伊藤忠商事決算、当期利益は前期比113.7%の4,003億円で2期連続過去最高益更新【2018年最新版】

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総合商社の伊藤忠商事は5月2日、2018年3月期の決算を発表した。増収だった収益は前期比113.9%の5兆5,101億円、当期利益は前期比113.7%の4,003億円となり、2期連続で過去最高益を更新した。
伊藤忠商事決算、当期利益は前期比113.7%の4,003億円で2期連続過去最高益更新【2018年最新版】

伊藤忠商事が2018年3月通期決算を発表

総合商社の伊藤忠商事は5月2日、2018年3月通期決算を発表した。増収だった収益は前期比113.9%の5兆5,101億円、当期利益は前期比113.7%の4,003億円となり、2期連続で過去最高益を更新。資源分野事業に大きく依存しない、堅調なビジネスモデルが功を奏した形だ。

最高益更新は、一過性損失のあった繊維カンパニーを除くすべてのセグメントで増益を達成したのが要因だ。特に、住生活、食料、情報・金融カンパニーを中心に基礎収益を伸長した非資源分野は、過去最高となる純利益3,310億円を記録し前期実績を173億円上回った。加えて、鉄鉱石・石炭価格の上昇や販売数量が増加した資源分野の金属カンパニーも、前期を372億円上回る825億円の利益を生み出し、連結準利益に大きく貢献している。

経営統合となったユニー・ファミリーマートの属する食料カンパニーなど、持分法による投資利益が増加したのも大きい。情報・金融、住生活カンパニーでもこれが増益の一因となっている。

伊藤忠商事、2018年度の見通しは

従来から資源分野に大きく依存しないビジネスモデルを持っていた伊藤忠商事は、必然的に非資源分野の成長に集中していたといえる。これが、商品価格が下落した2015年度に、連結純利益で商社No.1となった大きな理由だ。当期も生産性向上を基軸とした働き方改革で、既存事業の磨きと「削る」を実行し事業成長に注力してきた。その新たな中期経営計画が「Brand-new Deal 2020」だ。

この計画では、従来の施策をより深化させた「スマート経営」「健康経営No.1企業」を根底に「商いの次世代化」をあわせた3つを戦略の核とする。具体的には、新技術を活用したビジネスモデルの進化とバリューチェーンの価値向上を組み合わせ異業種・ベンチャーとのオープンな連携を視野に、すべてのカンパニーを磨いて削る。伊藤忠商事では、これらの推進による次期連結純利益の見通しを当期比112.4%となる4,500億円を見込むとした。

懸念されるのは、1ドル=105円が想定される為替、1バレル=55ドルが想定される原油価格などの変動要因だ。たとえば為替が1円の円高となると、純利益に23億円の減益インパクトを与える。だが仮に純利益マイナス計上の可能性があったとしても、伊藤忠商事では過去最高益の連続更新を見込んでいる。

伊藤忠テクノロジーソリューションズ、ガバナンスを強化するクラウドサービス提供

「すべてのカンパニーで新技術を活用したビジネスモデルを進化させる」という伊藤忠の取り組みはグループ会社である伊藤忠テクノロジーソリューションズ(CTC)でもはじまっている。それがクラウド経費管理システム「Concur Expense」の導入・運用サービス「eExpense(イーエクスペンス)」に、クラウド名刺管理サービス「Sansan」を連携させる「Sansan Business Card連携サービス」だ。

これは、交際費の精算時に同席者の正当性が判断しにくいなど、従来の課題を解決すべくスタートしたサービスだ。Concur ExpenseとSansanの連携により、名刺交換していない場合の交際費使用の監視、名寄せや入力時間の削減が可能。ガバナンス強化と業務効率化を実現する。

CTCでは、これにRPAやAIの活用も視野に入れ、経理業務の効率化やガバナンス強化を推進していく予定だ。

なお、名刺管理サービスとは、名刺情報の入力を簡素化して共有を可能とするサービスだ。なかでも圧倒的なシェアを誇るSansanは、個人管理では埋もれてしまいがちな名刺情報を一元管理することで社内共有を実現。社員の人脈を可視化し、会社の資産に変えることで効率的な営業活動を可能とするクラウドサービスだ。本体の伊藤忠商事でも、Sansanの導入が報じられている。