているというが、計画から施工、竣工、メンテナンスに至るまで一元的に3Dデータを管理し、遠隔で建設現場や図面データを共有しながら会議を行えるシステムを構築している。

また、大成建設では、5Gを活用し建設機械を遠隔操作する検証実験などをソフトバンクとともに実施しており、2020年以降に建設現場で活用できる状態を目指すという。

建設業において、現場間を行き来する時間は他業界では考えられないほど膨大だ。こうした技術の活用が進めば、必要な時だけ現場に行けばよいという働き方が、建設業界でも当たり前になるかもしれない。

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建設業界の「働きやすい企業ランキング」

グローバルウェイが運営する企業口コミ・給与明細サイト「キャリコネ」 によると、竹中工務店、鹿島建設、大林組らが建設業界において働きやすい企業上位にランキングした。

育児休暇取得の支援や長時間労働の是正、イクボスの育成など、各社さまざま。下請けの多重構造を視野に入れ、清水建設では取引先の1次協力企業が4週8休(完全週休2日)を実施した場合、労務費に対して10%加算する取り組みをはじめている。

1位の竹中工務店では、男性の育児休暇取得率向上にも意欲的。モバイルワークの推進など働きやすさだけではなう、働きがいを意識した働き方改革を行なっていることは他業界からも参考になる点が多いはずだ。

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