住友商事決算、当期利益は前期比180.5%の3085億円で増収増益【2018年最新版】

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総合商社の住友商事は5月8日、2018年3月期の決算を発表した。収益が前期比120.8%の4兆8,273億円、当期利益は前期比180.5%の3085億円で増収増益だった。
住友商事決算、当期利益は前期比180.5%の3085億円で増収増益【2018年最新版】

住友商事が2018年3月通期決算を発表

総合商社の住友商事は5月8日、2018年3月通期決算を発表した。わずかながら減収となった前期を大幅改善した当期業績は、収益が前期比120.8%の4兆8,273億円、当期利益が前期比180.5%の3085億円で増収増益だった。増益の要因には、資源価格上昇や北米鋼管事業の収益改善、米国税制改正や資産入替に伴う一過性利益が挙げられる。だが、前期336億円におよんだ一過性損失を差し引いても、それを大幅に上回る増益を達成しており、まさに絶好調といっていいだろう。

セグメント別で増益に大きく貢献したのは「輸送機・建機事業」「資源・化学品事業」部門だ。在米州子会社持分の、一部セグメント移管が減益要因となった輸送機・建機では、リース事業建機販売・リース事業が好調に推移。船舶事業の回復基調も追い風となり、減益要因をカバーする大幅増益を達成している。

また、前期でチリ銅・モリブデン事業で減損損失を計上した資源・化学品では、その反動に加え、資源価格の上昇でボリビア銀・亜鉛・鉛事業などが堅調に推移。当期の一過性利益とともに、前期比792億円もの増益を達成、業績に大きく貢献した。

海外発電所事業・電力EPC案件が堅調に推移した「環境・インフラ事業」、堅調な国内主要事業・不動産事業に加え、資産入替による一過性利益のあった「メディア・生活関連事業」の貢献も見逃せないだろう。

住友商事、2018年度の見通しは

リスク要因による先行き不透明感は残るものの、穏やかな回復を見せる世界経済を背景に、住友商事では次期見通しに、連結純利益3,200億円を見込むと宣言した。これは市況回復による鋼管事業の需要増加、電力EPC案件や不動産事業など、各部門の主要事業が堅調に推移すると見ているからだ。当期計上した一過性利益の反動による減益要因はあるものの、各事業の成長がそれを上回る想定といえる。なお、この予測は資源ビジネスにおける、大幅な資源価格変動は織り込んでいない。

次期見通しである純利益3,200億円という数値は、2018年度から開始される、新たな3か年計画「中期経営計画2020」の定量目標でもある。住友商事では2017年度までの3年間、成長戦略・経営改革の推進に取り組み、経営基盤強化に努めてきた。新たな3か年計画では、これまでの経営基盤強化を進めつつ、AI・IoTなどのテクノロジー進化がもたらす全産業のボーダーレス化・複合化に対応すべく、次世代新規ビジネスの創出を中心に注力していく。

具体的には「テクノロジー × イノベーション」「ヘルスケア」「社会インフラ」を成長分野として捉え、3年間で合計3,000億円程度を目処に資金投下する。このうち、住友商事が第四次産業革命領域と捉えるテクノロジー x イノベーションでは、デジタルトランスフォーメーション(DX)による産業のICT化・ボーダーレス化の加速をフォロー。産業構造・ビジネスモデルの変革に備え、研究開発への投融資枠200億円を設定した。

高齢化・医療費膨張が課題となるヘルスケアでは、IoT・AIなどの先端技術を活用したデジタルヘルス事業の拡充とともに、効率化を追求した新たな医療ビジネスの開発、新興国での医療インフラ整備への参画を計画。民間委託へのシフトが加速する社会インフラでも、新技術を最大限活用し、環境配慮型ビジネスの強化や都市開発・インフラ整備事業へ積極的に参画していく体制だ。