日本初、ドローンレースのプロチーム「RAIDEN RACING」がドローンチャンピオンズリーグ(DCL)に挑戦

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記事の情報は2018-04-26時点のものです。

4月25日、日本初となるプロフェッショナルドローンチーム「RAIDEN RACING」が発足し、ドローンレースの世界最高峰「ドローンチャンピオンズリーグ(DCL)」に日本チームとして初めて参戦することを発表した。会場にはCo-Founderである実業家 堀江貴文氏が応援にかけつけ、司会はドローンエヴァンジェリストとしても活躍中の西脇資哲氏がつとめた。
日本初、ドローンレースのプロチーム「RAIDEN RACING」がドローンチャンピオンズリーグ(DCL)に挑戦

ドローンレースとは

「新しい空のスポーツ」と称され、欧米をはじめ世界で注目を集めるドローンレース。2018年からは世界中に広がり、F1のような世界的なスポーツになるだろうとも言われている。

日本では電波法などの法律的な課題があり、スポーツとして発展するには時間がかかるといわれているが、ホビー・趣味のジャンルでは多くの愛好家がドローンレースに参加している。

日本初、ドローンレースのプロチーム「RAIDEN RACING」に堀江貴文氏も期待

「ドローンレースは新しい産業として、これから何倍にも成長して行くとみられています。世界のドローンレース界やドローン産業から周回遅れになる前に、日本でもドローンレースのチームを組んで、世界に参戦したいと考えた」と語るのは、日本初のプロドローンレースチーム「RAIDEN RACING」を発足させたドローンスポーツCEO 小寺悠氏だ。一般社団法人ドローンレース協会の理事もつとめてきた、日本におけるドローンレースの立役者のひとりである。

「日本にも優秀なパイロットは数多くいて、メーカーさんからスポンサーを受けているパイロットもいます。今回は日本チームとして初めて、ドローンレースの世界最高峰であるドローンチャンピオンズリーグ(DCL)に挑戦し、日本におけるドローンレースの認知も高め、新しい産業をつくっていきたい」(小寺氏)

Co-Founderである実業家 堀江貴文氏も、「ドローンレースはEスポーツとして、世界で大きく発展することは間違いないと考えてずっと応援してきた。テクノロジーが進化し、人間の働く時間が少なくなっていくことを考えると、時間の使い方の向かい先はエンターテイメントやスポーツになる。将来的なリターンが見込めるドローンレースは投資対象としてもすごく面白い」と“飛行するロボット”であるドローンに期待をのぞかせた。

世界最高峰「ドローンチャンピオンズリーグ(DCL)」とは

RAIDEN RACINGが参戦を表明した「ドローンチャンピオンズリーグ(DCL)」は、ヨーロッパ最高峰のリーグだ。ドローンレース産業を欧米がリードしていることを考えると、業界のリーダーといって過言ではない。

はじまりは2016年、オーストリア・ロイテで行われた大会。翌2017年にはパリ・シャンゼリーゼ通りでの大会を皮切りに世界転戦リーグを始動した。レースの様子は、世界76か国で放送され、累計視聴者は1.1億人にものぼるという。

今シーズンは6か国全12戦の開催予定だ。新しく4か国が初開催国として名を連ね、アジア圏では中国北京の万里の長城で初開催予定。RAIDEN RACINGが挑戦するドローンチャンピオンズリーグ(DCL)は、新スポーツ・ドローンレースにおいて世界で最も知名度の高い大会なのだ。

プロドローンレースチーム「RAIDEN」パイロットは、4人中3人が10代

世界に挑む、日本初プロドローンレースチーム「RAIDEN」。4人のパイロットのうち3人が10代だという。13歳の現役中学生が2人も、プロレーサーとして在籍している。

最年少パイロットである鈴木匠選手は、「海外のレースに行くからには世界一を目指して頑張っていきたい」と意気込みを見せる。同じく13歳であるアクセル マリオ選手はインドネシア人の現役中学生。日本大会への参戦経験があり日本人パイロットとの交友が深いだけでなく、世界2位の実績を持つ。外国人初となるRAIDENパイロットだ。

17歳の現役高校生パイロットで、「ドローンクラッシャー」の異名を持つのは阿佐見和馬選手。「昨年1年だけで約100機のドローンをクラッシュさせたけれど、それは今年で終わりにしたい。丁寧な飛行を目指します」と抱負を語り会場の笑いを誘った。

1機5万円はくだらないドローンレース機を100機もクラッシュさせるとは、親泣かせ(?)な話だが、ドローンレースという新しいスポーツにはそれだけ若いエネルギーを熱中させる魅力があるのだろう。

また13歳の鈴木選手は、ドローンレースデビュー1年目にして国内5本の指に入るパイロットにのぼりつめたという。ものすごい成長曲線だ。司会をつとめたドローンエヴァンジェリスト西脇資哲氏は、「13歳の少年がぐんぐん力をつけて世界で戦う。みんなで応援したいですね」と笑顔で会場に語りかけた。

RAIDENキャプテンをつとめるのは、2017年シーズン年間ランキングでチャンピオンに輝いた「日本最速」の男、後藤純一選手だ。(ちなみにドローンレースでは時速150〜200kmの速度で機体を飛行させる。)

「ドローンレースは日本ではまだ全然認知されていないスポーツですが、RAIDENが世界に挑戦して実績を残していくことで、ドローンに興味を持つ人が増えることを願っています。海外の大きな舞台で戦うことや、チームで戦うことについても、未経験からのスタートなので、勝つための戦略を立てるスキルが不足していますが、ひとつひとつ課題を明確に設定して、最終的に優勝という結果につながっていけるよう頑張ります。」(後藤選手)

10代という“やわらかい”時期に世界に挑戦し、その経験を10代以下の選手にも伝えてゆくことで、チームの総合力向上を図る。新しいキャリア教育がここにあるといえるのではないだろうか。