専業主婦になりたい女性が知っておくべき、第3号被保険者「3つのポイント」

最終更新日: 公開日:

“女性の活躍推進が思うように進まない“と悩む企業は少なくありません。そもそも、日本は世界的に見て女性の専業主婦願望が突出して高い国(※)。いろいろな施策を講じることも必要ですが、第3号の現実と未来を知ってもらうことが、意識改革の第一歩なのではないでしょうか。

専業主婦になりたい女性が知っておくべき、第3号被保険者「3つのポイント」

※OECD(経済協力開発機構)国際学力調査
15歳女性を対象とした「30歳頃の時点においてどういう仕事に就いていたいか」の設問で、加盟国15か国のうち日本は専業主婦志望率が第1位

第3号被保険者とは、年金の加入者種別を示す言葉です。加入種別には1号、2号、3号があります。第3号被保険者の年金保険料は年金制度が負担するため、自己負担がありません。健康保険も同様に健康保険被扶養者に該当すると自己負担がない、これが第3号被保険者の特徴です。専業主婦以外にも一定の要件に該当する方はこれに該当します。

一般的に言われる“年収130万円の壁”とはこの社会保険の年収要件のことを指しています。子育てなどの理由で、一時的に第3号となることを余儀なくされるケースもありますが、下手に働くより専業主婦の方がお得、働くとしても年収130万円を超えないように、という選択をする女性が多いのは保険料の自己負担がないことが理由です。

この第3号という選択は最善の選択なのでしょうか?ここでは、事実をもとに、第3号が最善とは言い切れないことを示していきたいと思います。

第3号被保険者のポイント(1)教育費の実態

子供ひとりに必要となる教育費は2,000万円とも言われています。遠方の学校に通う場合の仕送りも考えるともっとかかるかもしれません。

でも、必要なだけ教育費用をねん出できる家庭は減っています。奨学金制度を活用する学生はこの10年ほど右肩上がりに増加し、大学進学にあたり約半数の学生が返済を必要とする奨学金制度を活用しているという調査結果もでています。

子供の将来に備えるためには、配偶者の給与が順調に増えることに望みをかけて第3号に留まるよりも、確実に世帯収入を増やすために動く必要があるのです。

第3号被保険者のポイント(2)人生100年時代

世界でもっとも高齢化が早く進む社会として注目を集めている日本。安心して老後を送るために、第3号で本当に大丈夫でしょうか?

新たに老齢年金の支給が開始される方の多くから、「思っていたより少なかった」「これだけで生活していけるか不安」という声を聞きます。

きっと大丈夫、ではなく将来もらえる年金額はきちんと知っておきましょう。なお、年金額を知るには「ねんきん定期便(※)」が役立ちます。

仮に、ずっと第3号だった場合、今の価額で老後に受け取ることができる老齢年金は月65,000円ほどです。

老後に備えて貯蓄することも必要ですが、人生100年時代、老後と呼ばれる期間は30年近くに及ぶかもしれません。一体何年暮らしていくだけの貯えが必要になるのでしょうか。その点、老齢年金は一生涯受け取ることができる社会保障です。第2号被保険者として働くことで、将来受け取る年金額は増やすことが可能です。

※日本年金機構から、年1回誕生月に社会保険の届け出住所に郵送で送られる書面。保険料納付の実績や将来の年金給付に関する情報が記載されている。

第3号被保険者のポイント(3)社会保険の適用は拡大傾向

もともと、日本の社会保障制度は、男性が働いて家族を養い女性は家庭を守るという家族像が唯一無二だった時代に設計されています。女性が子育てしながら働くという選択肢はあとから生まれたものです。これに対し、専業主婦志望率が低い北欧の社会保障制度は、最初から働く女性を前提にして設計されていると言われています。

日本の社会保障制度は、時代の流れにあわせて変化する途上にあります。例えば、第2号の適用対象は段階的に広がっています。平成28年10月からは、従業員数501人以上の大企業を対象に、年収130万円未満であっても、週20時間以上働く方で賃金月額が88,000円以上の方は、新たに第2号被保険者となりました。その後平成29年4月からは従業員数500人以下の企業も任意の適用対象となっています。

いずれさらに適用が拡大され、年収130万円の壁は自ら乗り越えずとも外側から撤去されてしまう可能性もあるのです。