CEOとの意識のズレが、投資家の不安を増大させる「グローバル投資家意識調査2018」PwC

PwCは3月27日、世界の投資家663名に対し、投資先企業あるいはフォローしている企業に関する調査を行った。そこから見えた、投資家たちが重要視するもの、企業CEOとの意識の差について考察していく。

CEOとの意識のズレが、投資家の不安を増大させる「グローバル投資家意識調査2018」PwC

テクノロジーの進化とともに、ビジネスや産業構造にも変化が進んでいる。そして、そうしたビジネスの基礎を作っているといっても過言ではないのが、企業と投資家の関係だ。投資なくして企業の成長はあり得ないからだ。

そこで27日発表された「グローバル投資家意識調査2018」の結果に注目したい。同調査はPwCが96か国663名の投資家に対し、オンラインやインタビューなどの結果からまとめたものである。

同調査によると、これからの見通しについて、投資家の54%が「世界経済の成長率が高まる」と考えているという。これは2017年から9%増加しており、経済全体に対する見方は楽観的だといえる。一方で、個別の企業に対しては「今後12か月の売り上げ拡大」に非常に自信があると回答した投資家は4分の1未満であった。企業の売り上げに対して、信頼を持ちきれない背景には何があるのか。

ビジネスにおける最大の脅威は「サイバー攻撃」

まず、企業の成長に対する脅威について質問した結果に注目する。

投資家たちがもっとも脅威と感じているのは「サイバー攻撃」41%であった。2017年は5位だった項目であり、サイバー攻撃に対する懸念が急激に高まっていることを示している。

また、他の脅威としては「地政学的な不確実性」39%、「技術変化のスピード」37%、「ポピュリズム」33%、「保護主義」32%と続いた。※数字は非常に懸念していると回答した割合

サイバー攻撃に関しては、日本においても、東京五輪にむけてますます脅威が高まっているといわれている。DDoS攻撃など、特定が難しい手口も出てきており、企業にとってもリスクが大きいと投資家はみているようだ。サイバー攻撃対策への優先度を高めていくことが、投資家からの信頼を勝ち取るカギといえそうだ。


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投資家とCEOの意識のズレが、投資家の不安を増大させる

市場における破壊的変化がビジネスにもたらす影響についても質問している。それによると、上位は下記項目となった。

●生産やサービス提供におけるコア技術の変化(AI、ロボティクス、ブロックチェーンなど)
●消費者の行動変化
●流通チャネルの変化 

PwCは2017年に実施した「CEO意識調査」の中でCEOにも同じ質問をしているが、投資家と比較するとそこには明らかな差異がある。CEOたちは自社の競合先の増加や消費者行動には意識が高く、生産やサービス提供におけるコア技術の変化は次点であった。

またデジタル時代における企業の人材戦略についての質問で、投資家とCEOの差が最も大きかったのは「ロボティクスやAIがどのように顧客体験を向上させるかを明確に理解するべきである」という項目だった。

テクノロジーの進化による大きな社会変革の中で、投資家たちは企業のデジタル戦略を重視している。しかしその要望に必ずしも企業が答えることができていない現状が、投資家の不安を増大させているのかもしれない。