「民泊はとても不安」近隣者の多数が反対ーインテージリサーチより

インテージリサーチは5月14日、同社が実施した自主企画調査「民泊に関する意識調査」の結果を発表した。それによると、民泊運営に対する不安を持つ近隣者が多いことがわかった。

「民泊はとても不安」近隣者の多数が反対ーインテージリサーチより

拡大する民泊市場

民泊が注目を集めている。矢野経済研究所によると、2016年度の民泊を含むシェアリングエコノミーサービス市場規模は前年度比26.6%増の503億4,000万円となった。このなかでも、個人宅の宿泊をマッチングする民泊サービスは、ホテル・旅館業界のサービスをリプレースしていくと予測している。

このように、民泊市場は拡大している。しかしその一方で、実態はどうなのだろうか?「民泊に関する意識調査」によると、近隣の民泊運営への抵抗感は強く、住民の不安を解消できるように自治体が独自の条例で規制していく流れは続きそうだという。

また、分譲マンションでは、コミュニティーや共用部分が資産価値を左右することもあるため、民泊の運営は現状では受け入れがたいことであるようだと分析している。

この調査は、全国の20~79歳の男女1万人を対象にしたインターネット調査で、民泊への意識をきいたものである。以下で具体的にみていく。

近隣者の多数が民泊に不安、年齢が高くなるほど反対は増加

出典:「民泊に関する意識調査」インテージリサーチ

まず、近隣でのホストが在宅するタイプの民泊運営については、「賛成する」と「まあ賛成する」を合わせると17.3%となった。対して、「あまり賛成しない」と「賛成しない」を合わせると43.1%となった。賛成よりも反対の割合が高くなっている。また、年代別に見ると、男女ともに年齢が高くなるにつれ、より反対が強くなる傾向にあるとしている。

出典:「民泊に関する意識調査」インテージリサーチ

次に、近隣でのホストが在宅しないタイプの民泊運営については、「賛成する」と「まあ賛成する」を合わせると9.2%。「あまり賛成しない」と「賛成しない」を合わせると55.7%であり、ホスト在宅型よりも反対の割合がかなり高くなっている。

この二つのタイプを年代別に見ると、ホスト不在型も男女ともに年齢が高くなるにつれ、より反対が強くなる傾向にある。60歳代以上では、実に60%以上が反対していることがわかる。

出典:「民泊に関する意識調査」インテージリサーチ

近隣の住居者が、民泊運営についてどう思っているかを近隣者の住宅タイプ別に見ると、分譲マンションに住む人の反対がもっとも強くなっている。なかでも、ホスト不在型の民泊には分譲マンションに住む人の7割近くが反対している。

賛成するために必要なルールは「トラブルへの対処」

出典:「民泊に関する意識調査」インテージリサーチ

では、彼らはどうすれば賛成できるのか。上のグラフは、賛成するために必要なルールを聞いた結果である。これをみると、「トラブルを起こした民泊施設の営業禁止」が51.9%でもっとも高くなっている。行政がトラブルを起こした民泊施設を放置せず、適切に対処していくことが求められていることがわかる。

また、「対面により宿泊者の本人確認を実施」が37.0%、「周辺住民への民泊営業の周知」が32.9%と高くなっている。

なかでも、注目されるのは、設問に対する自由記述として、「近隣でスーツケースを持った旅行者のように見える人がうろつくことがストレスになる」という回答があったことだ。この結果から、運営者が責任を持って民泊施設の所在を明らかにし、宿泊者の本人確認を対面で行うことで、近隣住民の抵抗感を軽減できそうだと分析している。

一方で、「どんな規制があっても賛成できない」も33.8%と高い。特に、分譲マンションに住む人では、この回答の割合が42.9%とさらに高い。

このように、民泊運営には現在、近隣での強い抵抗感があることが判明した。2020年には東京オリンピックの開催が控えており、訪日外国人客の増加が見込まれている。民泊サービスは、このような需要に対応するサービスとして期待されているが、一般に受け入れられるためには、まだ解決すべき課題は多いようだ。

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