「骨太方針2018」うけ経団連・商工会議所がコメント発表「再度同じ轍を踏まない強い覚悟が必要」

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6月15日、政府は「骨太方針2018」「未来投資戦略2018」を閣議決定した。これをうけ、同日、日本経済団体連合会中西会長、日本商工会議所三村会頭がそれぞれコメントを発表した。三村会頭はこの中で、「骨太の方針において、PB(プライマリーバランス)の黒字化目標の達成時期を先送りしたことは止むを得ないが、再度同じ轍を踏まない強い覚悟が必要である。」と述べ、一定の理解を示しながらも課題感をにじませた。
「骨太方針2018」うけ経団連・商工会議所がコメント発表「再度同じ轍を踏まない強い覚悟が必要」

「骨太方針2018」「未来投資戦略2018」閣議決定

15日、政府は財政・経済の基本方針である「骨太方針2018」未来投資戦略2018を閣議決定した。

骨太方針では財政再建の施策、2019年10月の消費税引き上げ、幼児教育無償化、外国人労働者の受け入れ拡大などのトピックスはあったものの、全体的には目新しさはなく、経済界からは落胆の声も多いという。

この閣議決定を受け、経団連の中西会長と商工会議所の三村会頭はそれぞれコメントを発表した。

経団連中西会長「Society 5.0」推進へ、府省横断的なイノベーション戦略の実行を求める

中西会長は、2025年度のPB(プライマリーバランス)の黒字化については、経団連がこれまで主張してきたことと一致するとし、高く評価しているとしている。

また、「Society 5.0」実現への取り組みについては、以下のようにコメントしている。

経済界は、今回の閣議決定を踏まえ、国連が掲げる持続可能な開発目標(SDGs)の達成に向けて、成長戦略の柱であるSociety 5.0の実現への取組みに引き続き尽力していく。政府には、「フラッグシップ・プロジェクト」の推進を通じ、新たな社会のあり様を示すとともに、その実現を支える府省横断的で統合的なイノベーション戦略の実行と研究開発投資の質・量両面での充実を求めたい。(中西氏)

また、歳出改革の重要分野である社会保障改革については、社会保障費の伸びを抑制するための改革が必要としている。団塊世代が後期高齢者になる2022年を見据え、社会保障給付の重点化・効率化、利用者負担の適正化などを検討していくよう働きかけていくという。

商工会議所三村会頭「再度同じ轍を踏まない強い覚悟が必要」

日本商工会議所三村会頭はコメントの中で、第4次産業革命やデジタル革命などの戦略が網羅されていることを高く評価するとともに、民間主導により、実現に向けて粘り強い努力が必要であるとの見解を示している。

また、「労働力不足、生産性低迷」への課題は、事業者にとっての大きい。とりわけ中小・小規模事業者にとっては深刻化しているという。商工会議所としては、一定の専門性・技能を有した外国人材の受け入れ、規制・制度改革、行政手続コストの削減などの施策を強く要望してきたとし、その点では事業者にとっての大きな後押しになると評価している。

一方、PB黒字化目標の達成時期を先送りした政府方針について、覚悟をもって望むようにと釘をさしている。以下コメントを引用する。

骨太の方針において、PBの黒字化目標の達成時期を先送りしたことは止むを得ないが、再度同じ轍を踏まない強い覚悟が必要である。鍵となる社会保障給付費は、2040年度に190兆円に達するとの試算があり、改革の遅滞は許されない。国民的議論の下に、世代間のバランスや応能負担の視点に立った抜本改革に取り組み、国民の将来の安心を確保する必要がある。予防・健康づくりの推進も不可欠である。(三村氏)

また、消費税10%引き上げは、過去2回延期されている事案であることから、教育無償化や社会保障の充実などの目的を最大限に広報し、国民に理解を求めるべきであると進言している。