MECEとは | ロジカルシンキングの基本的な考え方・論理的思考フレームワーク解説

MECE(ミーシー、ミッシー)とは、ロジカルシンキング(論理的思考)の基本ともいえる重要フレームワークです。MECEとは何か、具体例を挙げながら解説します。MECEをマスターして、論理思考を身につけるための実践的な問題解決の考え方を身につけましょう。

MECEとは | ロジカルシンキングの基本的な考え方・論理的思考フレームワーク解説

ビジネスシーンで「論理的思考」が重要であることは、多くの人が知っているはずです。さまざまな場面で論理的に考えることの重要性が提唱され、ロジカルシンキングに関する書籍も数多く発売されています。

しかし、具体的にどういうポイントに気をつければ論理的な説明ができるようになるのか、何を指針とすればよいのかなど、論理的思考ができているか自信を持てない人は少なくないでしょう。

今回は、コンサル業界をはじめ、論理的に物事を考えたい方や、説得力のある説明をしたいというビジネスパーソンに求められるフレームワーク「MECE」の基本を解説します。

MECEとは

MECEはロジカルシンキング(論理思考)の基本

MECEとは「ミッシー」あるいは「ミーシー」などと呼ばれ、英語の「Mutually Exclusive and Collectively Exhaustive」の頭文字をとったフレームワークです。日本語に訳すと「お互いに重複がなく、全体にモレがない」という状態のことであり、ロジカルシンキングでは基本的な概念とされています。

MECEはコンサルファーム「マッキンゼー」が発祥

MECEの考え方は、もともと世界最大手のコンサルティング会社マッキンゼー・アンド・カンパニーで使われていたフレームワークで、今ではマーケティングやビジネス戦略の用語として定着しています。

相手になにかを説明しようとするとき、その対象に「モレ」や「ダブり」があると、説得力に欠けたり、こちらの結論をスムーズに理解してもらいづらくなったりします。

そんなとき、このMECEを意識して論理を構築することにより、相手に納得感を与える強力な論理展開を可能にします。

MECEで考えるメリット

MECEに考えることのメリットは、主観的になってしまいがちな人間の思考に客観性をもたせ、論理的に思考を整理できるということです。

ある事柄を構成する要素について「モレ」も「ダブり」もなく整理しようとすると、まず全体像を的確に捉えなければなりません。

説明したい事柄の全体集合をつかむことで、自らの思考がクリアになるだけではなく、相手の理解の枠組みとリンクした説明が可能になります。

また、MECEを意識することで、相手に説明する事柄について「抜け」がなくなるため、企画書の説得力を上げたり、クレームやミスを事前に防いだりすることにつながります。

MECEは、特にコンサル業界などでは基本的な考え方のフレームワークだとされ、ロジカルシンキングの基本概念として認知されています。

ロジカルに思考を重ね、正しい結論に導くために必要とされるのがMECEであり、MECEを理解すれば、漠然と考えたきた事柄を構造化し、一見複雑でわかりにくい課題でも、解決の糸口をつかむことができます。

MECEの基本的な考え方

特にビジネスシーンにおいては、日々訪れるさまざまな課題を効率的に解決し続ける必要があります。時には非常に複雑で、解決に時間がかかる問題が降りかかることもあるでしょう。

そんなときは、大きく複雑化した問題をMECEにに切り分けましょう。要素ごとに思考と時間を集中させ、具体的な解決策を導き出し、効率的に実行できます。

つまり、問題・課題を「モレ」も「ダブり」もない要素に分解して、一つひとつ片付けていくことで、複雑で入り組んだ問題でも解決できるようになるのです。

考える対象について「モレとダブり」をなくすことこそが、MECEの基本なのです。

MECEではない例

MECEの概要について説明したところで、MECEに考えることの具体例をみていきましょう。

まずは「MECEではない例」をとして、某ヘルスケアアプリの会社を想定し、ターゲットとなる女性層の要素分解について考えてみましょう。

例題:某ヘルスケアアプリの会社は開発のためにどのようにターゲットになる女性層を要素分解すべきか。

この例題に対する回答が以下のようなものだったとします。これはMECEといえるでしょうか?

1.主婦
2.OL(労働層)
3.フリーター
4.シニア(65歳以上)

残念ながら、これではMECEにターゲット要素を挙げたとはいえません。

たとえば1の「主婦」と2の「OL(労働層)」は、重複している部分があります。専業主婦ならば話は別ですが、主婦でありながらOLとして働いている女性も多いからです。シニア層の主婦も存在しますから1と4でも「ダブり」が生じています。

また、ヘルスケアアプリを利用するであろう女性のなかには女子学生もいるはずですから、要素に「モレ」もあることがわかります。

MECEである例

一方、MECEである例として以下の例を考えてみましょう。

例題:某飲料会社がペットボトル飲料の売り上げ向上のために提案をする際、どのようにペットボトル飲料を要素分解すべきか。

この設問に関する回答が以下だった場合、これはMECEといえるでしょうか?

  1. 内容物と容器に分解
    (内容物は新しい飲料の提案など、容器は新しいラベルやキャップの提案など)

  2. 価格帯での分解

これらはどちらも必要な要素に「モレ」も「ダブり」もなく、MECEであるといえます。ペットボトル商品は水やお茶といった内容物と、それを入れる容器以外に必要ありませんから、単純なようでいてすべての要素が重複せずに挙げられています。

また、価格帯で分けることは、マーケティングの世界ではおなじみのMECEな分類といえます。他にも内容物を「炭酸」と「それ以外」、あるいは「糖分を含むもの」と「含まないもの」などに分けることも可能でしょう。メーカーで分けてみるという方法もあります。