「リーダーシップ」をとれる人材が不足している日本企業の実態

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ガートナー ジャパンは4月24日、日本のテクノロジ人材のスキルについて調査結果を発表した。それによると、改善したい人材のスキルのトップはリーダーシップであることが明らかになった。
「リーダーシップ」をとれる人材が不足している日本企業の実態

「リーダーシップをとれる人材不足」への対策打てず

この調査は、ガートナーが2011年から行っているもので、国内のユーザー企業の動向を定量的側面と定性的側面の両方から調査したもの。調査内容は、クラウド、AI 、IoT などのテクノロジの利用状況や、企業や組織の課題、将来の方向性、人材のスキルなど多岐にわたっている。

まず、テクノロジ人材 (ITインフラ関連組織の人材) のスキルに関する課題を、従業員数500人以上の日本企業に聞いた。

出典:プレスリリース

その結果、改善したい人材のスキルのトップは「リーダーシップをとれる人材が不足している」で30%だった。以下、英語(リーディング)が弱い23%、グローバル・レベルで活躍できるエンジニアのスキルがない23%、英語(スピーキング、コミュニケーション)が弱い22%と続いた。

同社によると、「リーダーシップをとれる人材が不足している」は5年連続でトップだという。これにより、日本企業がテクノロジ人材のリーダーシップ不足を深刻な課題とわかってはいるが、具体的な改善策をとれていないことがわかる。

この状況について同社は、日本は欧米に比べて、リーダーシップ・スキルを育成しにくい環境にあるとしており、その要因は日本の文化や慣習に起因すると分析している。


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人材だけではなく時間や予算も改善が必要

出典:プレスリリース

また、人材育成上の懸念や困っていることについても尋ねた。その結果が図2である。トップは「技術変化に対応できるトレーニングが整備されていない」で66%だった。以下、制度(たとえばメンター制度)が61%、教育できる先輩(人材がいない)が58%、人材育成のための時間が少なすぎるが56%と続いた。

これについて同社は、企業が改善を必要としているのは「人、時間、予算」という基本的なものだとしている。今後の企業は、これらの不足を必要以上に改善し、余裕がでたらそれらを次のビジネスにつながる人材投資に回すというシステムの構築を提言している。

人材育成に充てる時間や予算を確保するためには、組織全体での生産性の向上が不可欠だ。ましてや「リーダーシップをとれる人材」を育成するためには、マネジメント層こそその対象ではないだろうか。

生産性向上を目的とした働き方改革がさけばれて久しいが、実は働き方改革を丸投げされて「ボスジレンマボ」を抱える中間管理職が9割にものぼるというデータがある。まずは、管理職と向き合うことからはじめることが必要なのではないだろうか。