総合輸送グループ商船三井の決算、増収増益ながら事業再編損失を計上【2018年最新版】

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総合輸送グループ商船三井は4月27日、2018年3月期の決算を発表した。世界経済の回復傾向を背景に、売上高は前期比109.8%の1兆6,523億円、営業利益は前期比886.7%の226億円で増収増益となったが、事業再編損失を計上した純利益は473億円の赤字に転落した。

AIを活用したデジタルマーケティングでフェリー集客に取り組む商船三井

港湾・ロジスティクス面での最新ITテクノロジー活用を示唆するなど、商船三井では業務効率化・収益改善に向け、ITの積極活用を進めている。その一例ともいえるのが、カジュアルクルーズサービスを提供する「さんふらわあ」集客に向けたビッグデータ活用だ。

Webサイト、ブログ、SNSを含め、社内外に点在する既存・潜在顧客の声をデータベースに集約。AIを活用した分析とともにスコアリング・行動分析で顧客像を可視化、マーケティングとサービス改善に活用するデジタルマーケティングシステムだ。

ビッグデータを形成するデータ蓄積に活用されるのは、ブログ検索によって生活者の行動を分析するサービス「Do-Cube」、データ蓄積・統合基盤として活用されるのは「DMPインテグレーションサービス」となるが、肝になるのは分析・解析を行うAI技術「FUJITSU Human Centric AI Zinrai」だ。

この取り組みは、個人を特定しない形でデータ収集されることもあり、AIの機械学習による分析・解析で「属性の推定」「趣味のスコアリング」「行動分析」を明確にするのが必須となる。

このシステムによって顧客の嗜好にあわせ、最適なマーケティングが可能になったばかりでなく、クルーズサービスを利用したことがない層に向けても希求が可能になる。

グローバル展開だからこそ必要な商船三井のダイバーシティ推進

世界各国へ航路を延ばし、グローバルに事業展開する商船三井は、必然的に外国籍の人材が多く在籍し、その比率は20,000人におよぶグループ社員の約半数にもなるという。もちろんこれに対応すべく、以前からダイバーシティ推進担当、健康経営推進担当を設け、企業の長期的な成長を支えていた。

しかし、グローバル化進展の加速が予測される現状を踏まえ「ダイバーシティ・健康経営推進室」を新設、組織的な対応力の強化で、より集中的に各施策を実行していくとした。

その中心となる取り組みが、女性の活躍推進だ。育児支援を中心とした制度の充実にとどまらず、キャリア形成の支援拡充、モチベーション向上を目的としたセミナー・研修の実施、グループ内の女性社員ネットワーク形成など多岐にわたる。

もちろん、キャリア形成の支援拡充は女性のみの適用にとどまらない。
異文化環境のダイバーシティマネジメント力向上、グローバル経営幹部育成を目的に、毎年「One MOLグローバル経営塾(MGMC)」を開講している。

MGMCによるグローバル研修に加え、安全意識を高めるための現場力育成研修も開始されている。
陸上職新入社員を対象に実施されたこの研修は、現場の仕事を知り、船を好きになることが安全意識の醸成に重要だという、現場主義にもとづいて2017年より実施された。
主に、荷役見学や工場・物流センターの訪問を中心に行われたが、多様な国籍からなる船員とコミュニケーションをとり、グローバル企業で働く人材としての意識を醸成するための乗船研修も実施されている。

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