xR(AR/VR/MR)領域での「共創」が日本でもスタート

3月27日、Microsoft Azure をプラットフォームとする IoT プロジェクトの共同検証やノウハウ共有を行なっているコミュニティ「IoTビジネス共創ラボ」による、初となるxR(AR/VR/MR)ワーキンググループ勉強会が開催された。

xR(AR/VR/MR)領域での「共創」が日本でもスタート

世界的に広がる「共創」の潮流が、日本でも活発に

海外のスタートアップを中心に「共創」の潮流が広がりつつある。コワーキングスペースで有名なWeWorkは、WeWorkに隣接する形でコリビングスペースWeLiveを展開しており、社会的な新たなコミュニティやエコシステムを形成している。

ハードのシリコンバレーと呼ばれる中国の深センでも、バイドゥ・アリババ・テンセントなどがチャレンジャブルな若手スタートアップを多数輩出して強力に支援。我も我もと「共創」するBATH系人材が新たなビジネスを生み出している。

日本にも、「共創」に主眼を置き、活発に活動を行なっているコミュニティがある。日本マイクロソフトが事務局となり発足した「 IoT ビジネス共創ラボ」だ。

IoTの適用範囲は広い。1社で持っている技術やサービスだけでは、新たな付加価値やビジネスを創出するハードルが高い。しかしIoT ビジネス共創ラボが媒介となり、IoTのエキスパートによるエコシステムの構築し、プロジェクトの協同検証によるノウハウ共有、先進事例を共創できれば、IoTをより推進することが可能になるという。

IoT ビジネス共創ラボとは

IoT ビジネス共創ラボとは、日本マイクロソフトが東京エレクトロン デバイス(幹事会社)やユニアデックス(副幹事会社)と協力し、IoTビジネスの普及と拡大を目的として立ち上げたコミュニティだ。IoT/ビッグデータ領域の多様な産業のエキスパートが集まり、Microsoft Azure をプラットフォームとする IoT プロジェクトの共同検証やノウハウ共有を行なっている。

2016年に発足して以来、業種カットあるいはテクノロジーカットでワーキンググループごとに活動、数々の事例を「共創」してきた。このほど、8つめとなる「xR(AR/VR/MR)ワーキンググループ」として初となる勉強会が開催された。

xR(AR/VR/MR)ワーキンググループのリーダー企業の1社であるホロラボ CEO 中村薫氏は、「新しいことをやろうとするときに、事例を求めるというのもおかしな話だが」と会場を和ませつつ、「IoTとxR(AR/VR/MR)を活用して新たなビジネスに挑戦するにあたり、参考となる事例を求められたとき、ここにくればそれがある、という場にしたい」とxR(AR/VR/MR)ワーキンググループ発足に対する意欲を示した。

xR(AR/VR/MR) × IoT で変わる「働き方」

勉強会では、xR(AR/VR/MR) グループのリーダー企業であるユニアデックスとホロラボ、また参加企業7社からそれぞれスピーカーが登壇。主にマイクロソフトのMRデバイス、HoloLens(ホロレンズ)を活用したPoCや事例が紹介された。

xR(AR/VR/MR)とIoTを組み合わせて活用することで、未来の働き方がどのように変わっていくのか、可能性をリアルに感じられる事例が数多くあった。ここでは筆者が印象に残った事例を2つ紹介する。

たとえば温湿度可視化システムの事例では、IoTを活用して収集したビッグデータの可視化方法が従来とは全く異なることが示された。

いま私たちは取得したデータを分析・解析したり情報を可視化する際、「ディスプレイ」に縛られている。取得できるデータ量は増え続けているにも関わらず、情報の可視化方法は、各種グラフなどの2D情報として加工するにとどまっている。

それがホロレンズを着用することで、現実空間のどこで温湿度がどのように変化しているかというデータを視覚的に把握できるようになる。MRとIoTを組み合わせて活用することで、データをどのように見せるか、空間を利用する価値が出てくるというわけだ。

また医療領域の事例では、ベテラン医師が患部をどの角度から見たときに何に気づけたのかを立体的な情報として可視化できることや、その情報を遠隔地にいる別の医師と共有することも可能であることが明らかになった。立体的な情報をリアルタイムで遠隔共有できれば、手術前の事前相談や指導も可能となる。

立体的な情報の可視化、物理的な距離を超えた情報共有、スクリーンレス化が引き起こす行動変容…。今回紹介した2つの事例を踏まえただけでも、未来の働き方がいかに大きく変わるかが容易に想像できる。