ブロックチェーン「無視」が、すべての企業にとって危険なワケ

ガートナー ジャパンは4月5日、ブロックチェーンへの取り組み状況に関する調査結果を発表した。それによると、ブロックチェーンへの注目度は高いものの、また、取り組んでいない企業や使い方が分からないという企業も多数あることがわかった。

ブロックチェーン「無視」が、すべての企業にとって危険なワケ

「ブロックチェーン」に対する企業の意識とは?

ビットコインに代表される仮想通貨の取引高の増加に伴い、「ブロックチェーン」技術が注目を集めている。ブロックチェーンは、これまでの特定の第三機関がデータを管理する中央集権型と異なり、世界中に点在するパソコンそれぞれにデータを置き、それぞれをつなぐネットワークを作るという、分散型コンピューターネットワークという技術である。

では、なぜこの技術が注目を集めているかというと、あるデータを悪用、あるいは壊そうという者がいたとしても、世界中のパソコンを操作しない限り、それはほぼ不可能だからである。

ガードナーは従業員数500人以上の日本企業を対象として、2018年2月にブロックチェーンへの取り組み状況に関する調査を実施した。それによると、42.6%の企業がブロックチェーンに何らかの形で取り組んでいることが明らかになった。

以下で詳しくみていこう。

問題は未だ取り組んでいない企業が39.4%もあること

まず、下のグラフを見て欲しい。調査によると、42.6%の企業が、調査など初期的なものも含め、ブロックチェーンに何らかの形で取り組んでいることが明らかになった。

しかし、一方で取り組んでいないと回答した企業は39.4%もあった。そして、その他/分からないと回答した企業は13.4%という結果になった。

出典:プレスリリース

これについて、ガードナーでは、「新しいテクノロジ群の一角を占めるブロックチェーンへの理解や試行を進めようとしないIT部門のほとんどが、2021年までに自社のデジタル・ビジネスに向けた活動をリードできない状況に陥る」と展望している。これからすると、未だに取り組んでいない企業が約5割もあるという現状は問題だ。

さらに、ガードナーは「2023年までに日本企業の3割以上が、海外の大企業もしくはテクノロジに強みを持つグローバル企業が作り上げるブロックチェーンを用いたデジタル・プラットフォームの影響を受けるようになる」との展望も示しており、ブロックチェーンを無視するのはすべての企業において危険だと言える。


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ブロックチェーンへの取り組みを小さくても開始すべき

ブロックチェーンは、今後、企業にとって運営側、参加側ともに、多大なメリットがあると考えられる。それには、現段階から取り組みを進めるべきだろう。

この状況について、ガートナー ジャパン リサーチ&アドバイザリ部門バイス プレジデントの鈴木雅喜氏は、「ブロックチェーンへの注目度は高いものの、多くの企業がブロックチェーンのテクノロジとその特徴やメリットの理解に苦慮している状況を踏まえると、短時間でのキャッチアップは難しく、体験を重ねなければ理解も進まない。ブロックチェーンを無視するのは、すべての企業において危険なこと。企業は、ブロックチェーンへの取り組みを小さくても開始すべき。まずはブロックチェーンへの理解を社内に広げて、機会/リスク分析を進め、社内外に向けた活用機会を探索していくことが望ましいと考える」とコメントしている。

今後、ビジネスはどんどんデジタル化が進むだろう。それに対応するには、ブロックチェーンをベンダーに頼ることなく、社内での理解を進めていくことが必要だ。今後の企業の命運は、ブロックチェーンにどう取り組むかにかかっていると言っても、過言ではない。