良品計画決算は最高益更新、経常利益は459億円【2018年最新版】

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良品計画は4月12日、2018年2月期の決算を発表した。営業収益は前期比113.9%の3,795億円で、15期連続増収、7期連続営業増益により最高益を更新した。
良品計画決算は最高益更新、経常利益は459億円【2018年最新版】

良品計画が2018年2月通期決算を発表

無印良品国内販売事業、飲食事業、キャンプ事業、住宅販売事業、IDEE事業などを手がける良品計画は4月12日、2017年度決算概要を発表した。グループ連結での営業収益は前期比113.9%の3,795億円で、15期連続の増収。営業利益は同118.3%の452億円となり、7期連続の増益で過去最高益を更新、絶好調だ。

良品計画では、増収増益の要因に以下の3点を挙げている。

  • 国内では、夏期・冬期それぞれで異なる商品が好調だった衣類・雑貨が売上をけん引、粗利率の大幅改善も業績の底上げに貢献
  • 新規出店、既存店の改装を行ったアジア・中国では、価格見直しによって生活雑貨の販売が伸長
  • 倉庫移転を実施した欧州では、一時的なコスト増が落ち着きを見せ、物流費も低減

積極的な新規出店を行った北米では一時的にコストが嵩んだようだが、グループ全体でそれをカバーする好調さを維持していたことが伺われる。

良品計画国内事業は営業総利益率が大幅に上昇

良品計画の国内事業に目を向けると、営業収益が前期比108.8%の2,347億円と堅調に推移している。さらに注目すべきは、前期比130.1%の285億円を記録した営業利益だ。営業総利益率が前期比114.3%と大幅に上昇し、店舗環境改善に必要な営繕費増加を吸収できた。

国内出店実績は純増が1店舗にとどまり、客単価は前期比100.6%とほぼ横ばいにもかかわらず、こうした業績を記録した要因には、前期比106.1%となった客数増加も貢献していそうだ。

この客数増加には、国内で1,100万突破、中国でも379万を超えるダウンロード数を誇るスマートフォンアプリ「MUJI passport」の存在がある。アプリからの新商品、価格施策、店頭イベントの告知などで、店舗客数増に貢献した。今後はSNSやWebも活用し、実店舗との融合を加速させていく考えだ。

東京五輪に向けて拡大するインバウンド市場、訪日外国人客向けの免税販売も抜かりはない。免税対応店舗は85店舗まで増やした。

良品計画海外事業は中国はじめ「東アジア」がけん引

良品計画海外事業も好調だ。営業収益は前期比123.1%と高い伸びを示し、1,447億円を記録。けん引役は中国を含む「東アジア」だ。

東アジアの営業利益は前期比102.5%の168億円で増収増益を達成。グループ全体の37%にあたる利益を生み出している。これは、主力店の閉鎖が影響した香港を除き、既存店の売上が堅調に推移したこと、40店舗の純増となった新規出店実績、中国での店舗改装などの効果が要因だと考えられる。

積極的な海外事業展開を進める良品計画では、事業拡大の柱とすべく、2017年度も世界各地で旗艦店をオープンさせた。アジア最大面積を誇るシンガポールの「MUJI Plaza Singapura」や、カナダ最大面積の「MUJI Robson Street」が含まれるが、注目は中国でオープンした「MUJI ShenZhen UpperHills」だろう。

MUJI ShenZhen UpperHillsは、世界初となる良品計画のホテル「MUJI HOTEL SHENZHEN」が併設され、MUJI Dinerでの飲食とあわせ「衣食住」を体感できる空間となっている。

海外店舗数が国内の店舗数を超えた現在、良品計画のグローバル化はますます加速していくはずだ。

海外で躍進の良品計画、さらなるグローバル化推進計画

しかし、グローバル化に伴って店舗数を拡大していくだけでは、収益を増やすことはできても利益を最適化することは難しい。グローバル化を推進していくには、利益を最適化する計画が必要だ。

たとえば、小売で季節ものの商品を扱う場合、最適なタイミングで、適切な量の魅力的な商品を仕入れる必要がある。このバランスが崩れると、売りたいときに商品がない、在庫過多で値下げせざるを得なくなるといった事態に陥ってしまう。

良品計画ではこれを最適化するため、経営計画・商品計画・販売計画・生産計画の正確性を高め、発注を連動させることで「店頭値下率を下げる」「在庫の回転率を上げる」をグローバルで実行する「グローバルサプライチェーンマネジメント向上」と「グローバル価格差縮小」の実現を中期経営計画として掲げている。

もちろん、それを実行するための人材育成も欠かせない。いつでもどこでも働ける環境を実現する、公平で透明な制度を目指し、世界15か国で運用開始された「グローバル人事制度」も重要な中期経営計画だ。

2018年度は、制度運用の支援・検証となるが、グローバル共通の福利厚生・保険制度の検討や、インセンティブプランの導入などにも力を入れていく方針だ。

収集データを可視化するSaaS型サービス活用

良品計画が、継続的な成長のために掲げる中期経営計画には、上述の旗艦店を含む、国内外の新規出店や既存店舗改装・大型化が挙げられており、すでに実行にも移されている。

だが、投資というリスクを伴うこうした施策では、そこに充分な商圏があるか、顧客ニーズはどのようなものかを把握しなければならない。そのためには、正確な判断をするためのデータ収集が必要になる。

ビッグデータを形成するMUJI passport

2013年に提供開始されたスマートフォンアプリ「MUJI passport」は、新商品・キャンペーン・イベント告知などの発信にとどまらず、会員機能やポイント機能、さらにはスマートフォンの位置情報取得機能を持ち、それらから顧客の行動データが収集可能だ。

つまり、国内だけでも1,100万ダウンロード以上を誇るMUJI passportは、集客支援だけでなく、ビッグデータ形成の素地を持っていることになる。必然的に、これを有効活用するためのツールが求められていたわけだ。

顧客行動を可視化するMotionBoard Cloud

もちろん、蓄積されたデータを分析するツールは以前から使われていたが、分析に専門知識が必要、コストが見合わないなどの難点があり、充分に活用されていたとはいえなかった。

これを解決すべく、2016年に導入されたのが、SaaS型BIツール「MotionBoard Cloud」だ。

MotionBoard Cloudでは、店舗で商品を購入した顧客がどのような行動をした結果、購買までいたったのかを、年代や性別、エリアなどの切り口で地図上にプロット可能となり、これまで感覚的にしか把握できなかった商圏サイズや特性などを、ひと目で確認できるようになったのだ。

ビッグデータを活用した正確性の高い商圏分析が可能になったことで、既存店の最適化や大型化だけでなく、海外旗艦店出店にも大きな効果が期待できる。