なぜ今フェイスブックが批判されるのか?4つのポイントを議会との対立から読み解く

現在のフェイスブックには、大きな悩みが2つある。1つは、2016年の米大統領選挙に影響を与えたとされるロシア関係の広告とフェイクニュース(偽ニュース)。もう1つは相次ぐ「個人情報」問題。欧米議会との対立から、なぜ今フェイスブックが批判されるのか、4つのポイントを解説する。

なぜ今フェイスブックが批判されるのか?4つのポイントを議会との対立から読み解く

フェイスブックが批判されている理由は?

米国時間6月11日、米国の連邦議会に提出されていたフェイスブックのある文書が公になった。フェイスブックが4月の公聴会で質問攻めに遭い、その場で対応できず持ち帰った質問への回答を改めて報告したものだ。

米国の議会はなぜフェイスブックに厳しい態度で臨んでいるのだろう。フェイスブックに厳しいのは米国議会だけでない。CEOのマーク・ザッカーバーグ氏は、EU(欧州連合)議会でも謝罪する羽目になった。

欧米議会との対立を呼んだ出来事から、なぜ今フェイスブックが批判されるのか、4つのポイントを解説する。

1. ロシア関連の不正広告があった?

フェイスブックは2017年9月、ロシア政府が関与したと思われる広告の調査結果を公表した。それによると、2015年6月から2017年5月までのあいだに、ロシアの影響下にあるらしき約470個の不正アカウントとポリシー違反ページから約10万ドル(約1,100万円)の広告枠が購入され、約3000件の広告出稿があったそうだ。このうち、ロシア関係アカウントからの購入額は約5万ドル(550万円)、出稿数は約2200件だったという。

こうした広告は必ずしも米国大統領の選挙や投票、特定候補に関する内容でないものの、選挙戦が繰り広げられている最中の出来事であり、大統領選への干渉目的で配信された可能性があると問題視する声が多かった。この状況に対応するため、フェイスブックはこれらロシア関連広告の情報を米国議会に提出するとした。

2. フェイクニュース配信へ加担した?

米国議会では、同じくロシア関連の「フェイクニュース(偽ニュース)」も問題視された。

フェイクニュース問題では、フェイスブックだけでなく、ツイッターおよびグーグルも厳しい目で見られている。3社は2017年10月から11月にかけて議会の公聴会に出席し、ロシア工作員からフェイクニュース拡散ツールとして悪用されたとされる疑惑について証言した。この件では、ドナルド・トランプ大統領やその周辺人物の関与も取り沙汰されており、米国の政界を揺るがしかねない問題といえる。

このような工作目的の投稿には、どの程度の効果があるのだろうか。ニューヨーク・タイムズの報道によると、2015年1月から2017年8月に分裂をあおる目的でなされたロシア工作員の投稿は約8万件にのぼり、フェイスブックのユーザー2900万人に配信された。さらに、投稿はユーザーに次々と共有され、最終的に約1億2600万人の目に入った可能性がある。具体的な数字を見ると、影響力は侮れない。

3. 相次ぐ「個人情報」問題

2018年3月には新たな大問題に襲われた。クイズアプリ「This Is Your Digital Life」による、ユーザー8700万人分という膨大な個人情報の不正アクセス事件が明るみに出たのだ。

情報の流出先は、英国の政治関係データ調査会社、ケンブリッジ・アナリティカ。さらに、情報は同社から外部に提供されたとの証言もある。ケンブリッジ・アナリティカは、Brexit(英国のEU離脱)投票やドナルド・トランプ陣営の選挙キャンペーンにかかわっており、単なるプライバシ保護問題にとどまらない影響も考えられる。

なお、自分の個人情報がケンブリッジ・アナリティカへ流出したかどうかは、フェイスブック内で確認できる。自分の情報だけでなくフェイスブック友達の安全も確かめられるので、念のためチェックしておこう。

当然フェイスブックは、広告およびページに対する確認強化偽アカウント5億8300万件の無効化フェイクニュース対応といった対策を打ち出している。

しかし、その後もスマートフォン・メーカーなどへのユーザー関連データ提供(ニューヨーク・タイムズ)、ユーザー1400万人の投稿が全体公開されたバグなど、不信感を募らせる騒ぎが続いた。

4. ずさんなGDPR対応

追い打ちをかけるように、5月末、EU地域から外部への個人情報持ち出しを厳しく制限するGDPR(EU一般データ保護規則)の施行日を迎えた。

フェイスブックは、グーグルなどとともにGDPR施行当日、プライバシー保護団体のnoyb.euからいきなり提訴されてしまった。

GDPR順守を宣言しているフェイスブックではあるが、うまく行くだろうか。GDPRの規則は厳しく、これまでのような事業展開は難しいだろう。以前佐藤隆之氏が次の記事で指摘したとおり、GDPRはフェイスブックの負担になるはずだ。