さくらインターネットの決算売上高は前期比122.0%の170億円、VPS・クラウドサービス好調【2018年最新版】

最終更新日: 公開日:
データセンター事業を手がけるさくらインターネットは4月26日、2018年3月期の決算を発表した。売上高は170億円で前期比122.0%を記録するも、積極的な成長投資で減益となった。
さくらインターネットの決算売上高は前期比122.0%の170億円、VPS・クラウドサービス好調【2018年最新版】

さくらインターネットが2018年3月通期決算を発表

ハウジング、レンタルサーバー、VPS、クラウドサービスなどのデータセンター事業を手がけるさくらインターネットが4月26日、2018年3月通期決算を発表した。昨今の経営データの肥大化傾向が追い風となり、売上高は前期比122.0%の170億円と大幅な成長が確認できるものであった。営業利益は前期比26.7%減の7.4億円、純利益は前期比36.3%減の3.6億円となり、結果的には増収減益だった。

売上高成長の背景には良好な市場環境も影響しているが、画一的になりがちなデータセンター事業において、多角的なサービスを展開するさくらインターネットが、多方面に渡る取り組みを続けてきたことが大きい。

VPS・クラウドサービスでは新規顧客獲得、既存顧客の利用増を狙い、積極的な機能追加と営業努力を実施したことで、前期比25.3%増の売上高46億円を記録した。専用サーバーサービスではスーパーコンピューター案件の提供を開始した「さくらの専用サーバー」AI・ディープラーニングに最適な「高火力GPUサービス」など、顧客ニーズを多角的に捉えたラインナップにより、前期比28.2%増の売上高38億円を達成している。ハウジングサービスは競争激化が進み厳しい状況となっていたが、連結子会社化したアイティーエムの貢献により、前期比0.8%増の売上高24.8億円を確保した。

売上アップに寄与したのは、イベント・セミナーの実施、パートナー制度の推進など営業力強化だ。後述
する名刺管理ソフト「Sansan」導入がそれを下支えした。

一方、増収減益の要因となったのは、多角的なサービスを支えるエンジニア増員による人件費増、石狩データセンター3号棟稼働や本社移転などの経費増だ。しかしこれらは、さらなる成長を見据えた投資であり大きな問題にはならないだろう。

第4次産業革命を見据え、売上高成長を重視するさくらインターネット

売上高成長を重視し、積極的な投資を行っていく姿勢は今後も変わらない。これはAI、IoT、ビッグデータやロボット分野などの成長が見込まれる第4次産業革命を見据え、市場規模の拡大を取り込んでいくためだ。

すでに、AI・ディープラーニングの計算処理需要に応えるため「高火力GPUサーバー」を展開しており、新規の成長分野へのサービス拡充も計画されている。同時に、クラウド・ホスティングサービスの強化、パートナー・グループ企業との関係強化を行い、成長の基盤となる事業へも注力。

様々な分野におけるIT利用・投資が進むことによるデータ増加の受け皿として、同社は次期見込みを売上高204億円、営業利益12億円、純利益6.5億円とし、継続的な成長を実現するとしている。

多彩なサービスを展開するさくらインターネットのカギは営業力

データセンター運用だけでなく、多彩なインターネットサービスを研究・開発し、オールインワンで提供するさくらインターネットの成長には、営業力の強化が欠かせない。

サービス拡充のエンジンには、エンジニア増員で対応しているが、営業力強化には業務効率化も不可欠だ。そのために導入されたのが、名刺管理ソフト「Sansan」だ。

Sansanは、属人的な管理になりがちな名刺情報を一元化・共有することで、社外の人脈を可視化し、企業資産として活用できるシステムだ。名刺データの入力も簡素化され、効率的な管理が可能となる。

インバウンド営業が主体だったさくらインターネットが、Sansan導入を検討した目的は、アウトバウンド営業強化への営業戦略の変化だった。同社が必要としたのは名刺情報の一元管理・共有だけではない。集客力を強化するには、リードナーチャリングも必要だった。

その意味でのSansan導入効果は絶大だった。特に法人顧客が対象になる、新規事業やサービス立ち上げのセミナーやイベントでは、メール配信直後にキャンセル待ちが発生。集客力・営業力強化を現実のものとした。今後はさらにスピード感のある営業を推進していくという。