約6割の派遣スタッフが、無期転換「希望する」ワケ

ヒューマンリソシアは3/16、働き改革や無期雇用転換など労働関連法に関して、派遣スタッフの実感調査を実施しその結果を発表した。

約6割の派遣スタッフが、無期転換「希望する」ワケ

派遣スタッフは、働き方についてどう感じているのか?

ヒューマンホールディングスの事業子会社で人材サービス事業を展開するヒューマンリソシアは、20~40代の派遣で働いている(または、働いていた)女性937人を対象に、働き方改革と労働関連法に関する実感調査を行った。

調査によると、現在の派遣としての働き方に満足している人は45%、不満であるとした人は25%。4人に一人がなんらかの不満をもっていることがわかった。

派遣を選んだ理由を満足度別でみると、派遣に満足している人は、「時間や期間」、「時間や時間帯」、「勤務地」、「残業の有無」などの働く条件や、「職場の人間関係や組織に拘束されない」など、メリットとして、働き方を自分自身で選べることを挙げている。

一方、派遣という働き方に不満を感じている人は、「すぐに仕事に就ける」、「正社員の仕事が決まらない」など不本意ながら派遣を選択した傾向が見える。

また、政府が進める働き方改革については、「影響・変化があった」とした人は全体の1割強であったのに対して、派遣スタッフの9割近くが、「影響・変化はない」と回答している。

出典:プレスリリース「働き方改革による影響・変化があるか」

変化を感じた人たちは、「残業が減った」、「休みがとりやすくなった」が、「業務量が増えた」、「賃金が減った」と答えた。残業が減り休日が取りやすくなったが、賃金が減り、業務が増えたと感じていることを示している。

政府が進める働き方改革への期待感を問うたところ、良くなると期待した人が全体の29.1%、逆に良くなるとは思わないと回答した人が27.3%と、期待する人としない人の数が拮抗した。どちらとも思わないと回答した人は、43.6%で、一番多くを占めた。

働き方改革が本質的な改善になっていないという指摘はよく聞かれるが、派遣スタッフにおいても、実感値や期待値は低いようだ。

4月以降本格化する無期雇用転換について、派遣スタッフはどう見ているのか?

2012年4月に労働契約法が改正され、その中に無期労働契約への転換に関する条文が盛り込まれた。これは、1回以上雇用契約を更新し、通算した雇用契約期間が5年を超える有期契約労働者が、無期雇用契約への切替を申し込むと、次の契約更新のタイミングから無期雇用契約が成立するというもの。

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有期雇用の派遣スタッフは、自身の働き方に大きく影響するだろう改正労働契約法と改正労働者派遣法について、「内容を知っており、自分に関係する」とみている人は、30.6%にとどまった。

「聞いたことがある程度」34.7%、「知らない」22.6%、「内容を知っているが、自分には関係ない」12.1%と全体に関心が低いことがわかった。

これらの法改正が何らかの影響、変化を引き起こしたかとの質問に、あったと答えた人が約3割いた。「派遣では長期で働けないと不安に感じた」、「別の派遣元、派遣先を探し始めた」など、雇用の継続に不安を感じさせている実態が明らかになった。

出典:プレスリリース「無期雇用転換の申込み権利を得た場合、無期雇用化を希望するか」

 

上図は、改正労働契約法による5年無期転換ルールにより無期雇用の権利を得た場合、無期雇用化を希望するかと聞いた回答である。

「条件によって希望する」が62.9%を占めたのに対して、「希望する」23.7%、「希望しない」7.1%となった。

出典:プレスリリース「無期雇用化を希望する理由」

「希望する」と回答した人の理由では、「雇用が安定すると思う」、「ボーナスが支給されると思う」「交通費が支給されると思う」など待遇改善への希望が込められている。

「条件によって希望する」人は、「賃金が上がれば」「ボーナスが支給されれば」など金銭面への期待感が大きいことを示した。さらに、「今の派遣先で働き続けられるのであれば」、「職種が変わらなければ」など安定雇用への要望も強く示された。

「希望しない」理由は、「これからも今の派遣先で働けるかわからない」、「派遣先(配属先)が選べるかどうかわからない」、「責任が増えそう」、「ボーナスが支給されるかわからない」などが挙げられた。