増加する「中途採用」 企業が力を入れるべきポイントを徹底解説

最終更新日: 公開日:
近年、事業拡大やグローバル化に対応するべく、中途採用により優秀な人材を確保しようとする企業が増えています。中途採用はキャリアやスキルを重視した即戦力採用が基本。転職希望者が多い9月、3月頃が中途採用のピークといわれており、計画的な採用プロセスの実行が必要です。また採用管理システムを導入する企業も増えています。
増加する「中途採用」 企業が力を入れるべきポイントを徹底解説

近年、事業拡大やグローバル化に対応するべく、中途採用により優秀な人材を確保しようとする企業が増えています。中途採用はキャリアやスキルを重視した即戦力採用が基本。また転職希望者が多い9月、3月頃が中途採用のピークといわれており、計画的に採用活動を展開しなければなりません。

ここでは中途採用の基本的なプロセスや、押さえるべきポイントについて、解説していきます。

中途採用とは

高校や大学などの卒業予定者を採用する「新卒採用」に対し、それ以外の採用を「中途採用」と呼びます。中途採用は業務経験、スキルなどが重視され、人材ニーズの点で新卒採用とは大きな違いがあります。

中途採用と新卒採用の違い

新卒採用は人材の伸びしろや将来性を見据えた「ポテンシャル採用」であるのに対し、中途採用は実務経験やスキルを重視した「即戦力採用」という点で大きな違いがあります。

ただし入社3年以内の「第二新卒」とも呼ばれる若手の人材に関しては、即戦力となるほどの経験やスキルを求めるのが難しいことから、新卒採用、中途採用双方の中間的な位置づけで扱われることが多いようです。

採用時期についても両者には違いがあります。まず新卒採用は年1回、年度始めの定期採用が基本となります。これに対し中途採用は欠員補充や事業拡大などに合わせて不定期に行われます。すなわち必要な時期にタイムリーに人材を補充できるのが、中途採用の特徴でありメリットでもあるのです。

活発化する中途採用

これまで大企業は新卒採用を基本としてきたものの、2009年頃からは中途採用も積極的に行うようになってきました。即戦力となる人材を外部から採用しなければ、経営のスピード化や事業拡大、グローバル化の波についていけない時代になりつつあるのです。

こうした背景を踏まえ、即戦力確保のための中途採用がどう行われているのか、次章ではその採用プロセスについて説明します。

中途採用のプロセス

即戦力となる人材を確保できる中途採用は非常に重要であり、しっかりとした準備が必要となります。その中途採用のプロセスを段階ごとにわけて紹介します。

採用計画を立てる

採用に際しては採用計画を立案します。その中で採用目標、採用予算、採用担当者、募集要項を明確にします。

まず採用する職種やポジション、人数など、採用目標を立てます。この中で業務経験やスキル、性格など、欲しい人材のイメージを明確にしておきましょう。

人材を採用するにも広告費などお金がかかります。「予算が足りずに失敗!」ということのないよう、採用予算も決めておくことが大切です。

採用担当者は応募者と直接やりとりをする重要な役割を果たします。コミュニケーション能力に優れ、会社の魅力や展望を語れるなど、応募者に一緒に働きたいと思わせる人物が適任です。

募集要項は業務内容や待遇面の表記が、応募者にとって魅力的に映るよう準備します。

募集

準備が整ったら、募集を出します。自社HPなどを使って自力で募集する以外にも、さまざまな機関やサービスを利用できます。

転職サイトはもっとも多く利用されている求人媒体であり、企業側としては多くの情報を掲載できるメリットがあります。費用が発生するポイントは掲載時点、採用決定時点など、サイトによって異なります。

複数企業が説明会を行う転職イベントも中途採用の場としてよく利用されます。求職者とその場で面接ができるなど、スピーディーで効率的な採用活動ができます。出展費用は公営主催は無料、民間主催は有料のケースが多いです。

ほかにもハローワーク、人材紹介会社、SNS、求人誌、新聞広告など、さまざまな求人募集の方法があります。人材確保のためには、予算や求める人材など採用に合わせた方法を選ぶことが求められます。

書類選考

応募があればまず行うのが書類選考です。応募者が絞り込まれていない場合は人事、ある程度絞り込まれている場合は配属先で選考するケースが多いようです。

応募書類には個人情報が記載されているため、きちんと管理する必要があります。汚さない、書き込みしないよう気をつけ、破棄する場合はシュレッダーで確実に処理するなど、関係者全員で徹底しましょう。

書類選考のポイントとしては中途採用の場合、経験やスキル、資格などが重点項目となります。また志望動機や文字・書体などから応募者の性格や能力が見えてくる場合もあります。

なお、応募者の情報や面接スケジュールなどは、採用管理システムを利用すれば楽に管理できます。社内でシステムを構築することなく利用できるクラウド型も多く登場しています。

面接

中途採用の面接は、人事部門ではなく配属予定の部門が担当することもあります。このため面接官としてのマナーや心構えを周知する必要があります。人権的・性的な質問や高圧的な態度は避け、企業の顔として応募者に好印象を与えるよう面接に臨みましょう。

面接では応募者のことをよく観察し理解することが重要です。そのために、後日面談を行うこともあります。食事をしながら和やかな雰囲気の中で会話を交わし、応募者の本音や真意を引き出すのです。

応募者への結果通知は早いほうが賢明です。中途採用の応募者は複数の企業に応募していることも多く、早めに通知することで企業の誠意を示すことは、採用を有利にする材料となり得ます。

内定から入社まで

企業が内定を出しても応募者の受諾を得られなければ、採用決定とはなりません。優秀な人材は他企業からも内定を得ていると考え、最善を尽くすことが採用成功のカギとなります。

正式な「内定通知書」の交付がなくても、口頭で内定を伝えることで労働契約・採用の意思は提示されたことになります。競合に遅れを取らないためにも早めの内定連絡を心がけましょう。

内定後は入社意志を確認する必要があります。次候補を保留にして待たせる場合もあるため、期限を決めて早めに回答を得るようにします。

多くの場合、入社意志の確認後に応募者は現職の退職手続きに入ります。退職までは通常1~2か月はかかりますが、その間も連絡を取り続け、スムーズに入社できるよう万全のフォロー体制を維持しましょう。

中途採用が活発になる時期

さて、中途採用にも波があり、ボーナス支給からしばらく経った9月および3月に転職活動が活発化するといわれています。ボーナス支給直後は休みや忙しい時期と重なることがその理由です。

こうした転職希望者の動向に合わせ、9月と3月にもっとも中途採用活動が活発になる傾向が見られます。また両月に次いで多いのが6月で、新入社員の対応が一段落したのを見計らって中途採用に注力するためと見られます。

転職活動が盛んな時期に中途採用を行うと、応募者が多く集まり優秀な人材に出会える確率が高くなるメリットがあります。しかし求人を出しているライバル企業も多いことから競争が激しく、内定を出しても辞退されやすいというデメリットもあります。

一方、転職希望者が少ない1~2月や5月頃は求人を出している企業も少ないため、採用に際しては慌てることなく人選を行うことが可能です。ただし応募者の絶対数は少ないため、優れた人材に巡り合える確率は少ないかもしれません。

計画的な採用活動を

中途採用は業務経験やスキル重視の「即戦力採用」であり、この点でポテンシャル重視の新卒採用とは大きく趣きが異なります。

近年は外部から即戦力となる優秀な人材を獲得し、事業拡大、グローバル化に対応する企業が増えており、中途採用がより重要視される時代となっています。

中途採用は1年の中で9月、6月がピークといわれています。応募者、採用企業ともにひしめき合う大変な時期ですが、求める人材に出会えるまたとないチャンス。人材確保のためのピジョンを明確化し、計画的に採用活動を展開しましょう。