“就活解禁”日が後ろ倒しされていることもあり、「リクルーター」の存在が際立つようになってきました。そもそも、リクルーターやリクルーター制度とは、どのようなものでしょうか。企業が気をつけるべきポイント、面談の実態やメール返信の要点、就活生にとってのメリットなども紹介します。
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リクルーターとは
リクルーターとは、入社志望者と直接コンタクトを取ることを目的として選ばれる社員のことです。若手の採用担当者が選ばれることが多く、出身大学のゼミやサークルに出向いて人材の発掘を行ったり、OB・OG訪問を受け付けたりと、採用活動の支援、調整役を担っています。
リクルーター制度を導入する理由
リクルーターが採用活動に関わる仕組みをリクルーター制度といいます。まず企業にとっての導入メリットは何でしょうか。おもに新卒採用の場を想定してまとめます。
企業がリクルーター制度を導入するメリット
まず、企業がイメージする人物像に当てはまる求職者を集めやすくなります。またリクルーターと求職者はおもに一対一で関わりを持つため、非常に密度の濃い時間を共有できます。 よい関係を築ければ、より効果的に自社をプロモーションできるのです。数ある企業から自社の志望度を向上させるという仕事もリクルーターの重要な役割です。
2018年卒を対象とした調査では、内定辞退率が6割を超え過去最高を記録。辞退者を減らすためにも、リクルーター制度が役に立つかもしれません。
就活生がリクルーターと会うメリット
では、就職活動をする学生がリクルーターと会うメリットは、何でしょうか。
まず不安や疑問の多い就活生にとって、早い段階からリクルーターとの接点を持てることは心強いでしょう。とくにリクルーターが若手の社員だと、年が近いため親近感を抱きやすく、質問しやすいのです。アドバイスなど就活のヒントをもらえる場合もあります。
リクルーターと実際に話をするなかで、どんな企業なのかを直接判断できるのも利点です。実際の現場や仕事についてリクルーターと意見を交わすことで、採用後に生じるミスマッチを回避しやすくなります。
さらにリクルーターとの面談で高評価を得られれば一次・二次選考をパスできることもあり、スピーディーな内定につながるチャンス。就活時の手段のひとつとして、十分に活用できるでしょう。
リクルーター面談のポイント
リクルーターと接点を持つポイントはさまざま。「面談」や「面接」というかたちで会うこともあります。どういったところで、どのような話をするのでしょうか。
リクルーター面談とは
一般的に、カフェなどを利用し、リクルーターと学生1~3名で1時間ほど話をします。お茶をしながら、あるいはランチをしながらと、カジュアルな場を設定されるものの、実質は面接を兼ねている場合が多いようです。オフィスではないからと気をぬかず、しっかりと準備をして臨みましょう。
質問のポイント
先述したように、企業側からも学生側からも「認識」をすり合わせることが重要です。採用ホームページなどを読むだけではわかりづらい社風や社員のようす、具体的な業務内容、忙しさや残業の実態などを話すなかで、企業と合うかどうかを互いに図ります。
学生からリクルーターへの“逆質問”を求められることも多々あります。会社説明会やホームページを読み込んだうえで、より仔細で具体的な内容を聞けるよう、用意しておくことが大切です。
リクルーターとの連絡で気をつけたいこと
続いて、リクルーターと連絡をとる際に注意したいポイントを紹介します。
リクルーターのアプローチ方法は?
リクルーターは、「電話」「メール」「SNS」など企業によってさまざまな方法でアプローチしてきます。それぞれのマナーにのっとったやり取りを心がけましょう。
とくに電話の場合は、時間に配慮しなければなりません。できるだけ企業の営業時間内にかける、深夜など不適切な時間は避ける、といった最低限の気配りは必要です。またSNSを介する場合、互いにコミュニケーションが軽くなってしまいがちです。丁寧な言葉づかいを忘れないようにしたほうがよいでしょう。
メールを送るときの注意点
メールでのコミュニケーションに戸惑う方も多いようです。ビジネスメールのマナーをヒントに、注意点をまとめました。
まず基本的な注意事項として、次の3点が挙げられます。
件名は変更せず、本文を引用して返信する
署名を入れる
質問は簡潔にまとめ、なるべく一度に送る
リクルーターへ送るメールには、面談をしてくれたことへの感謝の言葉を盛り込むことを忘れないようにしましょう。「お礼メール」を送るタイミングは、面談をした日がベストです。最低でも24時間以内には送るのがよいといわれています。もちろん、送信前に誤字脱字がないか確認してください。
企業も学生も、リクルーターを上手に活用しよう
リクルーターは対象の学生がいる大学のOB・OGから選出される場合が多く、OB・OG訪問から少人数のリクルーター面談へ発展することもあります。そのため、大学によってはリクルーターに会える機会がない場合もあり、選考のチャンスがフェアではないという声もあります。
また連絡が途絶えて“自然消滅”してしまったり、面談後の選考通過通知あるいは不採用通知がなく、選考が滞ってしまったりといった事例もあります。互いにしっかりと節度ある態度で接し、採用活動、就職活動を、よりよいものにしていきましょう。