総合輸送グループ商船三井の決算、増収増益ながら事業再編損失を計上【2018年最新版】

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総合輸送グループ商船三井は4月27日、2018年3月期の決算を発表した。世界経済の回復傾向を背景に、売上高は前期比109.8%の1兆6,523億円、営業利益は前期比886.7%の226億円で増収増益となったが、事業再編損失を計上した純利益は473億円の赤字に転落した。
総合輸送グループ商船三井の決算、増収増益ながら事業再編損失を計上【2018年最新版】

総合輸送グループ商船三井が2018年3月通期決算を発表

海運事業を中心に、ターミナル・ロジスティクスサービスなどの総合輸送を手がける商船三井が4月27日、2018年3月通期決算を発表した。世界経済の回復傾向を背景に、売上高は前期比109.8%の1兆6,523億円、営業利益は前期比886.7%の226億円で増収増益となったが、事業再編損失を計上した純利益は473億円の赤字に転落した。

主力である海運事業のうち、業績に大きく貢献したのはドライバルク船事業だ。南米東岸積穀物が好調に推移したのに加え、鉱石の荷動きが旺盛でだった。売上高は前期比102%、営業利益は同129%を記録した。

反面、エネルギー輸送事業では主力となる石炭が好調に推移したのに対し、OPEC加盟国減産の浸透を背景にした原油船が前年水準を下回り、増収ながらも営業利益前期比49%減に終わった。

製品輸送事業は最終的には赤字となったが、回復傾向。前期比121%の伸びを見せた、コンテナ船事業の売上高拡大が要因であり、自動車船とあわせ、赤字幅を大幅に改善したことが連結業績に貢献したといえる。

最終純利益473億円の赤字という最終純利益となったのは、そのコンテナ船事業で事業統合に伴う特別損失734億円を計上したためだ。しかし、コンテナ船事業統合はネガティブな要因ではなく、むしろ、将来的な成長に向けた価値ある判断といえ、商船三井の業績に一時的な痛みが伴ったに過ぎない。

コンテナ船事業統合とは

2018年4月よりサービスを開始した統合会社「OCEAN NETWORK EXPRESS(ONE)」は、商船三井をはじめ、川崎汽船、日本郵船3社のコンテナ船事業を統合して設立された。これによって、超大型コンテナ船31隻を含む、240隻の船隊が完成。その輸送規模は世界6位の144万TEU(20フィートコンテナ)にもおよぶという。国内外の大手海運会社と提携する「ザ・アライアンス」のメンバーでもあり、広範なネットワークを今後さらに拡大、90か国への展開とスケールメリットを活かし、大きな飛躍が期待されている。

10年後にあるべき姿を目指す、商船三井の「ローリングプラン2018」

将来的な成長を見越した事業統合などの戦略は、2027年に商船三井があるべき姿「競争力No.1事業の集合体になる」の実現を目指し、2017年に策定された経営計画「ローリングプラン」がベースになっている。これは、2027年の数値目標を経常利益1,500〜2,000億円に設定し、その実現に向けて毎年プランをアップデートしていくというプランで、次期は「ローリングプラン2018(RP2018)」が実行に移される。

目下の課題はコンテナ船事業の損益改善・黒字化だ。前述した「ONE運営」への注力が重要になる。同時に、港湾・ロジスティクス面で最新のITテクノロジーを活用し、シナジー効果創出と業務効率化を追求する。

世界的な景気動向に左右されがちなドライバルク船、エネルギー輸送でも、安定収益を確保するため、タンクターミナルへの参画検討、ケミカル船/メタノール船強化などの戦略が予定されている。これによって、コンテナ船事業統合の影響で売上高こそ1兆1,300億円と減収を予測するが、次期の営業利益は230億円、純利益は300億円、大幅な増収を見込んでいる。