日本調剤の決算売上高は2,412億円で増収増益、過去最高の営業利益【2018年最新版】

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調剤薬局の全国展開、医薬品製造販売などを手がける日本調剤は4月27日、2018年3月期の決算を発表した。増収増益となった売上高は前期比108.0%の2,412億円、営業利益は前期比124.3%の105億円で過去最高を記録した。
日本調剤の決算売上高は2,412億円で増収増益、過去最高の営業利益【2018年最新版】

全国に調剤薬局を展開する日本調剤が2018年3月通期決算を発表

業界2位となる調剤薬局チェーンの全国展開、医薬品製造販売などを手がける日本調剤が4月27日、2018年3月通期決算を発表した。増収増益となったその業績は、売上高が前期比108.0%の2,412億円、営業利益が前期比124.3%の105億円、純利益が前期比131.6%の61億円を記録。営業利益、経常利益が過去最高を更新するなど絶好調だ。

日本調剤では、2017年12月に公示された「平成30年度診療報酬改定の基本方針」「薬価制度の抜本改革に向けた基本方針」により、今後、医薬品・調剤薬局業界を取り巻く環境が激変すると認識。これに対応すべくグループ間の連携を強化、各事業の推進に注力した結果、好調な業績につながったといえる。

具体策として、調剤薬局事業ではM&Aを含めた36店舗の新規出店、8店舗の閉店で総店舗数585店舗に拡大。8.4%の増収を実現したほか、薬剤師・薬局への取り組み強化による調剤報酬の改善などで、29.8%もの大幅増益に成功している。

医療従事者派遣・紹介業務では、求職者との対面カウンセリングに注力、求人先とのマッチングクオリティを重視した取り組みに着手。派遣・紹介件数の増加傾向もあり、こちらも増収増益を果たすなど、堅調に推移した。

一方、医薬品製造販売事業では、調剤薬局事業の好調さも貢献して増収を果たしたものの、メーカー間の価格競争が激化し、開発・生産費用の増加に増収が追いつかず、営業利益は30.5%減に沈んだ。しかし、危機感を持って事業推進に取り組んだ結果、連結での増収増益という好調な業績を実現したといえよう。

日本調剤がチャンスと捉える医薬品・調剤薬局業界の大変動

業界を取り巻く環境を激変させる「平成30年度診療報酬改定の基本方針」「薬価制度の抜本改革に向けた基本方針」について触れておこう。

病院での受診、薬局での処方箋調合などで患者が負担する費用は「診療報酬点数」「調剤報酬点数」をもとに計算されている。この枠組みが、上述した基本方針にしたがって、2018年4月から変更されたのだ。

今回の改定は「2025年に団塊世代が75歳以上となる超高齢化社会」に向け「新しいニーズにも対応できる質の高い医療の実現と体制の整備」を目指すのが特徴となる。つまり、4人に1人が超高齢者となる社会を見据え、状況を反映した医療・調剤報酬へと変更するのが狙いだ。

具体的には、患者とのやりとりで重複投薬防止などに取り組む「かかりつけ薬剤師」の普及に向けて調剤報酬点数を高くする一方、「調剤薬局や門前薬局」の点数は相対的に低くなる。さらに、国民負担の軽減を目的にジェネリック医薬品普及が推進され、年4回の薬価見直しが行われるなど、薬価制度の抜本改革も盛り込まれているのだ。これは、主力のビジネスモデルが調剤薬局チェーンという日本調剤にとって、大きな打撃だろう。

当期、この問題に取り組んできた日本調剤も、一時的な収益性の低下は避けられないとし、次期業績目標を売上高2,538億円(5.2%増)、営業利益63.1億円(40.3%減)、純利益37億円(38.5%減)に置き、増収減益を見込んでいる。

しかし日本調剤では、今回の改定はマイナス面ばかりではないと見ている。地域との連携、医療機関との連携が明確にされたその内容は、将来あるべき薬局像が具体化されたとし、この大変動をチャンスに変えるつもりだ。2030年のビジョンである売上高1兆円企業の実現に向け、人材投資を含めた適切な投資を積極化させ、各事業とのシナジー効果を最大化、効率性と生産性をよりいっそう高めていく計画だ。